2021年3月14日
渦森台と油コブシの間にある標高376mのお気軽低山(のはず)、坊主山を目指す。YAMAPには多くの人の登山記録があるものの、山頂への道は黒の破線だし、登山口のハイキングマップにも坊主山への道は記載されていない。YAMAPの赤線以外の道を歩くのは不安だ。
渦森台から坊主山を目指すだけでは物足りない距離なので、阪急御影駅から渦森台まで登っていくことにする。駅前には桜が早くも咲いているが、いくら何でも早すぎやしないだろうか…。桜じゃないんだろうか…。花に関する知識レベルの低さには我ながら呆れてしまう。
御影の大邸宅街を抜けて北へと登っていく。阪急御影駅から渦森台までは3.5㎞の道のりだけれど、標高差は300m近くある。住宅街の舗装路とはいえ勾配は厳しい。
あまり考えることなく、バスが通る住吉川の支流沿いの道を進んできたけれど、あらためて地図を見ると、もっとストレートに渦森台に行く道があるようだ。最短コースを進めば1㎞ほどは短縮できたようだけれど、気が付くのが遅すぎる。
バス停からちょっと離れた場所なのにベンチが並んでいるところがある。坂道でもまっすぐ座れるように、左右の脚の長さを微妙に変えている。
山を切り開いた渦森台の住宅街にやってきた。入口近くには、開発工事中に銅鐸発掘の記念碑が立っている。芦屋の会下山もそうだけれど、こんな高所に弥生集落があったことが不思議だ。今とは海岸線が違ったのだろうか、あるいは水害を恐れたのだろうか。
渦森台は山の斜面にできた町。九十九折状の道がジグザグに町を貫きながら高度を上げていく。歩行者用にショートカット用の階段が設置されているのだけれど、何本もの階段を登っていくにつれ、足腰には相当な疲労が蓄積されていく。
御影駅を出発して1時間ほどもかけて渦森台の西端まで歩いて、ようやく高羽道に続くハイキング道が始まる。高羽道を一旦南下し、南から坊主山に登り、その後油コブシに出て六甲ケーブル下のあたりに下山する計画だ。
が、なんと、高羽道は道路崩落のため通行止になっているじゃぁないか。ルートの根本的な見直しが必要なんだけど、どうしよう…。
通行止を無視して進むつもりはないけれど、崩落現場までは近そうなので、ちょっと様子を見に行く。崩落とは無縁そうに見えるいい道が続く。ホントに未だ崩落しているんだろうか…。
が、しばらく進むテープとロープで道は封鎖されている。ロープを越えて崩落現場を見てみたいとも思ったけれど、自重して、元来た道を引き返す。
高羽道を北へと戻っていくと、坊主山東登山口と書かれた手のひらサイズの道標を発見。かなり古く、割れてしまっているけれど、大丈夫かなぁ…。YAMAPには破線さえも記載されていない道だ。
見たところ、悪路ではなさそうだ。危なくなったら躊躇せずに引き返そうと決めて、東登山口から坊主山を目指す。
途中、崩落しているところもあったけれど、道幅は十分に残っているし、ロープも張られているのでそのまま進む。
どうやらここが坊主山の頂上のようだ。電力の鉄塔が立っている。名前から木も生えていない禿山を想像していたけれど、植樹が進められているようだ。
山頂碑は見当たらず、マジックで「坊主山376m」と書かれたテープが木に巻き付けられているだけ。難路でもないのに登山ルートも記載されていなし、山頂碑も無いとは、ちょっと寂しい扱いだ。
元々は登ってくるはずだった南尾根道を下っていく。ここを下っていけば、崩落個所のすぐ南側の高羽道へと繋がるはずだ。神戸の街並みや港がよく見渡せる。
坊主山南側の登山道も危なげない道が続く。岩っぽいところもない。どうやらこの辺りは六甲山系には珍しく岩の露出が少なく、土が分厚く堆積しているところのようだ。
坊主山からの下山ルート(写真左前方)は高羽道(写真右前方)に無事合流。坊主山コースと高羽道との道の整備度合いの違いは一目瞭然だ。
山を下りたところに大きな変電所がある。坊主山だけでなく、下山路にもいくつか鉄塔が立っていたけれど、それらの鉄塔を経て、ここまで電気が送られているようだ。坊主山への道は、いわゆる鉄塔管理道路として設置されたものかもしれない。
昨年の夏に歩いた山麓リボンの道の道標がある坂道を下り、JR六甲道駅へと歩いていく。
高羽の横断歩道。とても大規模な横断歩道なのだけれど、不思議なことに、上部に梁のようなものが設置されている。隙間だらけで雨除けには全くならない。一体どうしてこのような構造になっているのか、ここを通るたびに不思議に思う。
六甲の不思議といえば、傾いた喫茶店。阪神大震災遺産と思っている人も多いようだけれど、震災前から傾いている。というか、元々傾けて造られているのだ。築40年だというが、逆に震災で倒壊しなかったのが不思議なほどの安定感の無さだ。
JR六甲道駅前でも白い花が満開。桜ではないことは判る。おそらくコブシかモクレンだろうけどよく判らない…。判らないまま終わってしまうのが残念だ。町のシンボルになるような木には、名札を掲げてくれたら有難いと思う人は少なくないのではないだろうか。
本日の歩行軌跡。8㎞ほどの軽いハイキング。ブラブラ歩きで所要時間は約3時間。