2019年6月15日(土)
ミシガン州第二の都市、グランドラピッズにやってきた。フライトまでの3時間ほどを目一杯を利用して町を散策することにしよう。町のアチコチにはミシガン州旗に並んで、青・赤・黄の市旗が見られる。欧州風のクラシックな旗が多い米国においては珍しいデザインだ。おそらく市の地形、青色は川や湖を示しているに違いない。
まずは、グランドラピッズ出身のフォード元大統領の記念館を訪ねる。随分と大きな建物だ。記念館の前には、フォード大統領と、やはりこの地で生まれ育ったフォード夫人の像が立っている。
扉の取手には大統領章が描かれている。米国では大統領は退任後もずっとMr. Presidentと呼ばれると聞く。
記念館の近くには、フォード夫妻の墓所がある。ユニークな造りだ。
グランドラピッズとは、ミシガン湖に流れ込むグランド川が急流(ラピッド)になるところということに由来するそうだ。町の真ん中を流れる川は、前日に大雨が降った訳でもないのに、随分と水量が多い。川に向かうスロープのような道がアチコチに見られるけど、これって荷揚げのためだろうか?川を行き交う船は見当たらないのだけど。
これまで訪ねた大河川沿いの町でも見かけたが、ここでも過去発生した水害を記録したモニュメントが見られる。災害の恐ろしさを後世に伝えることは、日本同様、アメリカでも大切にされている。
場所によっては、かなりの急流。水飛沫がかなり遠くまで飛んでくるような勢いで水が流れている。
川の横にはウォーキングには格好の遊歩道が設置されているのだけど、道路面と水面との高低差はごく僅かでしかない。これって通常の水量なんだろうか。
グランド川に架かる橋。鉄骨と木材とを組み合わせた、武骨ながらも可愛いデザインだ。
アメリカのどの町でも共通して感じることだけど、道路工事がやけに多い。工事が多いというより、工事が遅いため、いつまでも工事中のままの道路が多いのだと思う。道路幅は広いし、地震が無いせいか、仮設標識なども土嚢を根元に置くだけで済ますなど、工事は随分簡単なように映るんだけど・・・。
ダウンタウンの中心部にある広場には、1955年のモントゴメリーバス事件の像が見られる。アラバマ州で起った黒人女性が白人に席を譲らなかったとして逮捕された事件だが、まだそれから60年ほどしか経っていないことに今更ながら驚いてしまう。。彼女は後年ミシガンに移住したらしい。
広場ではアジア太平洋フェアなるものが開催されている。アジア諸国の食べ物を売る店が並び、ステージでは各国の音楽が披露されているのはいいけど、エントランスの赤い鳥居のようなものは一体なんだろう・・・。
土曜日とあって、広場の周囲では色々なものが開催されている。簡易動物園とでもいうのだろうか。歩道の上に柵を建てて、馬やらヤギやらを放し飼いにしたようなものも見られる。
木を削って杖を作っている職人がいる。真っすぐではなく、適度に曲がった自然の木を使っているので、一本一本に味わいが感じられるのだけど、一向にお客さんが寄ってくる様子がない。売れればいいんだけど・・・。
ダウンタウンは、とてもメルヘンチックなビルが立ち並ぶ。そのまま童話の挿絵になりそうな風景だ。
グランドラピッズは、ビアシティ(ビールの町)と呼ばれるほど、ビール醸造が盛んなところのようだ。お土産屋さんにも、ビアシティのTシャツなどが多数並んでいる。
確かに町中のアチコチにビール会社直営の居酒屋が軒を連ねている。いい感じの佇まいだ。残念ながら醸造所は郊外にあるようで、お目にかかれなかった。
どうしたことかワニの形をしたベンチをいくつも見かける。まさか寒冷地のミシガン州にワニが棲息しているとは思えないのだけど。
グランドラピッズの多目的大ホール。音楽コンサートやバスケットボールの試合が連日開催されるところなんだそうだ。
大ホールのすぐ横には何やら工場らしきものが建っている。大きな煙突は発電所を思わせるが、実は蒸気から作った冷温水を、町中にパイプラインで供給する工場らしい。欧米の寒冷地では温水供給が充実しているところが多いと聞く。
寒い冬に屋外に出なくともビル間を移動できる「スカイウォーク」がここでも見られる。広い道を跨ぐように、かなり無理してビルとビルを繋いでいるように見える。
今の季節にスカイウォークを通る人はほぼ皆無のようだ。通路は、オフィスビルやホテルの既存の廊下を繋いだもの。ビルごとに通路の雰囲気が全く違っているのが興味深い。
空き時間を使って精一杯動き回ったつもりだけど、歩行距離は9kmくらい。ちょっと物足りないが、次の目的地、ネブラスカ州のオマハに向かうべく飛行場へと急ぐ。
元大統領の名前からジェラルドフォード空港と名付けられているグランドラピッズ空港に、顔出しパネルがあった。日本ではよく見かけるものだけど、アメリカでは初めてお目に掛かったように思う。
偶然なのかもしれないけど、この空港で接した何人かの職員は、皆とても愛想がいい。笑顔を絶やさず丁寧に説明・案内してくれrしてくれrう。空港全体でそのようにしているのなら素晴らしいことだ。総じてアメリカの空港のセキュリティといえば、怖そうな係員が、ぶっきらぼうに指示するばかりなだけに、びっくりさせられた。