2015年12月12日(土)
さすがに山歩きには厳しい季節になってきたため、近鉄・阪神・山陽共催の3社沿線クイズ&スタンプラリー(沿線散歩2015)に出掛ける。全10コースのうち、今回選んだのは山の辺の道。定番コースばかりを登場させる近鉄なのに、これまで何故か温存してきたため、今回が沿線散歩初登場(たぶん)となる。
大阪から、山の辺の道の始点となる天理へは、近鉄を奈良線、橿原線、天理線と乗り継いで行かなければならない。天理線の真ん前の席に陣取り、電車内から天理駅に入構するところを撮影する。ローカル線の終着駅としては、分不相応とも思える3線4面を有する立派な駅舎だ。
天理教の総本山だけに、全国から大勢の信者さんがこの地を訪問・滞在する。駅から天理教本部に通じる500mほどある商店街にもシャッターが降りた空き家は見られない。いかにも門前町の様相を呈している。
広大な天理教関連施設の西端付近にある山の辺交番。最近各地で、市民に親しんでもらえるよう
、設えや名称に工夫を凝らした交番が増えてきたが、山の辺交番ほど、静かに風景に溶け込んだ交番は珍しい。何だか地域の集会所か大衆食堂のような雰囲気だ。
天理駅から30分ほどで、いよいよ山の辺の道のスタート地点となる石上神宮にやってきた。大和朝廷の有力氏族であった物部氏が祭祀してきた、非常に長い歴史を持つ神社だ。大和朝廷の武器庫としての役割も担っていたらしい。
見どころの多い山の辺の道だが、もう何度となく歩いているので、今日は寄り道は最低限にして、せっせと歩くことにする。ゴールの桜井駅までの16kmを4時間以内で歩くことを目標にする。
以前より、柿などの農作物を売る無人販売所が随分多くなったような気がする。飛鳥などで最近
多く設置されているアートな案山子も見られるようになった。
歩いていると、明らかに古墳、と判る小山がアチコチに見られる。こういう所で、地図やら案内板などを確認していると、すぐ時間が経ってしまう。いつものように、周囲を一周してみようなんて気を起こそうものなら、平坦な道とはいえ平均時速4kmで歩ききることは覚束なくなる。
それでも、過去立ち寄ったことが無いトコがあることに気付くとつい寄り道してしまう。竹ノ内環濠集落の手前にある夜都岐神社。茅葺の拝殿だ。
初めて訪れる人には意外に思われるようだが、山の辺の道って、街道のように一本道になっているのではなく、様々な道を縫うように設定されている。舗装道も多いし、車の通る道も少なくない。、写真に撮りたくなるような、山に沿った田舎道というのは、意外に少ないかもしれない。
長岳寺に近づいてくると、卑弥呼の里、という看板が目立ってくる。卑弥呼の墓の有力候補と言われる箸墓古墳を初めとした纏向遺跡に近いところまでやってきたのが判る。
長岳寺。3社沿線クイズ&スタンプラリーでは、ここが終点となっている。ここから先はオプショナルコース。天理駅からここまでが8km。ここから桜井駅が8km。ちょうど中間ポイントになる。
崇神天皇陵。近づきすぎると古墳とは判らない写真しか撮れなくなる・・・。しかも正面ではなく、裏手を歩いているのだから尚更だ。第10代天皇だが、崇神以前の天皇には具体的な記録が残っていないため、実は初代天皇という説がある。卑弥呼の時代とも連続するため、卑弥呼の弟だとかの説もあるらしい。
最近、さらに案内標識が充実してきているようだ。山の辺の道って、分岐点も多く、迷いやすいところが多い。案内標識にカラーのマップまで付いた、方向音痴にはとても有難いものも多く見られるようになっている。
桧原神社。この先にある大神神社(三輪明神)と同じ三ツ鳥居だ。
鬱蒼とした山麓の林道をドンドン進んでいく。
大神神社。本殿のようだが、これは拝殿。ご神体は、この先にある三輪山なのだ。高さ467m、と一度登ってみたい気もするが、何といってもご神体。気軽にハイキングするところではない。神社で受付をしてもらい、敬虔な気持ちで登るところだ。飲食も撮影も禁止されているらしい。
大神神社の南にある平等寺。二重塔に通じる門前で2匹の猫ちゃんが門番をしている。
金屋の石仏。鉄筋コンクリート製の頑丈な建物に格納されているものを、鉄格子の間からフラッシュで撮影。石板に浮彫りされた仏様だ。落書きしたり、石板を割ったりするような罰当たりが多い世の中とはいえ、何とも厳重な保管だ。もう少し室内が明るければと思う。
大和川の川岸に仏教伝来地の石碑が立っている。大和川を伝って、大陸から様々な文化や物資が到着したところだ。古代、物々交換が行われていた市もこの辺りにあったようだ。
山の辺の道で見かけた柿の木。こんなにもタワワに実る柿があることに驚く。
これは、イチジクだと思うんだが・・・。実が成っているけど、イチジクって夏に結実するはず。先日の生駒縦走の際にも同じようなものを見たんだが、これってイチジクだろうか・・・。
桜井市に入ると、歴史街道の路面プレートが多数見られる。多数の大企業がスポンサーになって、潤沢な資金を有すると思われる歴史街道だが、その活動内容には、ピンと来るものが少ない・・・。
歩行軌跡。16kmを3時間56分で踏破。辛うじて目標を達成した。