六甲山系スタンプウォーク(高座滝~東お多福山〜山頂~有馬)

 2022年5月30日


六甲山系を舞台にYAMASTAが開催中のスタンプラリーに参加したものの、何かの不具合でチェックインできなくなる事態に陥っていたのだけれど、YAMASTA事務局のご尽力でめでたく復旧。今日は芦屋から有馬までの5ポイントでスタンプゲットを目指す。



芦屋ロックガーデンの入口になる高座の滝が本日最初のスタンプポイント。ところが、ゲットできたのは仮発行スタンプ。電波状態が悪いせいだと思われるけれど、何だか先が思いやられる。電波状態が回復すれば正規のスタンプに置き換わるはずなんだが…。



芦屋ロックガーデンに来るたび、勾配が厳しくなっているように感じる。今日も心拍数を一定以下に抑えながら歩こうとするのだけれど、すぐに無酸素状態に跳ね上がってしまう。休憩を入れて心拍数が落ち着くのを待つけれど、こんなにゆっくりと登っていく人は珍しい。



心拍数を落ち着けるためロックガーデンで休憩していると、小さな蝶が大量に発生していることに気付く。どうやらテングチョウと呼ばれるもののようだ。



YAMASTAが復旧したことで、喜び勇んで山に登り始めたものの、そもそも体調はあまり良くない。週末のゴルフで足腰の張りが半端ない。以前は登山の後のゴルフは難しくとも、ゴルフ後の登山は問題ないと思っていたのだけれど、最近はゴルフによる疲れがひどい。



随分と時間を掛けて風吹岩までやってきた。今日はこの辺りで終えて、保久良神社方面にでも下山しようか、とも考えたけれど、もう少し先に進んでみよう。



風吹岩からはしばらく平坦な道が続く。六甲山登山では最も歩きやすい道だ。というのに、左脚の膝裏の上あたりが攣りそうになる。右脚付け根の外側の張りも半端ない。左右それぞれの足を庇いながら歩くものだから、心拍数の心配など不要なほどにペースが落ちていく。



雨ヶ峠までやってきた。六甲山頂までのおよそ3分の2地点になる。ところが、東お多福山がスタンプポイントに指定されているため、六甲山に直登するのではなく、東お多福山から蛇谷北山を経由する迂回ルートを進むことになる。



なだらかな山容の東お多福山(696m)の頂上付近は高原のような雰囲気。高木が少なく、空が広い。緑の草原のなかを一本の道が貫いている。



東お多福山から下山するか、予定通り蛇谷北山に向かうか、頂上の草原に座り込んで長らく考え込む。アザミの向こうに見える街並みは随分とガスっている。夕方には雨が降るとの予報だけれど、どんなにゆっくり歩いても夕刻には有馬まで辿り着けるはずだ。



ゆっくりでいいので有馬まで歩こうと決断して、蛇谷北山に立ち向かうけれど、記憶していた以上に急坂が厳しい。左脚は常に攣りそうな予兆があるうえに、背中まで痛くなってきた…。



ほとんど人が通らない山道なので、たまらず急坂を背に寝転んで背筋を伸ばしてみる。寝転んで真上を見上げるとブナの葉からの木漏れ日が美しい。一度寝転ぶと再び立ち上がるのが実に億劫になる。



さらにザレた道が続く。昨年、ほぼ同じコースで蛇谷北山に登ったけれど、その時よりも遥かにしんどい。ゴルフの疲れもあるだろうけれど、この1年で間違いなく筋力も心肺能力も落ちていることを自覚しないわけにはいかない。



予定時刻を大幅にオーバーして芦屋市の最高峰、蛇谷北山(840m)に登頂。まさに満身創痍状態だけれど、ここまで来たら、とにかく六甲山の最高峰までは行くしかない。



雨ヶ峠から六甲山に直登するのではなく、東お多福山、蛇谷北山の2つのピークを登ってまた下りるのが辛い。笹に覆われた激下りで足を踏ん張ると、また足を攣りそうになる。



下った後は、再び登っり、ついに六甲山(むこやま)神社の主祭神である菊理媛命の石像が現れた。蛇谷北山の険路に苦しめられたけれど、ここでようやく一級国道に戻ってきたような安堵を感じる。この先はさほどの難路はないはずだ。



後鉢巻山には登らずトンネルでスルー。後鉢巻山への道はかなり崩落しているため、最近はトンネルを行くハイカーが大半だ。トンネルの中には芦屋・西宮の市境のサインがあるのに、トンネルの施工者は神戸市のようだ。この辺りは3市の境界が複雑に入り組んでいる。



やっと六甲山頂のアンテナが見えてきた。自衛隊のものらしい。かつて山頂は米軍に占拠されていて巨大なパラボラアンテナが立っていたそうで、山頂への立ち入りはできなかったという。



ついに六甲山最高峰(931m)。既に午後4時半で誰もいない。登山開始から6時間以上も経過している。足も腰も背中もボロボロだけれど、後は有馬まで魚屋道を下るだけだ。何とかなると思ったところに無情にも雨が降ってきた。予報よりちょっと早い…。



最初は小雨と思っていたものの、下山開始して間もなく結構な雨脚になってきた。慌ててカッパを着込むけれど、すごく蒸れるんだよなぁ…。いいカッパが欲しい。みるみるうちに道はぬかるんできた。



足を滑らさないよう、トボトボと有馬に向かって下山する。雨はますます強くなり、かつて峠の茶屋があった後に建てられた東屋に逃げ込む。雨宿りをしたところで止む雨でないことは判っているけれど、座り込まずにはいられない。



既に灯りが灯りはじめた有馬の町にやっとのことで到着。雨ヶ峠あたりで既にグロッキー状態だったのに、よくまあここまで歩いてこれたものだ。ここまで疲れた登山も久しぶりだ。神戸電鉄の駅のトイレで汗と雨でずぶ濡れの服を着替えて帰宅する。



芦屋川から有馬温泉まで13.2km。獲得標高は1365m。ポンコツハイカーには厳しいコースだとはいえ、9時間20分も掛かってしまった。短時間の休憩を繰り返し、YAMAPに記録された累積休憩時間は2時間にも及ぶ。ここまで休憩率の高い登山はあまり記憶にない。



5つのスタンプ(高座の滝、風吹岩、東お多福山、六甲山最高峰、有馬温泉)を無事ゲット。先日はチェックインできなかった栂尾山、高取山、妙法寺のスタンプも支給されたので、スタンプ帳は随分と賑やかになった。スタンプがなければここまで頑張れなかったことは間違いない。



今まであまり気にしていたかった数字なのだけれど、今日の登山でYAMAP加入以降の獲得標高が10万mを超えていた。あまり実感の沸かない数字だけれど、あらためて考えてみれば、エベレスト11回登頂にも相当する凄い数字だ。まさに「塵も積もれば…」だ。