2022年1月25日
度々歩いている住吉道と打越峠の間に2つ未踏峰がある。黒五山と北黒五山(山と高原地図には463mの標高だけ記載)だ。どちらもまともな道は繋がってはいないけれど、さほど無理なく登頂できるらしい。まずは阪急御影駅から荒神山の山麓にある登山口に向かう。
以前から気になっていた自衛隊員愛用というインソールをついに入手した。3500円と安いものではない。高額のインソールに相応の価値があるのかは常々疑問を持っていたけれど「隊長!走っても走っても、疲れません」の強烈なキャッチコピーにひと目惚れしてしまった。
御影駅から少し遠回りをして赤塚橋へと向かう。ここから住吉台へと向かう恐るべき階段があるのだ。段数は350段、須磨アルプスの栂ノ尾山への階段に匹敵するが、住吉台までのバスが無かった頃には、皆、赤塚橋のバス停からこの階段を登っていたという。
ぜいぜい息をきらしながら登っていくが、振り返るとゾッとするほどの急坂だ。急坂を登り終えると、大きなマンション(エクセル)やたくさんの住宅が並んでいる。
御影から標高270mほどの住吉台まで、住宅街を1時間ほども歩いて、ようやく登山口に到着。ここまで登り坂の連続だったので、既に山ひとつ登ってきたような感覚だ。登山口からしばらく歩くと、六甲山系最大の治山ダム、五助ダムが登場する。
五助ダムの堰堤を越え、住吉道を進んで行く。横から見るとごく普通の池や川だけれど、高所から見ると周囲の木々の緑が映りこみ、エメラルド色の幻想的な水面となる。
住吉道と別れ、打越峠に向かう途中に、どうやら黒五山へと繋がると思われる踏み跡が現れた。何の案内標識もないけれど、枝に突き刺された空き缶がひょっとしたら目印なのかもしれない。GPSで確認しながら、踏み跡をたどっていく。
か細いとはいえ、トレースが黒五山頂上に向かってはっきりと残っている。藪漕ぎを覚悟して進んできたけれど、冬のせいか歩く邪魔になるほど笹や草は繁茂していない。
もっとも途中、道を塞ぐような大きな倒木があり、これを乗り越えるのにちょっと苦労したけれど、これ以外に難所はない。
結局、空き缶がぶら下がっていた分岐点から5分ほどで、意外なまでにあっさりと黒五山(417m)に登頂。まあ、何もないことは判ってはいたけれど、手付かずの山ということではなく、頂上部はそれなりに伐採が施されているようだ。
一旦分岐点に戻り、続いては北黒五山を目指す。歩きにくいような難所はないけれど、どっちへ向かえばいいのか、道らしきものがない。アチコチにテープも見えるけれど、一本の道があるというのではない。
やはり頼りになるのはGPS。ある程度の幅で尾根の歩きやすいところを選びながら、確実に山頂に向かっていることを確認しながら歩いていく。
北黒五山山頂のすぐ東には芦屋カンツリークラブが広がっていて、低い境界柵の横まで歩いていける。ここからゴルフ場を通過していけば楽に下山できるんだろうけれど、さすがにそういう訳にはいかない。
よく見るとゴルフ場の境界を南に向かうような赤いテープが見える。一定の間隔でかなり丁寧に貼り付けている。急峻な山でもないし、来た道を戻るのが嫌いな性分のせいで、赤テープに従って南側に下山できれば儲けものと考えて進んで行く。
難所が現われたら、元の道に撤退するつもりで、もちろんGPSで現在地はしっかり確認しながら進んで行く。幸い、確実に赤色の登山道方向へと下っていけているようだ。
もっとも道とはいえないところが続く。急斜面ではないので、いつでも撤退できると思いながら進んで行くけれど、実際に登山道に出るまで安心はできない。まさにプチ冒険の気分だ。
無事、黒五谷の登山道へと下ってきた。マイナーな道だと思っていたけれど、渓流(住吉川の支流のようだ)沿いの歩きやすく気持ちのいい道が続く。黒五山も北黒五山も二度と登るつもりになれないけれど、黒子谷登山道はあらためて全区間を歩き通してみたい道だ。
黒子谷登山道は、魚屋道に芦屋カントリー南端のゲート付近で合流。そのまま魚屋道を南下する。しばらくはゴロゴロ、ザレザレの道が続くが、次第に六甲銀座らしく広い道になっていく。
風吹岩まで下ってきた。実は住吉からここまで誰一人とも会うことがなかった。住吉道はともかく、魚屋道で誰にも会わないなんて気持ちが悪かったけれど、風吹岩でようやく他のハイカーに出会う。
風吹岩からは、高座谷から下山する。ややマイナーなルートで崖沿いの道も狭いけれど、個人的にはロックガーデンを下るより、高座谷を下る方が気楽だ。
後半は大きな石が転がる河原を進んで行く。魚屋道ではイノシシの糞を見かけたので、久しぶりにお目に掛かれるかと思ったんだけれど、今日もイノシシには逢わなかった。かなり長い期間、イノシシの姿を見ていない。
無事、茶屋がある高座の滝まで下山してきた。「走っても走っても疲れません」のキャッチコピーを度々思い出し、元気に歩けたけれど、インソールの効果はよく判らない…。それなりに疲れたけれど、ひどい疲れも痛みも無いことは確か。検証にはもう少し時間が必要だ。
本日の歩行軌跡。距離10.7㎞、獲得標高740m、所要時間は4時間半ほど。
標高グラフ。あらためて芦屋からの道が住吉からの道と比べて急峻なことがよく判る。