六甲山上~宝塚(六甲全山縦走第3区間)【六甲山系】

 2021年4月11日


5年振りの六甲全山縦走を3分割踏破も最終区間。一日に一本(それも日曜だけ)しかないという阪急バスで、まだ桜が残る六甲記念碑台にやってきた。今日のゴールは宝塚。総じて下りとはいうものの、さほど楽な道ではないことは知っている。



5年前は曇天のなかを強行し、結局雨にも見舞われて辛い山歩きになってしまったけれど、今日は快晴。みよし観音からの眺望も申し分ない。



六甲ガーデンテラスを過ぎると、次に目指す六甲山頂がはっきりと確認できる。六甲山は周囲から突出もしていないし、大きな無線塔が立つ訳でもないので意外に目立たない山だ。左側の小さなアンテナが立つ山が六甲山、右の大きめのアンテナは西おたふく山に違いない。



六甲全山縦走路からは少し寄り道になるけれど、六甲山頂(931m)に立ち寄らない訳にはいかない。今日は縦走経路上にある山のピークをひとつひとつ丁寧に踏んでいくことにしたい。



記念碑台から六甲山頂まで1時間20分と順調なペースで歩いてきた。一軒茶屋を過ぎ、いよいよ六甲山から宝塚に向けての道が始まる。標識によれば、宝塚まであと13.5㎞。



5年前に歩いた際には山道崩落のため、車道のトンネルで下をくぐらざるを得なかった後鉢巻山けれど、今日は幸い「この先崩落、迂回せよ」の標識は見当たらない。



で、後鉢巻山へと入っていったものの、崩落寸前の状態じゃぁないか。注意標識を見落としたのかも…、と思いながらも、瘦せ細った道から滑り落ちないよう、注意深く先に進んでいく。



後鉢巻山(898m)の山頂は、無線設備が占拠している。眺望も何もないし、無線設備にも興味もないので、西宮市の最高峰のピークを確認しただけでそのまま下山する。



六甲山神社からしばらく車道を歩き、いよいよ宝塚に向けての長い山道が始まる。岩やザレ場も多く、油断できない道が続くのだけど、それ以上に厄介なことに、ランドマークも休憩ポイントもなくメリハリに欠ける道なのだ。



ハイカーも多いけれど、それ以上にトレランをする人が多い。次々と後ろから迫られる。平坦で広い道ならいいのだけれど、滑りやすそうな下り坂などでは道を譲りたくとも譲れないことが多い。後ろからプレッシャーをかけるのは止めてほしいものだ。



曇天のため前回は眺望は全く楽しめなかったけれど、今日は時折り木々の隙間から下界が見える。地図で確認していたら水無山(806m)のピークを通り過ぎてしまったことに気づく。登山道に頂上があるので、ピークを踏んだことは間違いないのだけれどショックだ。



歩きにくい道が続いたけれど、今日のほぼ中間地点にあたる船坂峠を越えると岩が露出したところも減り、随分と歩きやすくなってきた。



大平山の手前にこの道で唯一と思われる休憩適地がある。見晴らしもよく、ちょっと座りこめるようなところもあるんだけれど、既に大勢のハイカーに占拠されている。スタートしてから3時間以上、腰を下ろさず昼食も摂っていないのだけれど、あまり疲れは感じない。



縦走ルートを外れて大平山(681m)に向かう。ここでも頂上にはアンテナ塔だ。我ながら物好きだと思いながら藪を掻き分けて頂上碑を探しに行くと、他にもハイカーがいた。六甲縦走の標識には多く登場する山だけに、素通りできない人は多いのだろう。



大平山から少し舗装道(無線塔保守用道路?)を歩き再び山道に入る。さすがにちょっと疲れを感じてきたけれど、座り込むのに適当なところがない。空腹に堪えかねて、歩きながらオニギリをパクつき始めるが、そんなときに限ってズルズルと滑りやすい道が現れる。



大谷乗越に向かって急な下り坂を進む。かなり足が疲れていることに気づくが、ここまで来れば既に宝塚市の市境付近まで来ているはずだ。一度も腰を下ろさずに六甲~宝塚を歩くというのも悪くない。



大谷乗越。いよいよ宝塚市だ。この舗装道を下れば先日歩いた小笠峰、樫ヶ峰へと続いていくはずだ。



六甲縦走ルートから再び外れて岩原山へと向かう。YAMAPには道の表示もなく、標識もないけれど、山頂方向に向かうトレースのある草深い道を進む。危なそうなら引き返そうと注意深く尾根道を進むが、あまり無理なく進めそうだ。



無事岩原山(573m)の山頂に到着。意外にもしっかりとした山頂碑が立つ。それどころか記念写真撮影用のカメラ台まで設置されている。なんとここは宝塚市の最高峰になるらしい。まだまだ北に市域は広がっているだけに、もっと高い山があると思っていた。



頂上には登山路の案内もあり、安全な道で別方向に下山することができた。再び六甲縦走路に戻ってきたところには、岩原山への案内標識も立っていた。眺望など何もないところなんだけれど、さすが、宝塚市の最高峰だけに扱いが違う。



YAMAPでは譲葉山の山頂を「東峰」(512m)としているけれど、西にもう少し高い峰(きっと「西峰」だと思っていた)がある。登ってみるとやけにリボンが多い山だ。で、山頂には「中央峰」の札がある。さらに「北峰」や「西峰」もあるようだ。全制覇は諦めた…。



岩倉山(488m)を通過して、いよいよ下山の最終段階だ。岩原山とか岩倉山とかの山が続くとおり、岩肌の急坂を下っていく。風化が進んでズルズルと滑る厄介な道だ。



塩尾寺まで下りてきて、無事下山のお礼のお参り。思わずベンチに座って休憩してしまった。座らずに宝塚駅まで歩くつもりだったのに…。塩尾寺から宝塚駅まで、膝がガクガクなるような長い急坂を下っていく。



本日の歩行軌跡。距離は16㎞弱。寄り道は多くゆっくり歩いて6時間半。塩尾寺に休憩のコーヒーカップマークが付いたことが悔やまれる。



YAMAPの記録を見ると、獲得標高は意外にも上りが837m(下りが1576m)もある。ダラダラとした下り一辺倒の道ではなく、結構アップダウンがあったことが判る。いずれ逆向きに歩いてみたい。