鍋蓋山北尾根~極楽谷【六甲山系】

 2021年6月12日


YAMAPを利用して六甲山系をアチコチ歩き回って1年ほどが経つ。保存されている歩行軌跡は六甲山系を埋め尽くさんばかりだけれど、まだまだ未踏破の初級者でも歩けそうな道が多い。今日は未踏破道のひとつ、鍋蓋山北尾根と極楽谷を歩いてみたい。



スタートは鈴蘭台。朝からの雨が午後になってもなかなか止まないなかでの強硬出発だ。このところ歩けない日が続き、明日以降も雨の日が多そうなので、なんとしても今日は歩いておきたい。住宅街とはいえ勾配が急な道を歩いて、鍋蓋山北尾根への登山口に向かう。



神戸養蜂場の脇を抜けて登山道に入っていくが、緑のなかの舗装道が続く。どうやら霊園までは舗装道が整備されているようだ。



山の中腹にある霊園や木工所を過ぎると、ようやく登山道らしくなる。降雨時には水が流れるのだろう。路面は随分と雨裂で抉れているが、このところの雨天続きにもかかわらず、水は流れていない。



小雨とはいえ、雨はなかなか降りやまない…。スマホで確認すると、雨雲は少しずつ東に移動していて、「まもなく雨がやみます」とのメッセージが出ているんだけれど…。



再度公園との分岐が現れた。このあたりから登山道も気持ちのいい林間散策道のようになる。小雨模様だし、午後からの出発で時間もないので、今日はお手軽ルート。のんびりと森林浴を楽しみながら歩いていこう。



ゆっくりと歩いてきたつもりだったけれど、登山口から40分で鍋蓋山に登頂。う~ん、これではちょっと歯ごたえが無さすぎる…。ちょうど雨は止んだけれど、神戸の街は霞んだように見える。



鍋蓋山からは七三峠を経由して極楽谷から下山する予定。今年に入ってから3度目にもなる七三峠への道だけれど、季節が違うとこうも雰囲気が変わるものなのなのか…。生い茂った草木で道が隠れて、初めての道のような気さえする。



七三峠には15分ほどで到着。雨も上がったことだし、このまま極楽谷を下山するだけでは物足りないので、少々遠回りして極楽谷へと下りることにしよう。



平野谷への道を南下し、二本松林道経由の40分ほどの遠回りをして再び七三峠に戻ってくることにしたけれど、平野谷への道は完全に草に覆われて路面の確認さえ難しい状態になっている。夏草の生育は恐ろしい。



道は注意深く草を掻き分けていけば迷うことはないのだけれど、草は先ほどまでの雨粒を大量に蓄えている。あまり考えずに履いてきた安物の撥水性ゼロのパンツは、雨露をしっかり吸い込んでしまいずぶ濡れ状態だ。グレーだけになお始末が悪い。



平野谷ルートから二本松林道へと進む。随分と歩きやすい道なのだけれど、水を含んで重くなったパンツのせいもあって、快適には歩けない。



再び草むらを抜け、再び鍋蓋山を正面に見据えながら七三峠を目指していくが、今日もマムシと遭遇。幸いこちらを気遣ってか、道を譲ってくれた。こんなマムシばかりなら上手く折り合いを付けていけそうなんだけれど…。それにしても最近マムシとの遭遇率が高い。



七三峠から極楽谷への急な階段を下りて行く。あまり人気のない道なのだけれど、見たいものがあるのだ。



階段を下りきったところが市道極楽谷線の終点。かつて七三峠を潜って二本松林道に繋がるトンネルがあったところだ。事前に見た写真ではトンネルの扉を施錠していたもので、隙間から中を覗けるとのことだったけれど、今では木材と金具で完全に封鎖されている。



極楽谷の突き当りにあるトンネルは県内有数の心霊スポットなんだそうだ。ハイキングのトンネルに続く道は舗装はされてはいるものの、今では通行止めになっていて落ち葉が道を覆っている。心霊スポットなど信じないけれど、極楽感はまるで感じられないところだ。



極楽谷を有馬街道の標識が立つ国道428号線まで下りてきた。山間を縫うように走るこの国道は交通量が多く歩道もない。旧街道歩きの一環で、有馬街道も歩いてみたいのだけれど、この国道を歩きたくはない…。



ただ、極楽谷からの下山口からは旧道が残っているらしく、ここなら旧街道歩きを少し楽しめそうだ。舗装道にもかかわらず、バス・タクシー以外は車両通行止という珍しい道は、以前から歩いてみたかったところなのだ。



決して広い道ではないけれど、車の通行には不自由しなさそうな道だ。快調に歩いていたら、神戸駅から鈴蘭台へと向かうバスがやってきた。



道に沿って天王谷川が流れていて小さな滝なども見える。車も通らないので、清流の水音を存分に楽しみながら歩いて行ける。



旧道歩きを30分ほど楽しんだけれど、旧道沿いのいくつかの集落を立ち寄るバス以外の車とは出会うこともなかった。でも舗装道のど真ん中って歩きにくいもので、つい端っこを歩いてしまう。



下山したところは、平清盛ゆかりの街をキャッチフレーズにしている平野商店街。10年ほど前のNHK大河に合わせて設置されたものだろうか。改めてみると清盛ゆかりの街をアピールする看板がとても多い。



平野にある平清盛像。清盛って、晩年の僧形のイメージが強いけれど、ここの銅像は若かりし頃の凛々しい武将姿だ。もっとも、未だ太政大臣にもなっていない福原遷都のずっと前、この地とのゆかりも未だ無かった頃の姿だと思える。



清盛も湯治したという湊山温泉。ちょっと大きめの銭湯といった雰囲気だけれど、湯質は有馬温泉と同じということもあって、随分と多くの人が訪れている。駐車場もかなり広いのに、満車状態で付近には、駐車場待ちの車が多く並んでいる。



本日の歩行経路。僅かな晴れ間を狙っての約9㎞の軽い山歩きとはいえ、それなりに面白かった。しばらくは不安定な天候が続くため、あまり本格的なハイキングに出掛けるのも難しそうだけれど、梅雨が明けると暑くって山歩きどころではなくなってしまうのは必定だ。