ヒューストン散策(ダウンタウン)

2018年1月18日(水)


1月17日、滅多に無いことだが、ヒューストンは終日氷点下で、小さな氷の粒のような雪が降り積もった。道路は凍結のため寸断されて役所も学校もほとんど閉鎖。翌18日も氷点下で、2日連続でヒューストンの街全体が機能停止してしまった。グーグルのマップでも、高架道路を中心に通行止めの表示が至るところに表示されている。



ほとんどのオフィスも閉鎖してしまって、まるで仕事にならない。17日の大半はホテルでの籠城を余儀なくされたが、さすがに2日連続は辛い。漸く寒さが峠を越した18日正午頃、意を決して出掛けることにするが、ホテルの玄関前の鉢植えは氷漬けになっている。



立派なツララも見られる。まさかヒューストンでツララを見ることになるとは夢にも思わなかった。



UBERで、ダウンタウンまで出掛ける。空は真っ青に澄み渡り、ヤシの木もあったりするので、地上部の無い写真を見る限り、まるで常夏のハワイのようだ。



しかし目を足元に転じると、路面はツルツル状態。特に日光が当たらないビルの北側、西側がひどい。スリップする車もアチコチで見られる。こんなことでウォーキングできるのかぁ・・・。



まずは、NBA西地区で現在2位と好調なヒューストンロケッツの本拠地、トヨタセンター。未だプロバスケットの試合を見る機会がないが、いつか観戦したいものだ。



しばらく歩くと、MLBワールドシリーズの覇者、ヒューストンアストロズの本拠地がある。かつては飛ぶ鳥を落とす勢いだったエネルギー事業者エンロンが命名権を有していたが、エンロン倒産後は、ジュースのミニッツ・メイドが命名権を得ている。



球場前の縁石は、すべて野球のボールになっている。



本来ならば、車も人も多くが行き交うビジネス街の目抜き通りだが、大半のオフィスがクローズとあって、ゴーストタウンのようになっている。



凍結した路面でスリップした車の衝突がアチコチで発生しているせいか、いつもより車のホイールやバンパーが落ちているのを多く見かけるように感じる。アメリカでは、ナンバープレートが落ちていることは決して珍しくはないが、バンパーごと落ちているのはあまり無いように思える。



ハイウェイの入口にも、遮断機が降り、CLOSEDの標識が掲げられている。



ダウンタウンの西のはずれの小高い丘の上に、ジョージ・H・W・ブッシュの銅像がある。名前だけでは、父か息子か分りにくいのだが、功績が描かれた像の後ろにあるレリーフに、太平洋戦争のパイロットの絵があったので、パパブッシュだと確信できた。



水族館。開館しているのか閉館しているのか不明。とにかくお客さんも係員らしき人もごく疎らにしか見られない。魚ばかりではなくて、ホワイトタイガーなんかもいるらしい。



ダウンタウンの北西のはずれにある、アムトラックのヒューストン駅にやってきた。なんじゃこりゃ。まるで3セクの仮駅舎のような、チャッチイ駅舎ではないか。ニューヨークのペンステーションとの規模の差に愕然とする。



ホームも至ってシンプル。Houstonと書かれた駅名表示とともに、向こう側がLos Angeles、手前側がNew Orleansとの行き先表示がある。なんて大雑把なんだ。後で調べてみると、ここを走るのはロサンゼルス・ニューオリンズ間を1日半かけて走る週3便の長距離列車だけのようだ。乗ってみたい、とは思わない・・・。



ヒューストン駅の傍にある市庁舎も、入口に荒天のため本日閉館と書かれた紙が貼られていて、人の気配さえ感じられない。こんな日にウォーキングしているのは、どうかしてるのかも、と今更ながら感じてしまう。



一見、路面に問題は無さそうな道も、橋梁部は凍結しているのだろう。警察車両でブロックするという簡易な方法で通行止にしている。



バッファローバイユー沿いの遊歩道を東に進む。ヒューストンのなかでも、最も歩き甲斐のある、自然に囲まれた長閑な道と聞くが、昨夏の大洪水では、この川が大増水して大きな被害をもたらした。



洪水の爪痕は未だ残っているようだ。途中河岸が崩落して遊歩道が無くなっているところが見られる。



振り返ると、ダウンタウンの高層ビル群。



バッファローバイユー沿いの遊歩道が途切れたところで、一般道を歩く。気温は摂氏2~3度くらいには戻っているはずだが、道路の凍結は未だひどい。スリップして立ち往生しているトラックなども見られる。



昨年の夏に歩いたものの、あまりの暑さのために途中で引き返してしまったメモリアルパーク。広大な公園の真ん中を幹線道路が貫いている。松の木が結構多い。



一体どうやって書いたのだろうか。バイユーを横切る水道管(ガス管かも)に、WILL YOU MARRY MEとプロポーズの言葉が書かれている。こんなパイプにしがみついて書いたとするなら、命がけのプロポーズとさえ思える。



本日の歩行距離。行きはUBER、帰りはウォーキングで18km。慎重に歩いて、一度も転ばずに済んだ。




ニューヨークあたりなら、凍結防止剤や融雪剤を撒きまくって、除雪車がフル稼働して、この程度の雪で交通がマヒすることはないように思える。まあ、こんな天気が滅多にないヒューストンでは仕方無いとも思っていたが、橋のたもとには「寒冷時には橋上凍結に注意」との標識が見られる。まったく想定していないことでも無いはずなのに・・・。



などとヒューストンの行政怠慢に憤慨していたのだが、この時は成田空港から帰国した22日の大雪など夢想だにしていなかった。大阪に向かう飛行機(結局飛ばなかったのだが)の機内で4時間、成田から東京に向かうバスの中で6時間、缶詰にされるという悲劇に見舞われる。日本の雪対策もまったく酷いものだ。