2018年2月18日(日) ①
昨日、三重・奈良県境にある三峰山への登山後、帰宅せずに名張駅前のビジネスホテルで一泊。近鉄・阪神・山陽3社沿線スタンプラリーの10コースのうちのひとつ名張コース制覇のためには、帰宅するより宿泊する方が効率的と考えたためだ。
それにしても、このコースは4年前のものと丸っきり同じ。( http://inam-walk.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html 参照)ポスターやパンフレットに随分な資金を投入しているイベントなのに、ウォーキングコース設定にどうしてここまで手を抜くのか。毎年のように同様の手抜きを続ける近鉄には猛烈抗議をしたい気分だ。4年経てば何かが変わっているのだろうか。早朝にホテルをチェックアウトして名張駅西口を出発する。
名張駅前は居酒屋が多いところだ。というか、居酒屋しか無いといっても過言ではない状態。大阪へのベッドタウンという印象が強い街だが、おとなしい雰囲気ではない。
名張藤堂家。織田家重臣で大大名となった丹羽長秀から養子を貰いうけたものの、実子が生まれたため廃嫡されて名張に押し込められた。秀吉時代以降の丹羽氏の凋落とも無関係とは言えないだろう。藤堂という家は何かと変わり身が早い。一方気の毒な名張藤堂家だが、名張市のニュータウン桔梗が丘は、名張藤堂家の桔梗紋が由来と聞いて、ちょっと嬉しく思う。
名張の中心部から一旦北に向かう。前回もそうだったのだが、こんな無粋な道を歩かせる意味が解らない。もう少しいい道は無いものか・・・。
4年前にボロボロになっていて、イザという時に役に立つのか、と懸念していた水門ゲートは修理が行われていた。
住宅地のなかに突如現れる伊賀牛の牛舎。人懐っこい牛たちがカメラを向けると寄ってくる。まだ朝が早いので、朝食にありついていないのかもしれない。
初瀬街道にやってきた。いくつかの建物は、最近改装されているようで、以前より少し旧街道の趣が感じられるようになってきているようにも思える。
しかし、総じて旧街道初瀬街道の雰囲気づくりは道半ばの感は拭えない。地方都市にありがちな、草臥れ感の強い店舗や家屋が少なくない。
秋葉愛宕神社 神社に民家や集会所が付随しているのはよく見かける光景だが、ここでは神社が完全に飲み込まれてしまっている。
名張の市街地には、治水のためか灌漑のためか、あるいは下水のためかは不明だが、水路が張り巡らされている。家々を縫うように「ひやわい」と呼ばれる細い路地が見られる。
名張という地名の由来は「隠」なんだそうだ。隠の字が「なばり」と読めるとは漢字辞典には出てこないが、伊賀国が奈良・京・大坂・伊勢などに近いにも関わらず周囲と隔離され、独特の統治が行われてきた「隠れ里」的なところ、ということなのだろう。
スタンプラリーのパンフレットにも紹介されている和菓子食べ歩きクイベント。コースの設定も和菓子屋を多分に意識しているようだが、週末は閉店しているところが多いのだ。
街道にど真ん中にドーンと据えられている宇流冨志禰神社一の鳥居と名残の松。お伊勢参りの旅人たちが、かつてこのあたりで団子などを頬張っていたのだろうか。
「えんむすび通り」なんてものが出来ている。こんなの4年前にあったかなぁ。何の歴史も由来もなさそうな町おこしの一環のように思える。水路に沿って縁結びを祈願するための男女二体の石造が設置されている。絵馬ならぬ「縁馬」なども吊り下げられている。
大きな杉玉が吊られた造り酒屋。街道に沿って名張の旧市街を歩いていると、染屋とか表具屋とか、最近町では見かけなくなった店にいくつも出会うことができる。
名張出身の小説家、江戸川乱歩の生誕地が公園になっている。「生誕地碑広場」というのは、あまり耳にしたことがないが、妙な記念館やオブジェで飾りたてるより、このように近所の子供たちが元気に遊びまわる公園にした方が故人も喜んでいるのではないだろうか。
名張川に沿って、近鉄の東部に歩いていく。三重県を流れる川なんだけど、調べてみると木津川に流れ込む淀川水系の河川なのだ。
近鉄名張駅から東側に名張中央公園が広がっている。陸上競技場、野球場、体育館、テニスコートなど、敷地をたっぷりと使っての立派な体育施設が並んでいる。桜の木が多く、春の満開時にはさぞ美しいところだろう。
名張市役所の前に、室町時代に能を大成させた観阿弥の像がある。この地の出身なんだそうだ。元々は猿楽だったのだろうか。
市役所前のバス停。東京行の高速バスから、コミュニティバスまで、随分と賑やかなことになっている。
派手な理髪店。この種の店は北陸地方に多いという印象がある。これでもかというほどに赤・青・白のサインポールで飾りたてている。それより、この店はシニア料金があって、60歳以上は15%ほども割引になっている。自分もシニア料金で散髪できる年齢になったんだと、逆にちょっとセンチな気分になる。
近鉄名張駅東口。西口に比べるとちょっとモダンな雰囲気になっている。
歩行軌跡10km弱。昨日の疲れもあまり残っておらず、サクサクと歩き通すことができた。
未だ10時にもなっていない。このまま帰るのは勿体ないので、念のために調べておいた赤目四十八滝に向かう。名張駅から赤目口駅まで僅か1駅だ。(②に続く)