七兵衛山【六甲山系】

 2022年10月1日


長らく山歩きができない状況が続いたけれど、久しぶりに六甲山系の七兵衛山に向かう。阪急岡本からの八幡谷登山道ならば、さほどの急登もないのでリハビリ登山にはちょうど良かろう。



かなり涼しくなったとは思っていたけれど、いざ歩き始めると日射しも強く、かなり暑い。阪急岡本駅から10分ほど坂道を登ったところにある岡本八幡神社では、早くも汗ビッショリだ。



さらに北に進み、八幡谷の入口までやってきたが何とも体が重い。今日はヤメよっかな、なんて思い始めた弱気な気持ちを振るい立たせて山道へと入っていく。



歩きなれたつもりの八幡谷だけれど、半年以上ご無沙汰だ。久しぶりに登山道の門番を勤めているかのような石仏にご挨拶。暑いからだろうか、今日は帽子も前垂れも付けておられない。



八幡谷に沿って坂道を登っていく。さほどの急坂ではないのに、すぐに息があがる。情けないことに、しばらく運動していないと、あっという間に体力低下がしてしまう。



八幡谷から七兵衛山にかけての道は、長年Fさんが整備を続けてきたところだ。手作りのベンチや手摺りはどれもいかつく不格好だけれど、実に頑丈で、見た目と異なり実用性が高い。



鬱蒼とした杉林が日射しを遮っているせいか、それに高度があがってきたせいか、あまり暑さを感じなくなってきた。それでも思っていたよりも随分とシンドイ…。



まあ、Fさんのお陰で休憩するベンチは彼方此方にある。六甲山系に登山道は縦横無尽に走っているけれど、気持ちよく座り込めるところはとても少ない。座り込むのに困らないのは、Fさんが整備し続けた、七兵衛山、打越山、八幡谷、ハブ谷周辺だけだ。



手摺りもベンチも、板材ではなく、付近で倒れていたニセアカシアを丸太のまま使用している。すぐに崩れてしまいそうに見えるけれど、押しても引いてもビクともしない。それに実際に座ってみると、とても座り心地よくできている。



七兵衛山の南を抜ける道は随分と長らく通行止めになっている。素人目には大した崩落にも見えず、ちょっと整備すれば簡単に復旧できそうに思えるのだけれど、六甲山系には長年通行止めになっている道が少なくないけれど、技術の問題か、予算の問題か、どちらだろう。



最近よく目にするんだよなぁ。この種の顔アート。ちょっとホッコリする。



打越峠。休憩ばかりしていたせいか、ここまで登ってくるのに岡本から1時間半以上掛かってしまった。打越山に立ち寄ろうかとも思っていたけれど、今日は七兵衛山だけ登って帰ることにしよう。



打越峠からしばらく東に進むと七兵衛山に登る分岐が現れる。この標識もたぶんFさんが製作したものだ。



路面には栗が多数落ちている。もうすっかり秋なんだよなぁ…。この夏はロクな登山もできないままに終わってしまった…。



七兵衛山(462m)山頂。一体何人が休憩できるのだろうか。何層かに分かれたテラスのような休憩所は、もちろんFさん渾身の作品だ。



七兵衛山からの眺望。眺望だけでなく、ベンチの数も、摩耶山の掬星台に匹敵している、というのはチョット言い過ぎかなぁ…。



倒木の多い水平道を東へ、保久良神社方面へと下山する道を進む。途中、Fさん製作の手摺りやベンチを観察している女性ハイカー3人組と遭遇。Fさんの話を随分と興味深く聞いてくれた。Fさんの偉業を少しでも多くのハイカーに知ってもらえるのは嬉しいことだ。



その名のとおり、水平道はアップダウンも少なく、のんびりと山歩きできるお気に入りの道のひとつだ。ちょっと細いのですれ違うのに気を遣うところもあるけれど、とても快適にあるける森林道だ。



もっとも保久良神社への下りは歩きにくい段差の高い石段が延々と続く。登るのも厄介な道だけれど、下るのも膝を痛めてしまいそうでとても辛い。



保久良神社前にある灘のひとつ火。古代から瀬戸内を通行する船に向けてかがり火を焚いていたところだという。その由来は神功皇后にまで遡るらしい。毎日麓の住民が油を注いで火を守ってきたという。もっとも今では電線が引かれて電灯になっている。



心拍数グラフ。登り始めてしばらくはすぐに心拍数があがり、赤色(最大強度)とオレンジ色(無酸素運動)を行き来している。途中で気づいてなるべく緑色(有酸素運動)になるようにペースを落としたけれど、心拍数を意識して歩くのは結構難しい…。



歩行距離6.6㎞。総所要時間4時間。獲得標高580m。大したルートでもないのに、そこそこ疲れた。しばらくはこの程度の山歩きで体を慣らしていかねばならないようだ。