地下鉄谷町線全線踏破(どうぶつスタンプラリー)前半

2015年7月4日(土) ①


4月から開催中の「地下鉄まるごとスタンプラリー」に満を持しての挑戦だ。100周年を迎えた天王寺動物園と大阪市交通局がコラボして、地下鉄全108駅がスタンプポイントになっているという、超大型のスタンプラリーだが、当然のことながら、全ての駅を歩いて制覇するのだ。先週土曜日は、牛滝山~和泉葛城山~犬鳴山の縦走で疲労困憊し、水曜くらいまで足腰の痛みが続くという体たらく。さあ、今日はどうなることやら。



谷町線の大日駅にやってきた。碁盤の目状に張り巡らされた地下鉄全駅を効率良く回るためには、路線に沿って歩くことに拘らずに同じゾーンにある駅を潰していくことだとは判っている。しかし、今回は乗換駅が重複するものの、敢えて路線ごとに踏破する。しかも今日は、大阪地下鉄最長の28km強、最多駅数26駅を誇る谷町線をやっつける。いきなりラスボスに挑むような無謀な戦いになりそうだが、何とか先週の汚名返上といきたいものだ。



朝から出発するつもりが、生憎の雨模様。13時頃には雨が止むとの予報を信じて、大日駅にやってきたのは12時過ぎ。スタンプポイントは駅長室になっているが、これが曲者。改札内にある駅と、改札外になっている駅があるらしい。しかし、今日は1日乗車券エンジョイエコカードを購入したので、改札内外の出入りもフリーだ。土日祝は600円とお得な乗車券だ。改札内の駅長室で、無事最初のスタンプと、どうぶつカードをゲットし、次の駅を目指して歩き始める。

1.大日駅   「ホロホロチョウ」



大日駅と守口駅の間にある、パナソニックの本拠地にやってきた。国道1号線を挟んで、広大な敷地をパナソニックグループが占めている。



さすがに関西を代表する大企業だけあって、パナソニック前から関西空港までのリムジンバスが運行されている。



交通安全で有名な、成田山不動尊がある寝屋川までは、少々離れているのだが、交通量の多い国道1号線だからなのだろう。成田山の交通安全のブロンズ像がある。ハンドルを握るドライバーの後ろで女神様?が見守っている。

2.守口駅   「モモイロペリカン」



守口駅を過ぎると、今やパナソニックに吸収されてしまった旧三洋電機の本社ビルが現れる。悲しいことに、ビルの看板類からすべての文字が消されていて、「三洋」の名残は完全消去されていた。しかも、何にも転用されていない空きビルになっているようだ。



今里線との乗換駅となている太子橋今市駅。今里線完成以降に出来た地下鉄出入口だけが、シンボルカラーのオレンジ色になっている。ここから北へ、今里線の井高野駅などを制覇するのが効率的とは判っているが、ひたすら谷町線を進むことにする。不器用なのだ。

3.太子橋今市駅  「ヨシガモ」



どうぶつカードは、駅員さんが手渡しで1枚くれるところが多いが、時に駅長室の机にドンと置かれて、勝手に持って帰ってください、という感じになっている駅もある。

4.千林大宮駅  「ワライカワセミ」




13時半を過ぎたが、雨は止まない。天気予報を信じて傘も持たずにやってきたことが悔やまれる。国道1号線の歩道いっぱいにアーケードが張り出された野江国道筋商店街で、しばし雨宿りをする。

5.関目高殿駅   「アカダイショウ」  ・・・・・・ 鳥類から爬虫類に変った。
6.野江内代駅   「アルダブルゾウガメ」 



都島駅で、はじめて駅長室が改札外に出現。谷町線の場合、3~4駅に一駅ほどの割合で改札外に駅長室があるようだ。

7.都島駅   「インドホシガメ」



どの駅の周辺でも夏祭りの垂幕が目立つ。来週から再来週にかけて開催されるものが多いようだ



大川を渡り、天神橋筋六丁目にやってきた。ここまで来ると、ようやく大阪の中心部に突入したという気がする。かつては阪急のターミナルでもあったところだが、かつてのターミナルビルは高層マンションになってしまった。銀行が入っている商業棟の窓のあたりに、ちょっぴりではあるが、鉄道ターミナルだった頃の面影が残されている。

8.天神橋筋六丁目駅  「カリフォルニアキングヘビ」 ・・・ かなりヤバそうな蛇だ。



傘を差さずに歩くのが辛い雨降りになってきた。スマホで雨の様子を確かめると、大阪周辺、どこも雨。しかも雨雲は岡山や四国から押し寄せているようだ。これでは数時間のうちに雨が止むことさえ期待できそうにない。



梅田まで歩いてきた。このあたりでギブアップすることも頭を翳めたが、そんな誘惑を掻き消すように、思い切って、コンビニのビニール傘ではなく、ちょっと上等な傘を購入する。傘を差しながら歩くのも辛いが、もう止める訳にはいかない。

9.中崎町駅     「クサガメ」
10.東梅田駅    「グリーンイグアナ」



地下鉄の内部組織がどうなっているのかは知らないが、谷町線というところは、駅のデコレーションや、独自イベント開催など、異色の乗客サービスが目立つように感じる。さらに、駅ごとにマスコットキャラクターを作っているところも多い。駅員の自作のようだが、「東梅男」「東梅子」というネーミングはいかがなものだろうか。



東梅男・梅子は、近松門左衛門の曽根崎心中に登場する徳兵衛とお初をアレンジしたものらしい。曽根崎のお初天神は、「恋人の聖地」と称し、賑やかなことになっていた。先日近江八幡の八幡山でも恋人の聖地と称していたことに憤慨したが、曽根崎心中のような歴史的・文学的背景のある場所なら、恋人の聖地と名乗ることも納得だ。



南森町駅にも、近くにある天神さんをモチーフにしたマスコットが飾られていた。

11.南森町駅    「クロホソオオトカゲ」



天満橋を渡る。中之島のビル群が霞んで見える。

12.天満橋駅   「ケニアスナボア」  ・・・ 砂の中に住む蛇らしい。



谷町四丁目、谷町六丁目、谷町九丁目、とヒネリの無い駅名が続くが、ここは比較的駅間距離が短いため、疲れた足腰には嬉しい区間だ。谷町九丁目駅では、「谷町九」と「谷町美九」という、これまたヒネリの無い名前を付けられた駅員風キャラクターがで迎えてくれる。



谷町線のいくつかの駅には、七夕の飾りが施されている。色紙も置かれていて、乗客が自由に願い事を書いて、笹飾りに結わえることができるようになっている。

13.谷町四丁目駅   「ニホンイシガメ」
14.谷町六丁目駅   「ニホンヤモリ」
15.谷町九丁目駅   「ヒョウモンガメ」



谷町筋はお寺の多いところだが、意外にも赤穂浪士が祀られた寺もある。吉祥寺だ。寺の壁は、吉良邸討ち入りの際に大石内蔵助以下の浪士全員がお揃いで着ていた法被の柄が使われている。



四天王寺前夕陽ケ丘駅に到着したのは、暗闇が迫る18時をかなり過ぎた頃。それにしても長い駅名だ。新駅ができた際に2町の綱引きの果てに、2つの町名を合体させた駅名が多いのは大阪地下鉄の特徴とはいえ、9文字とはいかがなものか。「前」と「ケ」は外せたのではなかろうか。それとも、この際とばかりに、敢えて長い駅名を狙いにいったのかもしれない。

16.四天王寺前夕陽ケ丘駅   「シロフクロウ」




足腰の具合は、まだ大丈夫だが、問題は降り止まぬ雨と、迫りくる宵闇。ボンヤリと霞んだ、あべのハルカスを目指して、取りあえず天王寺までは行こうと歩を進める。



食事や休憩も取りながら、ゆっくりと歩いてきたとはいえ、大日駅から天王寺駅まで7時間近くもかかったことに愕然とする。既に19時前、八尾南駅まで9駅も残しているが、終電までに辿りつくのだろうか・・・。 (後半に続く)