2015年12月31日(木) ①
いよいよ大晦日。こんな日にウォーキングに出掛けるのも、いかがなものかとも思うが、自分の自由になる時間を有効に活用し、散らかった部屋より、まずは鬱屈した気分に少しでも整理を着けるべく汗を掻くことにする。近鉄・阪神・山陽3社沿線クイズ&スタプラリー(沿線散歩)から、近鉄山田川駅を起点とするコースをチョイスする。
近鉄京都線の山田川駅。京都府の南端、相楽郡精華町にある。もともとは文字通り、山と田と川しかないような所だったと思われるが、けいはんな学研都市の開発により、周辺の人口もかなり増えてきているようだ。駅からしばらく東に歩くと木津川町に入る。
藤原百川の墓。 奈良時代末期、桓武天皇を擁立し、藤原仲麻呂の乱で一時失権した藤原氏の勢力を回復したことで知られる。ふたつの、こんもりとした2つの小山が、百川とその夫人の墓らしい。墓地は公園になっている。立派な桜の木に囲まれているのは良いとして、写っていないが滑り台などの児童遊具が墓の前に並んでいることには少々驚く。もっとも、美しい桜や無邪気な子供たちの歓声は、墓に眠る百川への良い供養になっているように思える。
相楽(さがなか)神社。苔むした桧葺きの本殿と祠が並んでいる。室町期に建立されたものだそうだ。拝殿に掲げられた古い木板には、「日本に流造の社殿は多いが、当社の流造はその白眉的建築で、典雅優麗さは他に比類を見ない」と自画自賛の説明が並んでいる。いやはや何とも自信たっぷりだが、それだけこの地域のアイデンティティを強く支えてきた大切な神社なんだと思う。
マップにも紹介されている大里地区を縦横に縫う水路。ここの棲息する大きな鯉や鮒が謎、との記述があったが、何のことは無い。水路の数mを柵で塞いで、水槽のようにして魚を飼育しているだけのことだった。写真を撮っていると、偶然、飼い主が網をもって現れ、一匹の鮒を掬いあげた。お正月にお宮さんに献上するそうだ。
小高い山の中腹にある西宮神社。 門から石段を登って拝殿まで辿りつくが、そこから本殿の間もさらに石段が続いている。
法泉寺。特段の見どころも感じられない小ぶりなお寺だ。十一面観音像で有名なんだそうだが、秘仏ゆえに拝見することもできない。ここに立ち寄らす意味を感じない。
小高い山の上に立つ法泉寺は絶好のビューポイントと紹介されているが、う~ん、微妙だ・・・。
コース設定に無理を感じながら歩いてきたが、後半は近鉄京都線や渋谷川に沿った遊歩道。この道は悪くない。
遊歩道には、万葉歌碑っぽいものが設置されている。五七五七七を平仮名で彫った5つの石柱が並んでいる。もっとも、この歌が誰の作なのか、どういう意味なのか、等の解説は見当たらない。受験勉強的な姿勢ではなく、31文字が発する思いを素直に受け止めろということだろうか。
壁に彫られたものも見られる。
テクテク歩いているうちに、ゴールの高の原駅が見てきたあたりで奈良県奈良市に入る。
高の原駅に到着。京阪奈新線乗り入れを訴える巨大な垂幕がある。確かに大阪市営地下鉄中央線に直結すれば便利なようにも思えるが、ノロノロ運転しかできない地下鉄仕様の第三軌条をここまで伸ばしても、西大寺で近鉄奈良線に乗り換えを選ぶ人が多いようにも思える。
この沿線散歩に近年参加した近鉄としては、オリジナルなコースを苦労して製作したのであろうことは窺えるのだが、いかにも見どころの少ないコース。そもそも、ここまでやってきてわずか4。4km、一時間余りのウォーキングというのは割に合わない。学研都市や大仏鉄道遺跡などに足を伸ばすようなコース設定もできたのではなかろうか。
今年最後を飾るウォーキングとしては、いかにも消化不良。近鉄奈良駅に向かい、もう1コースやっつけることにしよう。(②に続く)