2022年6月2日
3日前に芦屋~有馬を歩きボロボロ状態になり数日は歩く気にもならないだろうと思っていたのに、不思議と回復は早い。ゆっくり登山と自衛隊インソールのお陰だろうか。ということで、六甲山系スタンプラリー(前期)最後のコース、鵯越~新神戸に挑むことにする。
神戸電鉄鵯越駅がいきなり最初のスタンプポイント。義経の逆落としのデザインだ。今日もYAMASTAのアプリは順調に作動してくれている。
鵯越駅からしばらくは静かな林道を進んで行く。勾配も緩やかで、のんびりとハイキングが楽しめるところだ。けれど、この後には六甲全山縦走最大の難関、菊水山への急登が待ち受けているのだ。
草深い道を進んで行くと、いよいよ前方に目指す菊水山が見えてきた。頂上に大きな無線塔が2つあるので判りやすい。
急登の前に設置されているベンチで十分な休息をとったものの、やはりここの階段は厳しく心拍数が爆上がりする。休憩を取りながらゆっくり登っていこうと考えるまでもなく、頻繁に立ち止まりながらのスローペースでしか進めないのが実態だ。
いつもより随分と長く感じられた急登をようやくクリアし、菊水山(459m)の頂上まで辿り着く。雲ひとつない真っ青な晴天だが、6月初頭とは思えないほどに暑い。時刻は12時半を少し過ぎたところ。この後ますます暑くなりそうだ。
菊水山からの急斜面を一旦下り、続く鍋蓋山を目指して旧有馬街道(国道428号)を跨ぐ天王吊橋を進む。高さは30mくらいだろうか。付近に人家などはなく、六甲縦走のためだけの吊橋といっても過言ではない。この吊橋ができる前の六甲縦走は更に厳しかったはずだ。
吊橋を渡ると鍋蓋山への急登が始まる。菊水山ばかりがフィーチャーされがちだけれど、鍋蓋山への登山道も相当な勾配だ。吊橋の袂で十分に休憩を取って臨んだけれど、すぐに息があがる。
菊水山への道の多くが丸太階段であるのに対して、鍋蓋山への道は岩ゴツゴツの急登だ。座り込むところが多いだけに与しやすいような気がするけれど、既に菊水山でダメージを受けているだけに足取りは相変わらず重い。
鍋蓋山頂上(486m)。1年振りの登頂だけれど、その間に新しい看板が立てられている。山頂碑ではなく「鍋蓋山展望所」とある。六甲全山縦走路でも屈指の展望が楽しめるポイントであることに異議はない。
右正面に見える無線塔が立っているのが、先ほど登った菊水山。その奥には須磨アルプスから明石海峡・淡路島まで望むことができる。
無人を良いことに山頂のベンチに寝転んで空を見上げる。とてもいい風が吹いている。頭上に伸びる松の枝には数えきれないほどの松ぼっくりが見える。松ぼっくりって秋ではなかったのかぁ…?なんてことをボンヤリ考えて過ごす。
鍋蓋山から先の行程に大した登りはない。尾根道をのんびりと再度山に向けて歩いていく。右奥には摩耶山が見える。昨年は鵯越から菊水・鍋蓋を経由して摩耶山から六甲山記念碑へ、そして住吉台に下山したけれど、衰えたのか疲れたのか今日は摩耶山さえ無理だ。
六甲縦走路から少し奥まったところにある再度山がスタンプポイントになっている。邪魔くさいなぁ…と思いながら細い道を登っていく。六甲縦走をするハイカーのほとんどは、再度山には登らず素通りするはずだ。
神戸の町を見下ろすことができる再度山(470m)山頂。驚いたことにいつの間にか「日本100低山」の看板が立てられている。六甲山や摩耶山では見かけない看板だが、毎日登山の発祥だからだろうか。でも毎日登山は山頂のずっと手前の善助茶屋までのはずだ。
弘法大師ゆかりの大竜寺の横をすり抜けるように市ヶ原へ向かう。いつものことながら、ここの自動販売機で冷たい水分を補給させていただく。
今日予定していた三座を登り終え、再度谷をゆっくりと歩いていく。周囲はモミジだらけだ。秋になったら凄い景色だろうなぁ、といつもここを歩きながら同じことを思う。未だに紅葉のシーズンにここを歩いたことがない。
再度谷には気になる建造物がいくつか隠れている。このトンネルもそのひとつ。下流にある布引ダムの関連施設とも聞くし、ちょうど下を通過する新神戸トンネルの関係で作られたものとも聞く。立入禁止の札だけではなく、これが何かくらい教えてもらいたいものだ。
生田川の上流となる渓流に木橋が架けられた市ヶ原までやってきた。今日予定していた最後のスタンプポイントだ。あとは布引貯水池を経て新神戸まで下りるばかりだ。
と思って、進んで行くと、布引ダムから猿のかずら橋までの遊歩道が通行止めになっている。電柱が折損したらしい。電柱くらい、跨ぐなり潜るなりして、なんとでも通過できるんじゃないの、とも思わなくもなかったけれど、素直にハーブ園方面に迂回して下山する。
布引の滝(雄滝)。日によって周囲の緑や水量が違うので、頻繁に来ているのにどうしても寄り道してしまう。今日はかなり勢いの強い水流だ。
久しぶりに雌滝にも立ち寄ってみる。これまたかなりのスケールだけれど、雄滝に比べると優雅な雰囲気だ。土地所有の関係があるのかもし展望れないけれど、もう少し近寄ることができれば、雌滝への訪問者も増えそうに思う。
予定していた鵯越駅、菊水山、鍋蓋山、再度山、市ヶ原の5つのスタンプを無事ゲット。これでYAMASTAが設定した六甲山系スタンプラリーの前半の部、須磨〜高取山、芦屋~有馬温泉、鵯越~市ヶ原の3コースを全踏破したことになる。しんどかったぁ〜。
三宮の好日山荘に向かい、ご褒美の缶バッジを貰う。3コース制覇だからスタンプ画面をデザインした好きな缶バッジ3つを貰える。思い入れの強い、風吹岩、旗振山、菊水山の3つを頂く。来週末からは後半の部が始まる。暑くなりそうだけど全踏破したいものだ。
距離10.3㎞、獲得標高955m。所要時間は休憩込みで6時間20分。甲乙つけがたいと感じていた菊水山と鍋蓋山の勾配を見比べると、やはり菊水山(最初のピーク)が優るようだ。