2017年8月11日(祝)
あまりの暑さのため、仕掛中の山陽電車スタンプウォークに出掛ける気にならず、比較的歩く距離の短い「大阪港ものがたりスタンプラリー」に出掛ける。大阪港が開港して150年となることを記念して、大阪交通局がを開催しているものだ。神戸でも開港150年で様々なイベントが開催されているが、いずれもハリスと締結した日米修好通商条約に基づくものだから、時期が重なるのも当然といえば当然のことだ。
スタンプポイントは、地下鉄阿波座駅付近と大阪港駅付近に各3ヶ所ずつ。両駅の駅間距離が約7kmなので、10km弱のウォーキングになりそうだ。まずは、川口居留地のジオラマが展示されている阿波座駅でひとつ目のスタンプをゲット。
続いては、 江之子島文化芸術創造センターで2つ目のスタンプ。「𦾔大阪府廰」と書かれた石碑がある。「𦾔」とは「旧」のことらしい。明治7年に大阪府庁が置かれた場所だ。
川口旧居留地でキリスト教の伝道ばかりでなく、学校や病院の設立など、重要な役割を担っていた川口基督協会。塔は阪神大震災で崩壊したものを復元している。
3つ目のスタンプポイントは中之島漁港。 そんな漁港あったっけ、と訝しく思いつつ訪問すると、全国各地からの新鮮な海産物を刺身やバーベキューで食べさせるお店だった。どういうことか、観光バスで大勢のアジアからの観光客が訪れていた。
阿波座駅の次、九条駅の近くの喫茶店で、早くもクールダウンを兼ねて昼ご飯。九条商店街の入口に、「名門九条OS」の案内看板がある。一世を風靡したストリップ劇場だが、随分以前に閉店したはずだ・・・。
続いては弁天町駅。この駅に隣接した交通博物館は、完全に撤去されてしまった。子供のころから、何度となく訪問したところだけに何とも寂しい。
街歩きは日影が多く、真夏でもまだしも歩きやすいはずだが、中央大通りのような広い道では日影の無いところが多い。見上げれば阪神高速の高架の下部には点検用の通路が延々と設置されている。あの通路を歩かせてもらえないものだろうか・・・。
朝汐橋駅前にある八幡屋公園。大阪プールと市立体育館が並んでいる。それぞれにゆるキャラがいるようで、ゆるキャラグランプリへの投票を呼び掛けている。ちょっとシンプルでアリキタリのように思えるが、今の世の中、何が受けるのかさっぱり判らない。
阪神高速の高架の下に、「犬との散歩、ご遠慮ください」との注意看板がある。犬を飼っている人には、かなり厳しいことだと思うが、どんな経緯でこんなことになっているのだろう。
暑さを凌ぐため、八幡屋商店街のアーケードを進む。商店街の中心は五差路になっていて、立派なドーム屋根がある。世の中ではシャッター通り化している商店街が増えているが、大阪市内の商店街には概して元気なところが多い。
天保山運河を渡って、いよいよ築港地区に突入する。向こうに見える赤い橋は、阪神高速の湾岸線だ。
阿波座駅を出て2時間あまりで、4つ目のスタンプポイント、築港の赤レンガ倉庫に到着。赤レンガ倉庫って、歴史遺産であるとともに、観光資源としても有益なんだけど、ここの赤レンガ倉庫は、長らく耐震の問題があるということで、未使用で放置されていたところ。最近、クラシックカー展示やレストランに使われ始めているが、何か建物の補強でもしたのだろうか。
築港地区には、目立たないけど、他にも赤レンガ倉庫がある。そればかりか、三角屋根倉庫、蒲鉾型倉庫、トタン屋根倉庫、など、古い倉庫の展示場のようになっている。
築港地区は海に突き当たり、地下鉄中央線も道路も、海底トンネルで南港に繋がっている。しかし、築港から歩いて南港に行く道がない、というのは防災面などでも大いに問題があるように思える。
築港の先端にある大阪府警の水上警察署。水上警備ならではの苦労も多いことだろう。3Fの窓には、随分たくさんの白シャツが干されている。
海上法案庁の警戒船と並んで、人魚姫像がある。初めて見た際に、コペンハーゲンの人魚姫のパクリと思ったが、コペンハーゲン港から大阪港に交流の記念に贈呈されたもので、限りなくオリジナルに近いようだ。
海遊館の海水運搬船というのが停泊している。様々な魚を飼育・展示しているが、海の水なら、どこの水でも同じ、という訳ではなさそうだ。
遊覧船サンタマリア号。夏の休日ということもあって、随分大勢の乗客が見える。海賊船をモチーフにしているようで、船上では海賊に扮した乗組員が、綱を登ったり渡ったりするパフォーマンスを繰り広げていた。
どうやら、この人がサンタマリア号の船長のようなんだけど、船からの「船長、船が出ますよ」の呼び掛けに、勝手に行け、というポーズで岸壁に座り込んでいる。この寸劇の結末が気になったが、じっと見ているのも暑いので先を急ぐ。
5つ目のスタンプポイントになっている海遊館。この暑さのなか、随分たくさんの人がチケット売り場に列をなしている。まあ、暑いから海遊館に行こう、という気になるのも理解できるが・・・。
天保山のマーケットプレイスや、大観覧車も、随分賑わっている。以前、仕事で平日にこの辺りに来ることが度々あったが、閑古鳥が鳴いていた。最近の賑わいはどんなものなんだろうか。
スタンプラリーとは関係ないが、山の日、ということで天保山に登頂。今は標高わずか4.5mだが、聞くところによると、地元には山岳会や山岳救助隊まで組織されているらしい。大阪らしいオモロイ発想だ。
大阪港駅で、最後のスタンプを押印して、スタンプラリーはコンプリート。10km弱のウォーキングだったと思うが、今日の気温では、この程度の距離にとどめておくのが無難だ。
記念品は、昔の川口や築港の絵や写真を葉書にしたもの。左下は江戸末期の天保山。かつては20mほどあったらしい。砲台建設のために土砂が削られたり、地盤が沈下したりの結果、日本を代表する低山になったそうだ。もっとも、お蔭で皆が知る名所になったともいえる。