平荘湖連山(加古川市)

 2022年2月17日


平荘湖を取り囲む連山の縦走にでかける。予定通り歩ければ12もの山頂を巡ることになる。最高気温が4度と予報される寒い日で、スタートも午後1時と遅くなってしまったけれど、100m級の低山の縦走であれば問題ないだろうと呑気に出発する。



加古川ウェルネスパークを出発し、まずは平荘湖の西側の山々をやっつけることにする。岩の山肌を削り取って造られた階段を登っていく。手摺りやベンチも設置されていて、誰もが気楽にハイキングを楽しめるところのようだ。



登山口から僅か5分ほどで、最初のピーク、前山(69m)、さらに5分ほど歩いて石仏が並ぶ行者山(98m)を制覇。



さらに10分ほど歩けば日露戦争の記念碑が建っ神吉山(61m)。ゆっくり歩いて僅か20分ほどで3つのピークを制覇。これはチョロいぞ。山塊の西端の神吉山で折り返し、残り9山の登頂を目指す。



もっとも、最初の3山はまさに前座。ここから先が結構大変だということは判っている。遠目にも岩肌の露出が確認できる黒岩山に向かっていく。



予想を超える斜度を有する岩稜が続く。つい先ほどまで呑気な山歩きだったのに、早くも息切れがする。足も思うように動かない。特に股関節の痛みもあって、右足が思ったほどに上がらない。



標高わずか133mの黒岩山だけれど素晴らしい眺望だ。これから周回する平荘湖が真っ青な水を湛えて「早くおいで」と呼んでいる。湖に突き出した「ひょうたん島」(実は陸続き)がいいアクセントになっていて、市街地に近いダム湖だなんてことを忘れてしまう。



順調に平荘湖西部4山の登頂を果たし、続いて北部4山の制覇に進む。美しい平荘湖の風景を見てこの後の山歩きへの期待が膨らむが、北部4山へと向かう道はひどく心細いものだ。曲がりくねった木々に合わせて体を捩じることを繰り返しながら細い道を進んで行く。



一旦馬の頭池の堰堤まで下り、あらためて洞貝山へと登り直すことになる。山肌の木々の植生具合から、ここもまた岩っぽい山のようだ。



「アスレチックコース」と書かれた古い標札もある道を進んで行く。なるほど、やはりゴツゴツしたところが多く、高い木は育たない山のようだ。その分、見晴らしは良く、この付近に数多くある溜め池などの景色を楽しみながら歩くことができる。



標高132mの洞貝山を制覇し、続いては平荘湖連山の最高峰、飯森山に向かう。正面にみえる山並みのなかで一番高いのか飯盛山のはずだ。ちょっとザレた岩肌を下っていくが、風の強さが気になってきた。日射しは強いけれど、写真で見た目以上に寒さを感じる。



飯森山への道は、これまで以上に厳しい岩場が続く。つい1時間前にはチョロい、なんて思っていたのが嘘のように、足が動かなくなってきた。それに寒い。暖かいものが飲みたい…。



飯森山(216m)の山頂。知る限り地元行政も観光協会も平荘湖を取り囲む山々のPRはしていなし、ハイカーも多くはないように思えるけれど、山頂碑や標識類は丁寧に作られたものが要所に設置されている。地元の方々が良く整備していただいていることが窺える。



飯盛山に続いては、高圧送電線の鉄塔が立つ愛宕山(192m)へと攀じ登っていく。疲れのせいで歩くスピードが遅くなってきたせいか、更に肌寒く感じる。いや実際、風はどんどん強く、気温はますます下がってきたようだ。



平荘湖北部の最後の山になる相ノ山(179m)に向かって、岩の露出が多いゴツゴツとした道を登っていく。西部4山の何倍ものエネルギーと時間を費やして、北部4山を制覇したけれど、この先が思いやられる。



相ノ山から平荘湖へと下っていく岩稜がまたまた絶景。疲れも吹き飛ぶような眺望が広がる。真正面に見えるひょうたん島の中にある一ツ山に向かって真っすぐに下っていく。



平荘湖の湖岸まで下ってきたが、ひょうたん島の入口。以前真夏に平荘湖周回ウォーキングをした際には、あまりの藪の深さに腰が引けて島への突入を諦めたのだけれど、今日は突き進んでいくしかない。



藪を掻き分けるように島に入ったけれど、意外にも島内の道は決して悪いものではない。案内標識類は見当たらないけれど、小さな島だけに粗方の方向は見失うことがない。山頂標識は見当たらないけれど、ここを一ツ山の山頂(70m)とするってことで良かろう。



疲れているし時間もないというのに、せっかくのことなので、島内を少し探検するため、島の先端に下山し、島を外周を歩いてみる。暖かい日ならば湖岸でボンヤリと日向ぼっこでもしていたいところだ。



湖岸道路にある自販機で暖かいコーヒーなどを飲んで、ようやく人心地がついたけれど、日没までの時間が残っていないことに気付く。残り三山は100mほどの超低山だとはいえ、全山制覇に(赤に近い)黄信号が灯っている。堰堤を渡って正面に見える嶽山へと急ぐ。



登山口は山を大きく迂回したところのようだけれど、敢えてショートカットで直登を目指す。藪の隙間に人が歩けそうな空間があることを発見して突き進んでいく。



しかし標高96mの超低山とはいえ、道なき道を登っていけるほど山は甘くないし、それほどの技量もあろうはずがない。結局登れそうな斜面を求めて山の中を彷徨い、無駄な時間と体力を使うばかり。この歳になって「急がば回れ」の意味を改めて思い知らされる。



なんとか、嶽山の第二ピークまで登ってきたけれど、ここから頂上(第一ピーク)に向かうには、とんでもない鉄梯子を一旦下らなければならないようだ。恐るべき超低山だ。



予定を遥かに超える時間と体力を使って、嶽山の山頂までやってきた。岩場の向こうに平荘湖が見える。四方から平荘湖を眺めたけれど、どこから見ても美しい。しかし、湖の向こうに見えるお日様はほとんど沈みかけている…。



11番目となる升田山(103m)が正面にみえる。比較的なだらかな山容で登りやすそうに見えるけれど、さすがにヘッドライトの明かりを頼りに登っていくことはできない。残念ではあるけれど升田山、鍋山(80m)の2山登頂は諦め、麓の湖岸道路でスタート地点に戻る。



12ピーク制覇を目指したものの、日没コールドで制覇したのは10ピーク。さらに悲しいことに、終盤でまたまたYAMAPの歩行軌跡が飛んでいて、湖水を渡ったかのような直線になっている。いったい何が起こっているんだろう…。



YAMAPの記録では歩行距離10.9㎞になっているけれど、実際には入り組んだ湖岸を歩いてきたので、12㎞は超えているはずだ。獲得標高は700m、所要時間は5時間40分。