大船山(三田市)

2021年6月14日


今日も午後からの山歩き。時間が無い時のためにキープしていた三田市の大船山に出掛ける。ふるさと兵庫50山のひとつにも挙げられている三角形に尖がった秀麗な姿な山だという。



三田アスレチックのちょっと古びた遊具が両脇に並ぶ登山道を登り始めたのは既に14時半。早出早着が基本の山登りでは褒められたことではないけれど、波豆川バス停に下山する周回コースでも3時間は掛からないはずだ。



アスレチックを抜けると静かな林道が続く。道はよく整備されているし、登り坂も緩やかなものだ。こいつは楽勝だな、と呑気に登っていく。



登山道の脇に小さなお堂があり、たくさんの苔むした石仏が並んでいる。方向にも大きさにもバラつきがあり、計画的に配置されたものとは思えないけれど、途方も無く長い間、風雪に耐え続けてこられたであろう石仏群には手を合わせずにはいられない有難みを感じる。



標識も設置された一本道のはずなのに、いつの間にやら少し道をはずれて林のなかを歩いていた。おっかしいなぁ…。登山口に三田警察署が「低山をなめないで」との注意書を掲げていたことを思い出す。



軽い道間違いはあったけれど、意外にあっさりと十倉からの登山道と合流するコル(鞍部)までやってきた。



大倉山へと続く山稜を進む。道は少し険しく、少し荒れたものになってきたように思うけれど、まあ、どうってことはない。ただ日射しを遮る木が少なくなったせいか、ひどく暑くなってきた。



やや痩せた尾根道もあったりするけれど、危険を感じるようなところもない。



大船山頂まであと350mの標識が現れた。ここから最後の登りがキツイと聞いている。記帳所が設置されているけれど、ノートは見当たらない。



覚悟はしていたけれど、登り勾配は急に厳しいものになってきた。張られたロープは登りの際には不要だけれど、下りでは大いに助けられそうだ。



あと100mか200mのはずなんだけれど、勾配はさらに厳しいものになってきた。すぐそこが頂上だというのに、ここで息が上がってしまって、まさかの休憩。こんな山、楽勝だと思って登ってきたけれど、簡単には登らせてもらえない…。



最後の350mに20分以上もかかったものの、登山口からちょうど1時間で山頂に到着。シャツは汗でグッショリだ。標高653mの山頂には厳かな岩の祠が立つ。さすがに古来、神々が降り立つ山と崇められてきたという山だ。



眺望は南方向にだけ広がっていて、遠く大阪市内の高層ビル群も確認できる。山々の方向を示す標識が立っているけれど、標識にある11の山のすべてをこの1年ほどの間に登頂していることに気付いて、ちょっと誇らしい気分になる。



山頂でひと休みした後、下山開始。落ち葉が積もった急坂をロープに助けられながら慎重に下りて行く。



登りとは道を変えて下山は波豆川バス停方向へと向かう。今も山腹に残る広い平地には大舟寺というお寺があったらしいが、400年ほど前に山麓に移転したそうだ。パッと見たところ廃寺の遺構は見当たらないけれど、麓に向かう道に町石が何基も残っているらしい。



小さな沢に沿った道の勾配は緩やかだけれど、石がゴロゴロとしていてとても歩きにくい。



これが町石のようだ。登山道に10基以上あるようだけれど、確認できたのは半分ほど。南北朝期のものだというだけに、ほとんど文字は読めないけれど、この町石だけが辛うじて五町?と読めるような気がする。



すぐ横には沢があり水も流れているというのに、道も雨裂がある。緩やかな下りだけにサクサク下山できると思っていたけれど、思ったように歩けない…。



砂防ダムを過ぎて、ようやく林道に出てきた。振り返れば登ったばかりの大船山が見える。たぶん左奥のピークが大船山だと思う。



波豆川バス停近くの下山口から、三田アスレチックまで農道?(林道?)で向かう。山間の僅かな空地を利用した稲作が行われている。



2時間半ほどの山歩きの歩行距離は4.8㎞とはいえ、暑さのため水もたくさん飲んで、そこそこ疲れたぞ。夏の山歩きはこれくらいが限界なのかもしれない…。



標高グラフを見ると山頂に向かえば向かうほど勾配がきつくなっていることが判る。「低山をなめないで」と書かれた三田警察の掲示板にあらためて納得だ。