斑鳩の里巡りスタンプラリー

2013年11月30日(土)



「チャレンジ!! 斑鳩の里スタンプラリー」に出掛ける。秋の紅葉のシーズンの斑鳩が、見どころ満載であることは判っているのだが、ネットに公開されている情報量はごく僅か。何となくショボそうなイベントに感じられるので、ついつい後回しにしているうちに、最終日を迎えてしまった。



スタンプポイントが20ヶ所あり、うち10ヶ所のスタンプを集めればゴール、いう以外は、全く不明。当然、全てのスタンプを歩いて集めるつもりだが、何km歩けばよいのかも判らないまま。JR法隆寺駅に到着。斑鳩のマスコット「パゴちゃん」が出迎えてくれた。仏塔を意味するPAGODAから命名されているそうだが、斑鳩の里らしい和風な名前の方の方がしっくり来る。




観光案内所で貰ったスタンプラリー台紙を見ると、町の東西の幅一杯にスタンプポイントは散在しているものの、南北方向の広がりはそれほどでも無い。今日の歩行距離が16kmほどになることが、ついに判明した。

まずは、西の竜田川方面に向かって歩く。ガイドマップによれば、条里制をよく残した地域だそうだ。確かに南北方向に稲刈りを終えた田んぼの畝が並んでいるが、よくありそうな風景・・・。条里制なんて、言われなければ思いも付かない。



竜田川を西に渡ったところに、スタンプポイントが2つ。融念寺と三室山だ。三室山は、能因法師の「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり」の歌のとおり、見頃真最中と思われる紅葉が竜田川に葉を舞い散らせていた。



このスタンプラリーは、「世界文化遺産登録20周年特別企画」と銘打たれているだけに、常設イベントではないと思われるのだが、スタンプラリーとしての完成度は高い。特にスタンプを収納するケースと、スタンプ台の蓋を繋ぎ合わせることにより、収納ケースの開ければ、スタンプ台も開くようになっているところには感心した。実用新案でも取れそうな優れものだ。




竜田川沿いの紅葉も美しい。川に沿って整備されている竜田公園では、紅葉祭りが開催されていると聞いていたが、フリーマーケットしか見当たらなかった。竜田揚げというのは、竜田のモミジの色のように鶏肉などを揚げることに由来すると聞いたことがあるが、ホントかなぁ・・・。



旧奈良街道の趣を今に伝える竜田の街並み。町家づくりの旧家が軒を連ねている。



斑鳩町役場の傍にある、業平姿見の井戸。伊勢物語の主人公と言われる色男で、また「ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」で有名な歌人、在原業平が女性のもとに通う際に、身だしなみを整えた場所だそうだ。



って、言われても、井戸は塞がっているし、そもそも暗くて深い井戸に自分の顔が映るものなのだろうか。現場を見てもイメージが沸きにくい。しかし、シンプルなデザインのスタンプは、見事な説明力を発揮していた。



斑鳩小学校。塀も門も玄関も、斑鳩の里によく調和したデザインになっている。



斑鳩文化財センターにやってきた。正面入り口の脇に、藤ノ木古墳で発見された石棺のレプリカが設置されている。大量の豪華な副葬品が見つかり、被葬者が2人だったという割には、思いのほか小さい。



休憩がてら、斑鳩文化財センターを40分ほどかけて、じっくり見学。50人位は入りそうな映像ホールは貸し切り状態。行儀が悪いことだが、長椅子に寝転んでビデオを見ちゃいました。



スタンプポイントにもなっている桜池の畔から見た藤ノ木古墳。聖徳太子が活躍した6世紀末の円墳だ。もともとは50m以上の直径だったのが、時代とともに、かなり削られてしまっている。藤ノ木古墳の向こう側には、斑鳩の町が広がっている。



法隆寺に続く西里の街並み。以前、ここを歩いていた際に、今は退職された会社の先輩のご自宅を偶然発見した。こんなところに屋敷があるなんて、間違いなく、聖徳太子の時代に遡ることができる古い家柄なんだろう。



ウン十年振りに、法隆寺の境内に入る。さすが、天下の法隆寺、入山料1000円だ。もっとも、これで五重塔がある西院伽藍、夢殿のある東院伽藍、それに大宝蔵院まで見て回れる。やっぱり見応えがある。写真を撮りまくる。



西院伽藍から夢殿に通じる道。石畳の両脇に美しい築地塀が連なる。つい先日、この築地塀に酷い落書きが彫られていたとのニュースを見たが、実に悲しいことだ。五重塔の内部にも建設時の職人によると思われる落書きが残っているそうだが、次元が全然違う。



夢殿。八角円堂のとても優雅な建物だ。



夢殿を出て、法隆寺の北側にある斑鳩神社に向かう道で、夢殿を模したと思われる野菜販売所を発見。もっとも八角堂ではなく、六角堂だったが・・・。



池に突き出して作られた架台の上に、多くの石碑や石仏が並べられている不思議な光景に出合う。昔からの溜池の類だと思われるが、近年、護岸や道路の整備が行われた結果、行き場を失った池の傍にあった石碑や石仏を移設したものではないかと勝手に推測する。



法輪寺。こちらは三重塔だ。聖徳太子の御子である山背大兄王の創建と伝わる。



スタンプラリー台紙には、かなり詳しい地図が掲載されているんだけど、さらに、わかりにくいスタンプポイントでは、電信柱に道案内が表示されている。参加者に対する優しさを感じる。



法輪寺から法起寺に至る道は、自転車道になっている。どうやら法隆寺から奈良市内中心部まで20km以上続いているようだ。歩行者にとっても、とても歩きやすい、クッションを感じる道なんだけど、この緑色はいただけないなぁ・・・。以前、奈良市が塗りたくっていた青丹色でもない。自然に調和せず、周囲の景色から浮いたしまう類の緑色だ。


法起寺。こちらも三重塔。「ほっきじ」と呼ぶ人が多いが、実際は、「ほうきじ」だとも聞く。どちらがホントなんだろうか・・・。



18ヶ所目のスタンプポイントは、法起寺から南に下ったところにある「緑の道標」。奈良県内では、この「緑の道標」をあちこちで見かける。主要道路にある、ちょっとした休憩場所、といった感じなんだけど、どのくらいの数があるのだろうか。



安堵町との町境に近い、上宮遺跡公園と、興留(素戔嗚)神社で、スタンプをゲットし、20ヶ所のスタンプポイントをコンプリート。ほとんど山道は無かったし、無風快晴の絶好のウォーキング日和だったけど、途中、レストランやコンビニがほとんど無かったので、ひどくお腹が空いた。



う~ん、美しいスタンプだ。シンプルなデザインだが、スタンプポイントの特徴を良く捉えている。全20ヶ所を歩き回った甲斐があるというものだ。最後に法隆寺の門前にあるⅰセンターという観光案内所に行き、スタンプラリーの参加賞として黒米の小袋を貰う。



ネットに発表されている情報がごく限られていて、PR不足は否めないけど、実に良いスタンプラリーだった。町役場の方が、相当研究して、参加者に楽しんでもらうための工夫をしたことが窺い知れる。100点満点で95点あげちゃおう。


まとめ


歩行距離   約16km
所要時間   見学時間を併せて、6時間ちょうど
歩数      21200歩 (しっかり たったの4300歩?)
          ⇒ 携帯の歩数計に比べて8000歩以上少なく出ている。おかしい・・・。