2017年8月26日(土)
秋田出張に併せて、懇意にしている企業さんに大曲の花火大会に招待していただいた。正式な名称は全国花火競技大会というだけに、全国の一流花火師が技を競いあうだけに、日本一の花火大会との呼び声も高いイベントだ。
秋田県の山間にある小さな町に、全国各地から80万人近い観覧者が押しかけるという。何十万席もあるはずの観覧席券の抽選倍率は10倍ほどにもなるというのに、今回観覧させていただいたのはE席という、現地の商工会議所員のみに提供されているも更に特別なもののようだ。
まだ日の高い夕方16時半頃には、指定席というのに、大部分の桟敷が埋まりつつある。花火を待ちきれない、ということあろうが、花火が始まる前に腹ごしらえしておこう、という人が多いようだ。
17時30分、大会開会を告げる号砲と市長の挨拶の後、第一部「昼花火」の部が始まった。5号玉5発で昼に楽しめる花火が披露される。光だけでなく、煙をいかに見せるかがポイントになっているようだ。
徐々に夕闇が迫るなか、全国から集まった27のトップ花火師が順々に、この日のために工夫を重ねてきた昼花火を打ち上げる。
昼花火の終了後、少しの休憩を挟んだ18時50分、いよいよ第二部の夜花火が始まる。27の花火師による競技の前に、大会が提供する花火が華々しく打ち上げられる。前座からいきなり度胆を抜かれてしまう。高さ、大きさ、色、音・・・、この感動を形容する言葉が見当たらない。
とにかく凄い。スマホのカメラでは到底この凄さを伝えることができない。実際の花火の凄さに対して、スマホで撮った写真のなんとショボイことだろうか。
写真を撮ることも忘れて、次々とあがる花火に見入ってしまう。早々に食事を済ませておいて良かった。
そもそも花火が広く、そして高く上がるので、相当な広角レンズでなければ、その全体を写真に収めることは不可能だ。
上にあがるばかりでなく、下に落ちてくるようなものも多い。もっとも、火の粉が地面まで落ちてくると減点になるらしい。
これまで見てきた花火大会は、喩えるならば、映画館のスクリーンを見ているようなものであるのに対して、大曲の花火は、まるでプラネタリウムのように、前・横・頭上と自分の周囲全体が花火で囲まれるようだ。
夜空に花火があがる、という表現がよくあるが、ここの花火のキャンバスは、夜空という言葉では収まりきらないように思う。極端な言い方になるけれど、「宇宙」を感じてしまう。
スタートから約4時間、息をつく暇もなく、花火が寸断なく打ち上げられてきたが、ついにフィナーレ。赤いネオンライトを振る川向うの花火師さんたちに、観客が大喝采のエールを送る。
至高の技を披露してくれた花火師さんばかりでなく、大雨のため、会場となった雄物川の河原も水没し、昼夜兼行の復旧作業で花火大会の開催に漕ぎ着けた関係者の皆さんに深く感謝したい。ホントに凄いものを見せていただいた。