尼崎地名スタンプラリー

2015年9月20日(日)


尼崎の市制施行100周年の記念行事として、尼崎地名スタンプラリーが開催されている。アニメ忍たま乱太郎の作者、尼子騒兵衛さん(なんと女性なんだそうだ)が尼崎出身で、忍たま乱太郎の登場人物の姓に、尼崎の地名が多数使用されているらしい。ファンの間では、以前からこれらの「聖地」を巡ることが盛んに行われているそうだ。



スタンプポイントは尼崎市全域に散らばる10ヶ所。これらを巡るためには20km超のウォーキングとなるが、頑張って歩き切ってみよう。尼崎の「影の観光特使」なるものに任命してもらい、スタンプラリーセットを貰うのだが、名刺サイズのスタンプ台紙にびっくり。財布の中に納まるスタンプ台紙というのはこれまで経験が無い。



阪神の大物駅から、いざスタート。応仁の乱における大物崩れとか、義経の出帆とか、残念さんの墓とか、様々な歴史の舞台にもなったところだ。大物(だいもつ)という二文字だけでも、パンチ力があるのに、駅南にある大物主という神社名には、さらに破壊力を感じさせる。

神社に掲げられた案内板には、尼崎という地名の由来は「海が幸」だと書かれている。あまがさき、と、うみのさち。う~ん、ちょっと厳しい説のようにも感じるのだが・・・。



最初のスタンプポイントは「初島」のローソン。探しだすのが大変ではないかと危惧していたのだが、電信柱の標識のおかげで迷うことなく辿りつけた。海抜マイナス地帯を、ズンズンと歩くが、最近にしては暑い日差しのせいか、汗がどっと噴き出してくる。



工場や倉庫が建ち並ぶ臨海地区にあるローソンの店内に、ちっちゃなスタンプが設置されていた。シャチハタネーム印サイズだ。歩き始めて25分で、最初のスタンプをゲット。この調子で行こう。



次なるスタンプポイントは、「竹谷」にある阪神出屋敷駅。来た道を戻るのが最短なんだけど、同じ道は歩きたくない。遠回りになるが工業地帯を通る道を選択する。確かに殺風景ではあるが、道も水もキレイで、かつての、煙がモクモクというイメージとは程遠い。



橋の両側に踏切が設置されている。船の通行のために、橋桁が上がる仕組みになっているようだ。



広大な新日鉄住金の敷地を通り抜けるのに随分時間がかかったが、ようやく阪神高速が併設された国道43号線に戻ってきた。騒音とか、排気ガスで、いろいろと問題があったところだ。歩道橋の左右にはアクリル板の仕切りが設置されている。おそらく歩行者への排気ガスの影響を緩和するためのものだろう。



阪神尼崎駅の南側には、寺町が整備されている。尼崎市は、最近この地区の散策を強くプッシュしているようだ。



尼崎信用金庫の旧本社社屋。レトロ感満載だ。今は博物館として使用しているようだが、残念ながら今日はドアが固く閉じられていた。



まだスタンプはひとつだけというのに、寄り道ばかりしていていいのだろうか。尼崎信用金庫が運営している世界の貯金箱博物館に入館。金融機関などのノベルティはもちろん、世界中から集められた貯金箱が展示されていた。入館無料というのに、驚いたことに帰り間際に記念品を頂戴した。拳大ほどの宝珠型の貯金箱だ。



だんじり祭が開催されている。ちょうど岸和田のだんじり祭も今日だったはずだ。出屋敷駅にて、ようやく2つめのスタンプをゲット。ここまで1時間半以上もかかっている。このペースではまずい。



次のポイントは、「立花」の郵便局。このスタンプラリーでは、コンビニ、駅、郵便局、神社、博物館、小売店舗、行政施設、と様々なスタンプポイントとなっている。市内の全業界がバックアップしているイベントのようで頼もしい。蓬川に沿った緑豊かな遊歩道を快調に北に進む。



ところが立花郵便局までやってきて愕然とする。土日はATMコーナーしか開いていないのだが、スタンプが見当たらない。ATMでお金をおろしに来る人がひっきりなしのなか、怪しいヤツと思われていることは百も承知で、狭いATMコーナーのアチコチを探索したが、どこにもスタンプは無い。窓口が開いている平日昼間にこんなトコにやってこれるはずもない。



もう止めよっかな、とまで思いながら、立花駅前の商店街で、長い時間をかけて昼食をとった後、気を取り直して、次なるスタンプポイント「富松」に向かう。環濠に囲まれた富松城址がある。応仁の乱から戦国時代にかけて、いくつもの戦いの舞台になったところのようだ。



スタンプポイントは富松神社。ここまで昼食やら見学やらを含めて4時間もかかっているのに、集めたスタンプは、わずかに3つ。このままでは、ゴールのJR尼崎駅の観光センターが閉まる18時までに辿りつけるか微妙だ。それ以上に、16時くらいになると、閉まってしまうスタンプポイントも多いはずだ。



尼崎市の北端を東に向かい塚口へ。つかしん内の豆腐屋さんが次のスタンプポイント。ところが、店のおばさんによれば、スタンプポイントは「食満」の本店の方で、しかもその本店は工事中でスタンプは押せないと仰る。一体どうなってるんだ。



まったくスタンプは溜まらないが、主たる目的は、スタンプを集めることではなく、ただただ歩くこと。スタンプコンプリートなど二の次と考え、全てのスタンプポイントを歩きとおすことにしよう。JRの「猪名寺」駅で、4つめのスタンプを獲得。



猪名川を渡って、尼崎の北東の端っこにある「田能」に向かう。伊丹空港のすぐ近くで、伊丹市や豊中市に食い込んだような地区だ。



田能遺跡。弥生時代の集落が再現されている。隣接する博物館で、無事5つ目のスタンプをゲット。ようやく半分溜まった。スタンプ5個で、なんか貰えたはずだ。



食満。けま、と読む。文字通り、食糧が豊富に採れるところ、という意味らしい。大阪の毛馬も文字は違うが同じ意味のようだ。確かに川が近く、農業の用水にも事欠かないし、魚もたくさん獲れたのだろう。



一気に南下して次なるスタンプポイント、「久々知」の近松公園にある近松博物館に向かう。公園の近くまで来ると、特別なマンホールが設置されている。「近松のまち、あまがさき」とあるが、近松は主に京、大坂で活躍していたはず。不勉強かもしれないが、尼崎との縁がさほど深いようには思えないのだ。確かにお墓は尼崎にあるけど、大阪にもお墓があるもんなぁ・・・。



まあ、想定内のことだが、やはり近松博物館は16時で閉館していた。30分以上も遅れては、惜しいとも言えない。それでも先へ先へと進むしかない。



次のポイントは「神崎」の浄水場。既に17時も過ぎ、ぜぇったい空いているはずがないと思って、やってきたが、予想に反して、守衛所にスタンプは置かれていた。18時まで受け付けているらしい。それにしても、もう少し下調べして来なければいけない。



最後のスタンプポイントは「潮江」の素盞嗚神社。こちらは社務所がまだ開いているのでは、と期待してやってきたが、既に社務所は閉ざされていた。



結局、7時間もかけて、集めたスタンプは僅かに6つ。現場まで足を運んだにもかかわらず、様々な事情があって、4ヶ所ではスタンプを押せなかったが、確かに、全てのスタンプポイントを歩き尽くしたということに満足しておこう。



閉館間際の、JR尼崎駅構内にある、あまがさき魅力案内所で、スタンプ5個以上の記念品を貰うつもりでやってきたが、記念品を貰うには市役所に行かねばならないのだそうだ。う~ん、面白いイベントだと思っていたが、平日昼間には真面目に働いている人のことも考えたスタンプラリーにしてもらいたいものだ。



 歩行距離は25km強。歩数は3万を超えた。休憩も入れて7時間で歩きとおした。スタンプラリーは不調に終わったが、しっかり歩けたことには満足している。



残念なことだが、スタンプポイントには、忍たま乱太郎を想させるものは全くといってよいほど見かけなかった。最近のアニメのなかでは数少ない知っているものだけに、もう少しテンションをあげてもらえる工夫があれば良かったのにとも思う。