サンフランシスコ散策

2017年1月20日(土)


サンフランシスコで週末を過ごす。30年以上も前、初めての渡米で降りたったところだ。なんと、サンフランシスコを訪問するのは、それ以来のことになる。



投宿したホテルから、道一本渡ると広大な中華街が広がる。この地域ではStreet名に英語のものとは別に中国語の名称も付けられている。Bank of Americaにも、「美国銀行」の看板が掲げられている。



最近何かと物議を醸している韓国慰安婦像が、中華街のなかの公園に立てられている。色々と思うところはあるけど、ここでは差し控えておこう。



坂が多いサンフランシスコは、早くから路面交通機関が発達したところ。名物のケーブルカーをはじめ様々な種類の路面電車やトロリーバスやらに乗って市内観光するのも一興だが、今日はとにかく歩き回ることにしよう。



半島状のサンフランシスコの東海岸にやってきた。飲食店が立ち並ぶフェリービルディングや海岸の遊歩道は、晴天の週末を楽しむ観光客で溢れかえっている。




フェリーが何隻も停泊している。しかし、行き先表示を見ても知らない地名ばかりだ・・・。



地図を見る限り、サンフランシスコには100ほどものピア(埠頭)がある。そのなかでこのピア7は、海に向かっての遊歩道のようになっている。



偶然、路面に1860年の遣米使節団入港150周年記念のプレートが嵌め込まれているを発見する。プレートの中央には、勝海舟などが乗船した咸臨丸が描かれている。



サンフランシスコの小高い山の上に立つコイトタワー。意を決して頂上まで延々と続く階段を上っていく。ウォーキング序盤で、早くも大きなダメージだ。



何度も立ち止まりながら、コイトタワーに辿りついた。正確には数え切れなかったが、420段くらいは登ったはずだ。タワーの前にある銅像は、このタワーを寄贈したコイトさんなんだろうか。



展望台へのエレベーターには長蛇の列。う~ん、歩いて登ってきた人は優先してもらえないものかなどとも思ったけれど、タワーに登らずとも市の全貌を見渡すことができる。海の向こうにゴールデンゲートブリッジが見える。今日の目的地なんだけど、随分遠い。大丈夫かぁ・・・。



監獄島として有名なアルカトラズ島もよく見える。今は刑務所としての役割は終え、観光地化しているようだ。



コイトタワーからロンバートストリートを西に進む。上ったり下りたり、平坦なところが見当たらない。



中華街からは随分離れているが、このあたりでも中華系の住民は多いようで、不法投棄を戒めるポスターも英語と中国語の2つが貼られている。サンフランシスコは中国語では桑港ではなくって、三藩というようだ。一体、こうした漢字への置換を誰がやっているのかいつも不思議に思う。



平坦な海岸沿いの道ではなく、起伏の多い道を歩いてきたのは、ロンバートストリートの蛇行する坂道を見るため。ヘアピンカーブばかりの急勾配の坂道を超低速で車が降りてくる。



ヘアピンカーブは8つもある。ほとんどの車は観光客っぽい。緊張するドライバーを除いて車内は大はしゃぎしている。



サンフランシスコ名物のケーブルカーも、この坂道の上では1分程度停車している。乗客は身を乗り出して写真を撮影している。



坂を降りて、市北部の海岸にやってきた。ゴールデンゲートブリッジまでのレンタサイクルを営む店がいくつも見られる。



飲食店や土産物屋が立ち並ぶフィッシャーマンズワーフ。昼食を取るつもりだったが、手軽に食事できそうな店はどこも満席。まあ、そのうちどこかで何か食べることはできるだろう・・・。



砂浜なんかもあって、カモメたちが大小さまざまな船が停泊している横で、羽根を休めている。



気持ちがいいので、砂浜沿いに歩いていく。凧で遊ぶ人、日向ぼっこする人、犬と駈けっこする人、それぞれのスタイルで休日を楽しんでいる。



コイトタワーへの登頂、アップダウンの多い坂道、歩きにくい砂浜と、足腰へのダメージが重なったうえに、適当な食事場所が見つからずに昼食抜き、という厳しい状況だが、いよいよゴールデンゲートブリッジに向けて坂を上っていく。ダウンタウンが随分遠くに見える。



いよいよ、橋の全貌が姿を現した。赤く塗られた鉄骨が、太平洋の荒波に雄々しく立ちはだかっている。



全長2700m、高さ230mの巨大な鋼鉄製の吊り橋。築80年とは思えないほど、頑丈な造りに感じられる。



太平洋。この8000km先に日本があるはずだ。



橋の左右に歩道があり、時間帯で歩行者と自転車を2つの歩道に振り分けている。歩道は、想像を上回る人の数。モータリゼーションが過度に進んだアメリカで、歩いてゴールデンゲートブリッジを渡るやつなど、滅多にいないだろうと思っていたのだが・・・。



が、2つある吊り橋の主塔あたりで歩行者は急激に減ってしまう。車で橋の袂の駐車場までやってきて、橋からの展望を少し楽しんで帰る、というのが主流のようだ。



橋を渡り切ると、サンフランシスコの市街地もアルカトラズ島も、すっごく遠くに見える。とくまあ、疲労と空腹に耐えて、ここまでやってきたものだ。



橋の北端にあるビスタポイント。ローンセイラーの像が立っている。既に18kmも歩いて体力の限界に近づいている。さて、ここまで来たのはいいけど、どうやって帰るかを考えていない・・・。無鉄砲にもほどがあるぞ。



歩いて数百mのところにバス停があるようだが、勝手が判りにくいバスというのできれば避けたい。UBERを呼ぼうとも思ったが、近くに車が無いうえに、いつの間にか橋は大渋滞になっている。



結局、再び3kmほどを歩いて、ゴールデンゲートブリッジを戻ってきた。南側に辿りついたときには、すっかり日も暮れて、橋はライトアップされていた。



さらに坂を下りて、人家のあるところまっで戻ってUBERを呼んでホテルに帰る。歩行距離は22kmほど。



厳しいアップダウンや空腹が辛かったけど、晴天のもと、サンフランシスコの名所をひととおり巡ることもでき、大満足のウォーキングができた。