地下鉄南港ポートタウン線全線踏破(どうぶつスタンプラリー)

2015年9月13日(日) ①


大阪市交通局が開催している地下鉄どうぶつスタンプラリーを機に、全ての地下鉄沿線を歩き尽くすという野望達成まで、残るところ、中央線、堺筋線、そして南港ポートタウン線の3線。四つ橋線との乗換となる住之江公園駅からスタートする。以前は単にニュートラムと呼ばれていたのが、最近では南港ポートタウン線と、地下鉄の路線のひとつらしく改名されている。



地下鉄の一路線としての扱いとはいえ、ほぼ全線が高架。開業当時は新交通システムなんて呼ばれていたが、走行方式よりも、プラットホームの左右に車両に乗り込むためのドアが設置されていることに驚いたものだ。



南港通に設置された南港ポートタウン線の高架に沿って、住之江公園駅から平林駅に向かう。車の往来が多い。



平林といえば、かつては貯木場で有名で、海を仕切って作られたであろうと思われる、数ヶ所の貯木池には多数の輸入木材が浮いていたのだが、今や池に浮かんでいるのは廃材ばかり。昔は原木で輸入されていたものが、今では大半が加工品になっているため、原木に潜む虫類を退治するために水上貯木する必要が無くなったと聞く。




南港ポートタウン線のほとんどの駅には、どうやら駅長室というものがないようで、自動改札機の横に窓口を兼ねた詰め所があるだけだ。スタンプもカードも、この詰め所で貰うことになる。多くの駅は、改札口も1ヶ所しかないため、他の地下鉄の駅のように、駅長室を探し求めてウロウロすることもない。



もっとも、大半の駅には改札口は一ヶ所しかなく、駅員も一人しかいないようで、スタンプやカードも、改札口にご自由に、という感じで置かれている駅が多い。



南港口駅から南港東駅に向けて歩いていると、鉄骨造りのタワーのようなものが見えてくる。どうやら津波避難用のタワーのようだ。



南港ポートタウン線のプラットホームに続く陸橋の多くは、円筒形をしている。天井も窓も丸っこくなっている。昔は、宇宙ステーションのような未来的なデザインだと感動したものだが、長い年月を経て、今や少々草臥れ感が漂う。



南港東駅を過ぎると、30年以上も前、未来都市を目指した先人の工夫が徐々に感じられるようになる。誰もが高度経済成長ばかりを志向していたころに、緑地道路や歩車分離なんて、画期的な発想だったに違いない。



フェリーターミナル駅は、まさにフェリー埠頭も真ん前。3隻のフェリーが着岸していた。



いよいよ陸続きの南港エリアから、海に囲まれた人口島、咲州に渡る。南港水路に架かった橋には、申し訳程度の歩道が設置されているが、ここを歩く人って、あまりいないのだろうなぁ・・・。咲州って、この道以外に、築港地区や夢洲と連結するトンネルや、阪神高速でもアクセス可能だが、歩けるのはこの橋だけ。非常時のことを考えると、ちょっと心配だ。



咲州の南部は、集合住宅ゾーン。計画的に造成されたせいか、4大新聞の配達店までが見事に整列している、と思ったが、どうやら一つの店が4紙全てを扱っているようで、全く同じサイズの看板を等間隔に並べているだけだった。



ポートタウン東駅に到着。実は、ここまでは先週土曜日(9月5日)の歩行記録。所用のため、時間切れになってしまい、やむなくここから一旦帰宅した。



気を取り直して、本日9月13日、続きを歩くことにする。短い距離を残すだけだが、何やかやと済まさなければいけない用事の間を縫って、再びポートタウン東駅までやってきた。今更ながらのことながら、ゴムタイヤで走るなんこうポートタウン線にはレールが無い、ということを改めて発見する。



南港公園。広大な公園を取り囲むように、この辺りに林立している集合住宅は全てURが建設したものなのだろうか。どの集合住宅も申し合わせたように白い。



秋らしくなってきたとはいえ、日中の日射しは未だきつい。それでも、緑に囲まれた歩道は随分気持ちよく歩ける季節になってきたものだ。



中ふ頭駅。どうして中埠頭と、漢字を使わないんだろう・・・。もっとも、この駅は埠頭よりも、インテックス大阪という大阪最大の見本市会場の最寄駅として有名だ。大阪の失政を代表するワールドトレードセンタービル(今は大阪府庁の分署)も目の前に近づいてきた。



アジアト太平洋レードセンター。通称ATC。海に面して、天気の良い日はとても気持ち良く過ごせるところなんだけど、イマイチ人気の出ない期間が長く続いた。最近は、大阪府庁の一部が咲州にやってきたせいか、多少は賑わいを取り戻しているようにも感じる。



ATCのあたりは、休日にはシーサイドの遊具やショッピングを楽しむ家族連れも多いが、コスプレ衣装を来た若者やオジサンには理解できないイベントもよく見かけるところだ。ウルトラマンが腰かけて本を読んでいる風景が似合うところといえば、大阪ではここくらいだろう・・・。



もともとは、この施設全体が保税地域となって、アジアを中心とした各国から輸入品を展示したり、販売したりするため、貿易会社などを集積するつもりだったはずだが、今や貿易とは直接縁の無いテナントが多数を占めているように感じる。アジアを感じさせる造作物も、チラホラと残るだけだ。



本格的な街づくりから30~40年は経ったが、咲州の中心と言えるトレードセンター前駅の周辺には、未だ手つかずの広大な土地が残っている。にも拘わらず、舞洲、夢洲、と次々と人口島が造られ、ますます先が見えなくなってきているようだ。



最近閉館されてしまった、なにわの時空館の海上ドームが見える。立派なハコモノだが、何とも使い勝手が悪そうだ。こちらも転用の目途が立ったとは聞かない。



トレードセンター駅を出て、南港ポートタウン線は急に高度を下げ、コスモスクエア駅に向けて、一気に地下に潜っていく。



南港ポートタウン線の終着駅、コスモスクエア駅。海に面したとても気持ちのいい入口だ。



コスモスクエア駅は、未踏破の中央線の始発駅にもなっているのだが、さすがに、ここから次の大阪港駅の間ばかりは歩けない・・・。



南港ポートタウン線では、どうぶつスタンプラリーに併行して、南港風鈴スタンプラリーも開催中。フェリーターミナル駅で、どうぶつスタンプを押すべきところに、うっかり風鈴スタンプを押してしまた・・・。