2013年11月17日(日)
大阪市の図書館フェスティバルの一環として、交通局と連携した「図書館スタンプラリー」が開催されている。大阪市内にある24の市立図書館のうち、5ヶ所をクリアすればコンプリートとなる。大阪市営交通110年記念とのことだが、地下鉄の駅などでは、チラシもポスターも全く見掛けなかっただけに、何とも不安・・・。
大阪市の24区全てに市立図書館がある。基本的に区名がそのまま図書館の名称になっているのだが、西区に市立図書館の本部とも言える中央図書館があるため、中央区は島之内図書館となっている。地図と睨めっこして、チョイスした5館は、東成、天王寺、島之内、浪速、中央。まずは今里駅近くの東成図書館からスタート。大きな建物の8Fが図書館になっている。
東成区役所から、千日前通を西に進んで、鶴橋へ。細いアーケード商店街が縦横に張り巡らされ、一旦足を踏み入れようものなら二度と出てこれない、迷路のようなディープゾーンだ。
どうしたことか、若い女性の旅行者らしき姿が多く見られる。大体が2~4人連れで、キャリーバッグを転がしている。ミナミくらいのディープさには満足できなくなった旅行者に人気が出てきているんだろうか・・・。
細工谷遺跡の発掘が長らく続いていたが、すっかり道路ができあがっていた。この道路の下に、遺跡が眠っているはずだ。百済尼寺の存在が明らかになったり、和同開珎の枝銭や富本銭などが発見されたところだ。
かなり迷った末に、ようやく天王寺図書館に辿りついた。上町台地の閑静な住宅地の中にある、落ち着いた雰囲気の2階建てだ。
天王寺図書館で、スタンプ2つゲットしたご褒美として、かつての大阪市電のペーパークラフトを頂戴する。
再び西に向かい、島之内図書館を目指す。途中、七五三のお参りで賑わう生国魂神社の境内を通過する。
生国魂神社から千日前通に下りてくる石畳の真言坂。天王寺七坂のひとつだ。
道頓堀川を北に渡って、島之内に向かう。島之内って、飲食店などの商店や小さなオフィスビルが立ち並ぶ町で、図書館がありそうな気がしないんだが・・・。中央区でただひとつの図書館にとって、適当な地区なのか、疑問にも感じる。
などと考えていたら、突然茶色い大きな建物が現れた。スポーツセンターや区民会館と図書館が同居している。それにしても、自転車駐輪禁止と、あちこちに大きく表示されているにも関わらず、構内は言うに及ばず、道路まで、夥しい数の自転車が停められている。
島之内から、再び西へ向かい、御堂筋へ。そこから南下して、浪速図書館を目指す。上本町に移転した歌舞伎座。長らく難波のシンボル的存在だったが、ホテルや結婚式場などが入る複合ビルに建て替えられるそうだ。間もなく、取り壊されるのかもしれない。少し寂しい。
敷津にある浪速図書館に到着。新しいマンションなどに取り囲まれているせいか、少し草臥れた感じのある建物だが、ようやく4ヶ所め。あとは、ゴールの中央図書館を目指すばかりだ。
と、思っていたら、なんと蔵書点検のため、1週間休館している。おいおい、図書館スタンプラリーの真最中に休館するとは、どういうことだ。スタンプラリーのチラシにも告知されていない。しばらく図書館近くの公園に座り込んでしまう。
浪速区がダメなら、さらに西に進んで、大正区に向かうしかない。気を取り直して再び歩き始める。かつてJR難波駅が湊町駅と呼ばれていた時代の線路は、地下化されて、地上部はゆとりのある公園に生まれ変わっている。
芦原橋駅前では、浪速区のイベントが開催中。工芸品や地元の靴などを販売するテントがたくさん並んでいる。テント群の片隅では、ゆるキャラが着替え中。夢を壊すような光景を写しちゃって御免なさい。屋外のイベントの難しいところだ。
浪速区から、水路に囲まれた大正区に入るには、どこから木津川を渡るかが問題になる。阪神高速と国道43号線が一体化している大きな橋があるが、とても歩行者が歩けるとは思えず、無視して歩いていたが、振り向くと、車道の下に歩行者用通路が設置されているのを発見。
今更、国道43号線に戻るには遅すぎる。予定通り、落合上の渡船に乗って大正区に渡る。いつものことだけど、渡船の乗客は自転車ばかりで、歩いて乗る人は他にはいない。以前は開催されていた、大正区の渡船を乗り尽くす超楽しいスタンプラリーを復活してもらいたいものだ。
ようやく区役所の隣にある大正図書館に到着。いい加減疲れてきたが、夕方には雨になる予報だけに、早々にゴールの中央図書館に向かわなければならない。
いつの間にやら、大正通も自転車道と歩道の分離が行われていた。もっとも、駅前あたりになると、「混雑時には自転車を降りて押そう」といった標識に変わる。
げげっ。昨年、NHKの朝ドラ「純と愛」に乗っかって、大正駅前に華々しくオープンした大正区観光案内所が早くも無くなっている。おきナニワんキッチンって、雰囲気だけは、観光マップを配布したり、名産品とかを売っていた以前の観光案内所に似ているが、その実は立ち飲み屋だ。
大正橋の東詰に、安政大津波のモニュメントがある。この地区の地盤は今も低いだけに、津波に対する気構えと準備は、かつてと変わらず重要だ。
雨に合うこともなく、ゴールの西区西長堀にある中央図書館に到着。ほとんど寄り道も休憩もせず、しっかり歩き切ることができた。中央図書館は、さすがに大きな建物で、蔵書や閲覧のスペースもたっぷりある。5館達成の記念品は、ここでしか貰えない。
記念品は、交通局特製の文具セットか、缶バッジの2択。見るからに、文具セットの方が値打ちがありそうなんだけど、既に文具セットは無くなっていた。スタンプラリー後のアンケートを入れる箱を見ると、かなりの数の用紙が投入されている。台紙も一色刷りだし、しょぼいスタンプラリーではないかと思っていたが、結構参加者は多いようだ。
今年1月に、御所、大和高田、香芝など奈良葛城地区の5市町の8つの図書館を巡るスタンプラリーに参戦した時にも感じたのだが、最近の図書館って、かなり混雑している。検索システムの充実や、他の図書館からの取り寄せが可能になるなど、使い勝手も大いに進歩している。
それに、開館時間が前もって判り、司書さんが確実に席に座っているのでスタンプポイントとしてとても安心感があるし、スタンプを押してくれる仕組みは不正も生じにくい。不思議な取り合わせのようだが、スタンプラリーと図書館というのは、結構相性がいいように思う。
まとめ
歩行距離 14~15km
所要時間 211分 (3時間31分)
歩数 21700歩 (しっかり 19400歩)