六甲山魚屋道(甲南山手~有馬温泉)

2020年5月25日 ①


芦屋から六甲を越えて有馬温泉に向かう。六甲銀座とも呼ばれる高座の滝経由の道を避けて、甲南山手からの魚屋道(ととやみち)を歩くことにしよう。芦屋の登山口に長らく貼られていた登山自粛の注意書も無くなったけど、可能な限り密を避けたいものだ。



魚屋道はその名の通り、海産物を有馬まで運んだ道だそうだ。もっとも時の幕府は西宮から宝塚を経由する道を行くことを強いたため(安全のためなのか、街道への利益誘導のためなのかは知らないけど…)魚屋道は長らく秘密の抜け道のような存在だったらしい。



決してマイナーな登山道ではないのに、なぜか誰とも出会わない。まだ登山を自粛している人が多いのかもしれない。登りはそこそこキツいけど日射も眺望もあって気持ちのいい登山道だ。もっともこの季節に仕方ないことだけど、毛虫が多いことには往生する。



総じて道は良く整備されていて、分岐点にはわかりやすい標識もある。迷いようの無い道のようにも思えるけど、油断は禁物だ。東六甲山系は数多くの道迷い事故が発生することで有名だ。



イノシシの目撃情報が多い風吹岩方面へと向かう。以前もこの付近の登山道でイノシシと出会い慌てて道を譲ったけど、このような切り立った崖に挟まれた道でイノシシと出くわしたくないものだ。



岩がゴロゴロと転がっている。風吹岩までもう少しのはずだ。子供たちがはしゃぐ声も聞こえる。



風吹岩に到着。ここで芦屋から高座の滝やロックガーデンを経由して登ってくる六甲銀座ルートと合流する。幸い今日はイノシシは見当たらない。



イノシシはいないんだけど、猫は6匹も確認できた。餌をどうしているのか不思議でたまらない。風吹岩を縄張りにしているようで、大胆にもイノシシに立ち向かう動画も見たことがある。しかし人間に対しては全く無防備だ。



風吹岩での小休憩のあと、雨ヶ峠に向かって登っていく。



何度か涼し気な渓流を渡る。風吹岩の猫たちも飲み水には困っていないだろう。



本庄橋跡。今では砂防ダムがあるあたりに石橋が架かっていたそうだ。今では登山者のために簡易な(でもしっかりとした)木橋が架けられている。



本庄橋跡から、急な石段の道が続く。六甲山頂に向けての終盤で最もしんどいところだ。



いつものことだけど、疲れてくるとかつての滑落事故の古傷のある右脚が上がりにくくなり体形が歪んでくる。薄紅色のヤマツツジ?に応援されるように、石段をひとつずつ踏みしめるように登る。



六甲山頂にほど近い一軒茶屋に到着。いつもはここでカレーライスを食べるのだけど、コロナの影響で閉店している…。幸い自販機は稼働していたので、冷えた水でリフレッシュができた。



六甲山頂の近くには自衛隊のものと思われる電波塔があるのだけど、今日は電波塔の前に迷彩を施したトラックが停車していた。塗装ではなく、幌におそらく自然の蔓草を貼り付けたカモフラージュだ。もっと近寄って触ってみたかったけど、怒られそうだ…。



六甲山頂。六甲山を訪問する人は多いけど、山頂まで来る人はごく少ないと思う。な~んにも無いんだから。山慣れた人は最高峰に立ち寄らずに有馬に抜け、マイカーやケーブルで訪れる人は、眺望が良く施設が充実したガーデンテラスや牧場で遊んで帰る。



山頂付近から阪神間方面の眺望。霞んでいてイマイチだけど、大阪湾岸の埋立地の状況や大阪市内の高層ビルが確認できる。



再び一軒茶屋に戻り、魚屋道で有馬温泉方面に向かって歩いていく。ここから先はダラダラとした下りになるはずだ。



道は総じて平坦で、歩きやすい。もっともここまでの疲労が蓄積して、さほどのスピードで歩けるものでもない。



途中台風被害で道が崩落していたりして、ちょっと険しい迂回路を歩かねばならない箇所があったりもするけれど、大した難路でもない。



日本最古のトンネル跡。明治7年に開通し、湯治客を運ぶ駕籠や荷馬が石垣のトンネルをくぐっていたと説明板には書かれているのだけど、当時を彷彿とさせる名残は全く見つけることができない。崩落で完全に埋まってしまったのだろうか。



トンネルは無くとも、さほどの急坂を歩くことなく有馬温泉までやってきた。六甲有馬ロープウェイは時間を短縮しつつも営業中のはずだけど、全く人の気配が感じられない。



本日の歩行軌跡。適度に涼しく、山道をおよそ14㎞歩いた割には、ダメージも少ない。



何度も六甲山には登ったけれど、まだ未踏破の道が多い。YAMAPに掲載されているメジャーな道をひとつひとつ制覇していきたいものだ。


平面地図ではイメージが沸きにくい登山経路をYAMAPの3D機能を使っての立体化を試みるが、たかだか900mの山歩きでは、さほどの迫力ある画像にはならない。



幸い体力も時間も残っているので、有馬温泉の近くの落葉山にチョコっと登ってみたが、その様子は別にアップする。(②へ)