2024年4月4日
新しいトレッキングシューズの履き慣らしに適当な低山は無いかと調べていたところ、堺にある大泉緑地でGPSアートに挑んでおられる方が多いことを知る。GPSを利用した歩行軌跡で絵を描くというものだが、ここではカバの絵が比較的簡単に描けるようだ。
50年ほど前に開園した大泉緑地だけど、その起源は服部・鶴見・久宝寺とともに、戦時中の防空緑地計画。100haを超える広大な緑地が都市部に確保されたことは軍部専制による数少ない功績?と言えるかもしれない。
カバの尻尾部となる公園の南側からスタート。まだ椿が残る公園は、平日だというのに歩いたり走ったり、人がとても多い。この道の外周となる大きく緩やかにカーブする道がカバのお尻となる。
大きな滑り台があって、たくさんの子供たちが遊んでいる。近寄って滑り台の様子を見てみたいところだけれど、GPSアートでは寄り道は厳禁だ。注意力散漫なうえに寄り道大好きだというのに、忠実に定められた道を辿って3㎞ほども歩き続けることができるのだろうか。
分岐点に差し掛かると、かなりの緊張を感じる。道を間違うと即アウトである。地図を何度も確かめて、進むべき方向を見定める。
最初の難所となるカバの耳部。メインの道路を外れて、水辺のウネウネした遊歩道を辿っていく。
おそらくこの林の中の坂を登っていくはずなんだけど、明確な道が見当たらない。坂は緩やかなものなので、どこからでも登ってはいけるんだけれど、カバの頭部という繊細な場所にあたるだけに、慎重に方向を見定めて登っていく。
登ったところが、小笠山(29m)。山名が付いていることが不思議なほどの岡だ。比高はせいぜい5mくらいしかなさそうだ。
小笠山から、(実に大層な言い方ではあるけれど)尾根道の縦走路となる。元よりあった小山ではなく、緑地整備の際の残土を積んだもののように感じる。岩っぽさもなく、土を盛っただけのようだ。
小笠山から2分も掛からずに、次なるピーク、笠伏山(29m)を制覇。なんだか笑いが止まらない。ピークをひとつ取るのに何時間も掛けることが多いのに、なんて今日は簡単にピークハントできるんだろう…。
次の双子山(33m)に向かう道では桜が咲き誇っている。公園だから桜もあるだろうとは期待してはいたけれど、これほどまでに気持ち良く咲いているところがあるとは思わなかった。
桜の樹の下にシートを敷き、料理やお菓子を拡げてお花見を楽しむグループも多く見られる。たくさんの桜の樹があるけれど、人が映りこまない桜の写真を撮るのは結構難しい。
大量ピークゲットと満開の桜に気を良くして、目的を忘れて池に下りてきてしまった。やるとは思っていたけれど、カバの口という超重要ポイントでコースアウトだ。しかも本日第4座となる双ヶ丘をスルーしてしまっている。
間違ったところまで戻るべきか、本来の道にショートカットして向かうべきか、カバの絵がどう変わるかを思い描くが正解は判らない…。結局、ちょっとした坂を登って双ヶ丘(27m)の頂上に直進する。道間違いがあったというのに僅か10分で4ピークをゲット。
後半戦。カバの喉元は大泉池の周回路だ。池の中にある小島は白い鳥の棲家になっているようだ。近寄って観察したいけれど、これ以上カバの絵を乱したくない。
などと思って歩いてきたけれど、カバの前足部で致命的なミス。曲がるべきところを曲がらずドンドン直進してしまった。これは相当な痛手だ。GPS軌跡は果たしてカバに見えるようなものになっているだろうか。
トイレに立ち寄りたいところだけれど我慢。ここまで間違いを繰り返して、さらに多少GPS軌跡が乱れることを気にしているのも馬鹿らしくも思うけれど、ゴールまでベストを尽くしてみよう。
なんだか良く判らないけれど、ドジャーズのユニフォームを着たゴリラの像がある。背番号は17。大谷選手ファンが怒らないかなぁ…。西郷さんのように連れている犬にはデコピンと書かれている。
終盤の難所。カバの後ろ脚を描くため、ここを右折し損ねるともはや取り返しがつかない。
最後はカバの尻尾を作って終了。どんなGPS軌跡になっているのか、見るのが怖い。まるで出来の悪いテストの結果を見るような気分だ。
距離3.6㎞、所要時間は57分。残念ながらビミョーな軌跡だ。口には牙のような突起があるし、前脚もおかしく、顔はデカすぎるように見える。まあカバ最強説によれば、ワニを嚙みちぎり、ライオンを踏みつぶすというので、口と前脚を強化したということにしておこう。