グレイトフォールズ散策(ワシントンDC郊外)

2018年9月7日(金)


アメリカ出張でワシントンDCへ。飛行機内で気分が悪くなるなど、散々な体調での米国入りとなったうえに、現地でのミーティングが先方の都合でドタキャン。ホテルに閉じこもっていてもイライラするばかりなので、付近の散策に出掛けることにする。宿泊地はワシントンDC中心部から20kmほど郊外のバージニア州のタイソンズ。10kmも歩けば、グレートフォールズというチョット有名な滝があるという。



タイソンズは、ワシントンDCまで地下鉄で20~30分ほど。オフィスや商業施設が立ち並ぶ急成長中の新都心だ。



フェンスで囲まれ守衛が常駐するような高級な集合住宅が立ち並ぶ道を北へと向かって歩いていく。メンタル面のストレス蓄積は半端ないが、フィジカル面では大丈夫そうだ。10kmくらいなら歩けるだろう。



歩き続けていると、周囲は徐々に田舎町の風景に変わっていく。空は晴れ、気温も暑からず寒からずで、絶好のウォーキング日和だ。



歩道の脇に5軒分の郵便受けや新聞受けが並んでいる。私道だからだろうか、50m以上も奥にある家の玄関までは配達してくれないようだ。土地柄、新聞は5戸ともワシントンポストだ。



アメリカのアチコチで見かけるVeterans of Foreign Warsの施設。退役軍人のクラブのようなものに見える。アメリカでは良く見かける光景なのだが、前庭には大砲やら砲弾が置かれている。さすがに最早使えないものなんだろうけど、誰かがヒョイと持ち帰ってしまわないんだろうか。



この辺りの速度規制標識には、なぜかヤモリのようなものが貼りつけられている。ちゃんとビス留めされているだけに、悪戯の類では無さそうだ。ヤモリくらいに、ゆっくりと運転しろという合図なんだろうか。



歩道は無くなり、道幅の割には交通量が多い道となってきた。歩く方も怖いが、端っこをノロノロと歩いている東洋人に出くわすドライバーも結構驚いているに違いない。アメリカという国は、街中を少し出ると、歩いている人には滅多に出会うことがない。



タイソンズから5kmも歩けば、人家もほとんど見かけなくなるんだけど、2ヶ月後に控えた中間選挙の応援看板がデカデカと掲げられている。



何の看板も見当たらないまま、いつの間にやら広大なグレートフォールズパークに突入していた。このまま自動車道を歩くのではなく、自然道を歩きたいものだと思っていたらDifficult Runという標識が現れた。上級者向けトレイルランコースかと思いきや、調べてみると固有名詞(Runは小川の意)だった。



Difficult Runは目指す方向とは異なるので、何の表示もないが、偶然発見した林道を進む。方向は間違っていないのだが、大丈夫かぁ?



やけに倒木が多いが、明らかにトレッキングコースのような整備が行われている。勝手の判らない海外で、このような道を歩くのはいかがなものかとの注意も頂戴するが、行き止まりになればUターンすればいい、と楽観的に前に進む。



半時間ほど歩いていくと、公園内の主要幹線と思しきウォーキング道路に合流し、ついに案内表示に出会うことができた。さすがにホッとする。



メインのハイキングコースになるのか、リュックサックやトレッキングポールなど、日本と全く変わらない装備を固めた何人ものハイカーと出会う。中高年のグループが多いのも、日米の共通点だ。



主要ハイキング道とはいえ、決して歩きやすい道ではない。川が近く、土地が低いこともあるのか、湿地や沼地も多い。あまり整備しすぎるとハイキングの楽しみが薄れると考えているのかもしれない。



タイソンズから歩き続けること3時間ほどで、ついにグレートフォールズが見えてきた。大した滝とは思っていなかったが、さすが大国アメリカでグレートと呼ばれるだけあって、かなりの水量で迫力がある。



滝の下流。ワシントンDCを流れるポトマック川の上流になる。こちら側がバージニア州、向こう岸はメリーランド州だ。



川岸近くに、過去の洪水時の水位が記録されている。現在の水位から10~20mは増水するほどの大氾濫があったようだ。



滝の近くにあるビジターズセンターを訪れる。この辺りは貴重な魚類、鳥類の棲み処として大切に保護されているエリアだ。



ビジターズセンターの近くの展望台から、あらためて滝を鑑賞する。決して落差は高くはないが、広い川幅一杯に、岩をも砕くような勢いで流れ落ちる様は、なかなか見飽きることがない。



帰路は適当にUBERでも呼ぼうと思っていたのだが、ワシントンを夕刻に出るフライトまで時間もあるので、もう少し歩くことにする。来た道では見当たらなかった公園の看板だが、帰りの道にはしっかりと備わっていた。



往路と異なる道で、タイソンズ方面を目指すものの、歩いても歩いても人家も無い道が続く。こんなところにUBERを呼びにくい気がしたが時間切れ。ようやく見つけたちょっとした建物の前にUBERを呼び、荷物を預けたホテルに戻る。



歩行経路。滝まで10km歩いて車で帰るという作戦だったが、結局17kmほど歩くことになってしまった。



ちなみに、ワシントンDCとの位置関係はこんな感じ。



UBERを呼び、ホテルで荷物をピックアップして、慌てて空港に向かったものの、1時間半も待たされた挙句に欠航。次の便に変更したものの、これまた遅れに遅れて、結局出発したんのは24時前・・・。8時間も空港で過ごす羽目になる。



こんなことなら、もう少しウォーキングを楽しめたのに、と思うのだが仕方ない。ストレス発散のつもりだったが、さらにイライラが募ってしまった。