2021年4月18日
苦楽園尾根からゴロゴロ岳を経て観音山に向かう。さらに甲山、北山森林公園と西宮市の住宅地に近い低山を歩き回る予定だ。水分不足で途中下山してしまった先日は六麓荘から入山したけれど、水分もたっぷり携帯して今日は苦楽園から登山開始だ。
六麓荘同様、登山口には何の案内標識もない。あまりハイカーに来てもらいたくないのだろうか…。住宅の脇の細道から苦楽園尾根道へと入るが、美しい街並みが続く高級住宅街の道とは対照的に随分と荒れた道が続いている。
流水で抉れたものだろうか。すれ違うことさえ困難な細い塹壕のような坂道が続く。苦楽園尾根とはいうけど、急坂の連続で苦しいばかりで、眺望さえ楽しめない。息を切らして泥臭く登っていくしかない。
苦楽園尾根の後半は、岩だらけ。苦楽園ロックガーデンとでも呼びたい道だ。それにしても、先日登った際に通った崖っぷちの道や藪を突き進む道が出てこない。YAMAPの軌跡はほぼ同じなのに、先日はちょっと外れた道を歩いていたのだろうか。
苦楽園の登山口から小一時間ほど登り続け、ようやくゴロゴロ岳(565m)の山頂までやってきた。予想以上にきつかったけど、ここまでは準備運動のようなものだ。先はまだ長い。
ゴロゴロ岳から鷲林寺・ガベノ城の分岐点までやってきたところで小雨が降り出した。つい先ほどまでは暑いくらいだったのが、風が強くなり、空も暗くなってきた。
天気予報が珍しく外れたようで、徐々に無視できない雨脚になってきた。それに寒くなってきた。雨に降られても何とかなるだろうと、もう2年ほども使うことなくリュックの肥しのようになっていた未使用の雨具をついに着込む日がやってきた。
意外とカッパ(特にパンツ)を着たり、リュックカバーを付けるのに手間取る。ようやく準備完了と思ったら、雨は上がり晴れてきた。カッパは無駄になったかもしれないけれど、いい訓練になったと思いながら観音山に向けての岩肌を上り下りしていく。
観音山(526m)の頂上にやってきたときはすっかり雨脚は遠ざかった(ように見えた)けれど、寒いのでパンツだけ脱いでジャケットはそのまま。観音山からの眺望を楽しんだ後、鷲林寺へと下山していく。
観音山からはかなり急峻な坂を用心深く下りて行かねばならないというのに、また雨脚が強くなってきた。レインジャケットを脱がなかったのは大正解だった。
低山とはいえ油断ならない観音山から無事下山し、鷲林寺にやってきた。ここからは暫く平坦な道を進むことになる。
何とも謎めいているのだけれど、鷲林寺には武田信玄の墓がある。お寺の解説では、武田信玄が出家する際の髪を埋めた、とも書かれているけれど、いずれにしても、敵勢力のど真ん中にまで遺骨なり遺髪なりを運び込むなんてできたのだろうか…。
鷲林寺からは大きな修道院の敷地の間を抜けるように歩いていく。馴染みが無いせいか、空気が張り詰めたように感じるエリアをちょっと緊張して進んでいく。
北山貯水池の北側を進み、甲山の麓近くまでやってきた。岩盤が固いため浸食から取り残された残丘と呼ばれるものらしい。
甲山に西側から取りつくが、頂上まで直登する丸太階段が続く。頂上まで一気に歩き通そうと思って登り始めたけれど、延々と続く丸太階段に足腰が悲鳴をあげる。しかも先刻からの雨による水溜まりのせいで随分と歩きにくい。
甲山(309m)の頂上は、芝生広場のようになっている。日曜日の午後なんだから、もっと子供たちが遊んでいても良さそうなものだけれど、雨のせいか人の姿はほとんど見られない。
甲山からは南側へと下山していく。西側からが直登だったのに対し、こちらは九十九折になっていて比較的緩やかな道だ。雨はなかなか止むことはなく、麓の街も霞んでいる。
不思議な天気で、10分ほどの甲山下山のうちに雨はあがり、晴天が戻ってきた。甲山を背にした神呪寺では、つい先ほどまで雨が降っていたという気配さえ残っていない。
神呪寺の賽銭箱は珍しい巾着型。太い木をくりぬき、彫って仕上げたもののように見える。かなりの力作だ。お賽銭を入れると、賽銭箱の中で硬貨が奏でる心地よい響きが伝わってくる。
以前から気になっていた神呪寺の南にあるミニ四国八十八か所を少し歩いてい見る。大きな岩の中や上に石仏(おそらく88体)が据えられている。相当広い山域を使った本格的なものだ。全て周回するには30分以上はかかりそうだ。
甲陽園を抜け、銀水橋から北山森林公園へと入る。公園とはいうけれど、かなり歯ごたえのあるハイキングコースが設置されている。
最後のひと踏ん張りのつもりで歩き始めたけれど、記憶していた以上に坂はきつい。階段の段差が恨めしくなってきた。
ハイキングコースを歩いて、植物園へと出てきた。いつもちょっと訪問するだけに終わっている北山森林公園だけれど、一度公園内をくまなく歩いてみたいと思う。植物園と合わせて3時間くらいのハイキングは十分楽しめそうだ。
本日の歩行軌跡と標高グラフ。距離は10㎞、累積標高は730m。晴れ、雨、風、と目まぐるしく変わる天気には翻弄されたけれど、5時間半たっぷり楽しめた。