2023年6月4日
阪急フリーハイキング4コース目。宝塚線の服部天神駅から千里線の吹田駅までの11㎞を歩くこととする。既に午後3時だけれど、日暮れ前にはゴールできるはずだ。天候や時間にあまり束縛されることがない気楽な街歩きだ。
駅前には服部天神宮。学問の神様ではなく、足の神様として知られている。大宰府に向かう途中に足の持病で動けなくなった道真公がこの地に祀られる少彦名神にお参りしたところ無事足の病は平癒したという。鳥居の前には巨大な下駄?が置かれている。
長らく元気に歩けることを祈念してお守りをいただく。これまでは登山用のリュックには長年同じく足の神様で知られる京都護国神社のお守りを付けていたけれど、この服部天神のお守りは街歩き用のリュックに付けることにしよう。
天竺川を北上。天井川として知られる川だ。河岸段丘の上に設置された道だけは高いけれど、周囲の地面はかなり低い。
服部緑地へと入っていく。松林の中にプールがあるウォーターランド。開園は7月からのようで、水も張られていないプールの底には土砂が沈殿している。でも今年の暑さなら6月に開園しても十分元が取れそうな気もする。
服部緑地内には多くの池が散在している。元々は溜め池だったものなんだろうけれど、蓮なども多く自生していて景色もいい。他の公園と違って、「釣り禁止」の看板が見あたらない。禁止なのかどうかは判らないけれど、池の周囲には多くの釣り人の姿が見られる。
「ゴミは持ち返り」を原則にして、ゴミ箱さえ設置していない公園が多いなか、ここではゴミ箱もひどく充実している。服部緑地公園は大阪府の管理なので、豊中市ではなく、大阪府のやり方なのだろうか。利用者としては有難い。
それにしても凄い人出だ。久しぶりに服部緑地にやってきたけれど、かつてはさほど人がいなかったエリアだったように思えるエリアにも、こどもの遊び場や屋台村のようなものが充実し、子供連れを中心に大賑わいだ。
公園のなかにポツンと古墳がある。もともとは高さ10mほどもある前方後円墳だったというのに、その大半は削り取られて今ではほんの僅かな痕跡が残っているだけだ。どうしてこんなことになってしまったのだろう…。
木が池に向かって伸びていったものなのか、そのように木を植えて育てたのかは判らないけれど、池畔の道の上には木の枝が覆いかぶさり、暑い日差しを遮ってくれる。とても気持ちの良い道だ。
服部緑地の東側を南北に流れる高川に沿って南下。これもまた天井川だ。北に行ったり、南に行ったり、ウォーキングルートではありがちな不合理な道順だけれど、住宅街のなかで気持ちよく歩けるルートを設定していることが判る。川沿いの松並木がいい感じだ。
伊丹空港へと離陸する飛行機が数分おきにやってくる。かなり低い高度だ。数㎞くらいは離れているように思っていた伊丹空港だけれど、もっと近いようだ。
名神高速のすぐ北にある蔵人稲荷神社。この地域の氏神様のようで、ここがこのコースのスタンプポイントだ。相変わらず、観光ポイントとはかけ離れたところがスタンプポイントに設定されている。じっくり歩かなければ見つからないトコをでいるのだろうか。
以前から気になっているダスキンミュージアムが江坂にある。1Fがミスタードーナツ、2Fがお掃除の広報施設になっている。2つの事業にシナジーがあるのかどうか疑問にも感じるけれど、ともに国内リーダーであることは、吹田市にとっても誇らしいことだろう。
ダスキンミュージアムの1Fにあるドーナツショップでは、ドーナツビュッフェなるものがある。フリードリンクでドーナツ食べ放題で1500円。元を取る自信はあるけれど、もはやドーナツを爆食いするような歳ではない。
30〜40年ほど前では、大阪で最もお洒落で先進的な街と言われた江坂だけれど、さすがにちょっと草臥れてきたかなぁ…。道にはいつの間にかウエストサイドストリートとかの名前が付けられている。カッコいいような、良くないような…。
江坂から今度は糸田川に沿って北上。天竺川や高川とともに神崎川へと流れ込む川だ。ここもまたよく整備された堤防道が続いている。
阪急豊津駅を通過。ここもまた吹田市のオリジナルマンホールがある。どうやら吹田市内のすべての駅に設置されているようだ。
片山公園。吹田市の図書館とか体育館などの文化体育施設が集中しているところだけれど、豊かな自然のなかにいくつもの遊び場や散策道も設置されている。
片山公園の北にある建物群。関西大学のキャンパスと思っていたが、ちょっと場所が違う。西の早慶を目指すと最近とても元気な大和大学のキャンパスだ。
片山公園を東に抜けるとアサヒビールの吹田工場。アサヒビール発祥の地だ。付近にはミュージアムとか迎賓館とか、アサヒビール関連の施設が多く見られる。
阪急吹田駅前にある泉殿宮。ここの湧水をドイツに調べて貰い、ビール醸造に適した水とのお墨付きを得て製造されはじめたのがアサヒビールの始まりだという。大阪万博の地鎮祭などの神事を仕切ったことでも知られる神社だ。
吹田駅へと続く地下道には、安威川・神崎川に隔てられた大阪と北摂とを繋ぐ「吹田の渡し」が描かれている。摂津名所図会という旅行者ガイドブックの複製だそうだ。橋がひどく少なかった当時、吹田の渡しは北大阪の交通の要衝だったようだ。
歩行距離11.1㎞、所要時間は3時間10分。歩行軌跡を見ると、かなり無理を感じる経路だけれど、とても気持ち良く歩ける、良くできたコースだった。