2025年2月8日
神戸市長田区の4大祭のひとつとして毎年開催されている高取山登山イベントに数年振りに参加する。以前はスタンプテーリングと称していたはずだけれど、コロナ禍での中断などを経て今ではスタンプハイクという名前に変わったようだ。
大勢で高取山に登ることに変わりはないけれど、かつては新長田駅の鉄人28号広場に大勢が集まって一斉スタートしたものだけど、今では第一スタンプポイントの清水茶屋まではどこから歩いても良いようだ。西代駅から住宅街の急坂を登って進んでいく。
しばらく進むと高取山の山容が見えてきた。六甲山系のなかでは標高も低く、最も登りやすいと思っていたのだけれど、最近はさほど楽とも思えなくなってきた。そのせいか、以前と比べて見た目も高くなったように感じる。
清水茶屋でのスタンプ台紙配布時刻は9時。20分ほど前に到着するペースだけれど、ハイカーの数は随分と多い。この種のイベントは、大勢が通り過ぎた後にゆっくりとスタートする方が良いとは判っているけれど、午後から予定があるため、珍しく早くやってきたのだ。
清水茶屋近くにあるスタートポイントは、開始20分ほども前だというのに、数十人が列をなしている。幸い清水茶屋は混雑しておらず、評判のおでんを注文。一軒茶屋以外では初めての茶屋体験だ。絹ごしの厚揚げがトロトロに柔らかくて美味。値段も120円と良心的。
「飲める」厚揚げと、ほくほくのジャガイモを平らげ、9時少し前に100人ほどの列の最後尾につく。担当の方によれば、昨年に比べれば少ないという。列島を襲う猛烈な寒波の影響だろうか。ひょっとして高取山でさえ積雪や凍結があるかもと思いながらやってきた。
万が一に備えて何人ものレスキューの方々もスタンバイ。長田区役所から派遣されていると思われる係員も手際よく笑顔で、大勢の参加者を捌いておられた。
スタートポイントでの台紙配布では、約10秒にひとりずつスタートするようにコントロールしているようで、大勢の参加者も少しずつバラけて登山道を進んでいく。でも薄っすらと雪が残る第二スタンプポイントまで来ると、再び長い行列になる。
せっせと登っているせいか、覚悟していたほどには寒さを感じない。空は青く晴れ渡っているし、空気も澄んでいて、とても気持ちがいい。菊水山などもきれいに見通すことができる。
高取山は、芦屋ロックガーデンの風吹岩などと同様、多くの猫が棲息している。ただ風吹岩と違って、ここの猫たちは単独行動していることが多いようだ。寒風を避けるためなのか、登山道の脇の窪みなどに潜んでいる。
毎日登山も盛んな山だけれど、住宅街にも近く、様々な目的でこの山に入る人は多いようだ。登山道からちょっと奥まったところにゴルフクラブを仕舞い込んで、秘かにここで練習をしている人もいるようだ。
昨年末に登ったばかりの高取山だけれど、1ヶ月半ほどの間に見慣れぬ鉄の橋脚のようなものが立っている。どうやら廃茶屋を撤去するための運搬リフトが設置されているようだ。
自分でスタンプを押すのではなく係員が押してくれるシステム。しかも珍しい「重ね押し」だ。タンプラリーの醍醐味は、苦労して目的地に辿り着いた末にドンとスタンプを押す達成感なんだけどなぁ…。大勢の参加者を短時間で捌くためには止むを得ないのだろう。
積雪や凍結を心配して、念のためチェーンスパイクを持ってきたけれど杞憂に終わりそうだ。しかし茶屋の傍に置いてある浴槽の水(消火用水?)はガチガチに凍っていた。拳で叩いてみる人もいたけれど、おそらく10㎝以上は氷結しているようで、到底割れそうにない。
いよいよ高取神社に向かう鳥居階段が現れた。この階段が凍っているのではないか、と心配していたけれど全く問題なかった。でも以前は何のこともないと思っていたけれど、最近は息切れがひどい。
高取山(328m)からの眺望は、どの季節でもどの時間帯でも素晴らしい。神戸の海が光っている。
高取神社前で5つ目のスタンプを重ね押ししていただき、一枚の絵ができあがった。高取神社から下る鳥居階段を図案化したものだ。
境内では、コーヒーの振る舞いサービス。登っているときには感じなかったのに、山頂で立ち止まって風に吹かれていると寒風が身に堪えるだけに嬉しいサービスだ。
高取神社にもお参り。神功皇后が三韓征伐か帰路、ここに建御雷神を祀ったことに始まると伝わる。西暦201年と言われる創建の年をそのまま鵜呑みにはできないけれど、途轍もなく古い神社であることには間違いなかろう。
スタンプも集まったことだし、下山することにしよう。スタンプラリーの絵柄にも採用されている階段を続々とハイカーが登ってくる。
スタンプハイクに合わせての異色のイベントが、中の茶屋の女将さんとの卓球勝負。勝てば商品が貰えるらしいけど、この女将さん、かなりの腕前らしい。観戦したいものだけれど、入口まで観戦者が溢れかえっている。
清水茶屋近くの第一スタンプポイントに戻ってきた。ここを出発したのがちょうど1時間前。その時には100人以上が列をなしていたというのに、すっかりと落ち着きを取り戻していた。
そのまま下山し、長田神社へ。ここでスタンプラリーをコンプリートしたご褒美の抽選会がある。どうせ末等だろうと思ったけれど、末等のひとつ上、商店街での200円買い物券が当たった。
長田神社のすぐ前にあるコロッケ屋さんでコロッケ(1個100円)を2個を買い物券で購入。衣がサクサクしていて美味しい。長田区民どころか神戸市民でさえないよそ者なのに、いつも手厚くもてなしてもらって今回も長田区に大感謝だ。
距離5.6㎞、獲得標高325m、所要時間は2時間20分。老若男女が参加し、それぞれあ自分のペースで楽しんでいた。とてもいいイベントだった。スタンプハイクを終えて、急いで昨年から参加してる俳句教室へと向かう。ハイクから俳句だ。