生駒山…山頂未達(東大阪市)

 2023年11月15日


久しぶりに生駒山に登ってみよう。いくつもある登山道のうち、登った記憶が無い「くさかコース」を目指す。13時半と遅いスタートになったけど、生駒山は「比較的簡単に登れる」との記憶が強く、最悪でも山上からケーブルで下山できる、と気楽に石切駅を出発。



石切駅から西にしばらく歩くと旧生駒トンネルが現れる。大きな犠牲を払いながらも完工した阪奈間の大動脈も、新生駒トンネルにその役割を譲り、坑口は完全閉鎖されている。以前は立入自由だった孔舎衛坂(くさえざか)駅のホーム跡も鉄条網で囲われている。



くさかコースの登山口にやってくると「倒木通行止め」との標識がある。しかし道を塞ぐようなロープやバリケードがある訳でもなく、標識も見過ごしてしまいそうなもの。今更他のコースに迂回もできないので、行けるトコまで行ってみることにする。



しばらく進むと確かに倒木が道を塞いでいる。この倒木を乗り越えるだけならできそうだけど、その先何が待っているか判らない…。YAMAPをチェックすると、ここを迂回することができるような、できないような…。ダメモトで通行止め個所から別の道を進んでみる。



結構急な道が続くけれど、倒木も危険個所も現れないので、息を切らしながら登っていく。スタート時は寒いとさえ感じていたのに、汗が噴き出してきて、長袖Tシャツ一枚になって進んでいく。



しばらく登り続けると通行止めの道に再合流した。どうやら上手い具合に通行止め区間を迂回できたようだ。



生駒のハイキングコースは結構複雑に入り組んでいる。古いながらも標識類はよく整備されている。でも道を誤ると、とんでもない難路に誘い込まれることになる。過去の経験から、標識の無い道には進まないことが肝要だ。



くさかコースって、結構大変。おそらく初めて歩く道に違いないけれど、他のコースを楽に登れたという記憶も、もっと若くて元気だったころの話。今となっては、どのコースを登ってもしんどく感じるのかもしれない。



いつの間にか「くさか園地」に入ったようだ。大阪府民の森のひとつだ。自然と親しむことが目的のエリアだから特別な施設がある訳でないけれど、道も平坦になり、のんびりと森林浴するには絶好の場所だ。



石標の文字は掠れてしまっているけれど、辛うじて「石切場跡」と読める。石切という地名から、この辺りに採石場があったことが想像できるけれど、岩の露出が目立たないように思えるけれど、大阪や奈良に近いため生駒山系は石の供給元として重宝されたに違いない。



ベンチが多く設置されているのが、この辺りのハイキング道の特長。モルタルかコンクリートか、ひどく古いものだけど、木製と違って少々のことでは朽ちることはない。暑いようで、寒いようで、脱いだり着たりを繰り返すのにとても都合がいい。



無線塔群は生駒山上のものではない。おそらく山頂より南にある電力会社のものだ。生駒山頂はあの無線塔群より更に先にある。歩き始めて1時間半は経っているけれど、なかなか山頂に近づかない。



「こぶしの谷」の入口に通行止のロープが張られている。「こぶしの谷」から「くさかコース」への進入をブロックしているようだ。ここまで倒木個所や危険個所は通過することなく迂回してきたんだけど、何か悪いことでもしたような背徳感を感じてしまう。



こぶしの谷、ってとても魅力的な名前なんだけど、開花時期でないと、こぶしの木なのかどうなのか、区別がつかない…。



こぶしの谷を過ぎると、生駒縦走歩道に入る。標高500m超の山道とは思えない、歩きやすく平坦な道が続く。



九十九折れにして道の勾配を抑えている生駒縦走歩道を歩いていくのも鬱陶しくなって、ショートカットの道を進む。勾配が多少急なことよりも、石畳になっているのが逆に歩きにくい。



うむむむ…。この階段を登って行けば生駒山上遊園の駐車場はすぐソコのはずなんだけど、その手前にある信貴生駒スカイラインは横断禁止だという。以前登っていたときも横断禁止だったのだろうか。禁止されていたなら進まなかったはずだけど、よく覚えていない…。



六甲山上に行くには、ぬかた園地にあるあじさい園の先から大きく迂回せよとある。さて、どうしたものかと考えながらも、とにかくあじさい園に向かう。空は晴れていたはずなのに、大阪平野を見渡せるはずが、霞んでいて全然眺望は楽しめない。黄砂だろうか。



樹々に先に見えるのは生駒山上に林立している無線塔群だ。生駒山上遊園は入場無料で、その中にある山頂まで行くことは容易だと思っていたのだけれど、しばらく生駒山に登っていない間に、色々と事情が変わってしまったようだ。



どうしたものか、決めかねながら、季節外れのあじさい園を通過する。ぐるっと回りこんで生駒山頂に向かい奈良県側に下るか、あるいは大阪府の枚岡方面へと下るか…。既に16時。山上からケーブルで下山するというのは、ハイカーの端くれとしても避けたいところだ。



あじさい園の端にある電波塔。ほとんどの電波塔が奈良県と大阪府の境となる生駒山の稜線に立っているのに、どうしてこんなトコに?と訝しく感じていたが、良く見るとテレビ大阪の電波塔だった。奈良県への送信ができないところで十分ということだ。



生駒山上に行くことはやめて、勝手知った摂河泉展望コースで枚岡か額田に下山する。ネットで調べたところ山上からのケーブルは冬季は夕刻以降の運行はないとある。まだ冬季ではないと思うけど、山の東側は日が暮れるのが早いので、西に下る方が無難そうだ。



計算では真っ暗になる直前には、下山できるはずなんだけど、太陽はどんどん沈んでいることが判る。比較的歩きやすい尾根道だけど、急坂も多く、石ゴロゴロ、段差の大きいところもある。ヘッドライトもあるし、急ぎ過ぎて転ばないことを第一に心がけて進む。



枚岡か額田か迷ったけれど、額田への道を選択。もう間もなく真っ暗になりそうだ。幸い最後は整備された公園内の道だったこともあり、ヘッドライトの助けを借りずに下山完了。最近、日没と競争する山歩きばかりしている。体力の余裕もないのに、計画がお粗末すぎる。



歩行距離8.4㎞、のぼり583m、所要時間は4時間16分。まさかの生駒山山頂未達となってしまった。近いうちに、しっかりと下調べをしたうえでリベンジしたい。