2021年3月15日
六甲山系のほぼ東端にある行者山から小笠峰、樫ヶ峰など、宝塚市南部の山々を縦走してみよう。住宅街の奥にある青葉台登山口からまずは行者山東観峰を目指す。行者山周辺はYAMAPに詳細が掲載されていないけれど、標識も充実していて安心して登れそうだ。
親切な標識とは裏腹に、行者山への道は思いのほか険しく感じる。勾配のせいか、暖かさのせいか、あるいは体調のせいだろうか。とにかくシンドイ。
登るにつれて岩が露出した道になってくる。先週と同じ服装なのに早くも汗が噴き出してきて暑くてたまらない。登山口からわずか10分歩いただけで小休憩。岩場に座り込んで服を1枚脱ぐ。
30分以上も掛かって、ようやく行者山東観峰(383m)に登り切った。こんな調子で大丈夫かぁ?
東観峰という名前のとおり、東側への眺望が大きく広がっている。逆瀬台や小林など、阪急今津線の駅を中心に家がビッシリと詰まっている。
続いて向かうのはすぐ正面に見える行者山。すぐソコにも見えるし、かなり遠いようにも見える。いつまで経っても山の中での遠近感に乏しいことが悩ましい。
目測で20分はかかるだろう、と思っていた行者山(415m)には10分ほどで到着。眺望は全く無い…。比較的緩やかな道を歩いて、ようやく調子が出てきた。
と思ったら行者山からの下山ルートを間違えてしまった…。明らかに六甲縦走路方面に続く登山道から外れているが、このまま突き進めば譲葉山からの下山道に出ることができそうだ。頼りないロープ(というより紐に近い)に助けられながら斜面を下っていく。
幸い無事下りてくることができたところに「不案内な道は通らないようにしましょう」の看板を発見。どこかで見たことがある。今日のコースを決めるのに参考にしたYAMAPの先輩ハイカーがこの写真もアップして行者山での道間違いを注意してくれていたことを思い出す。
岩倉山や譲葉山からは離れてしまったので立ち寄ることを諦め、そのままエデンの園方面へと下っていく。「慈癒の径」という名前が付いているようだ。昨秋もこの道を歩いたはずだけれど、こんな名札はあったかなぁ…。
行者山から一旦下山し、写真右手にある逆瀬川の源流を巡って、正面に連なる山々(写真左から小笠峰、社家郷山、樫ヶ峰)を縦走する予定だ。まだ全行程の3分の1程度しか歩いていない。自販機で水分を補給して、再出発する。
エデンの園の西から山道へと入る。逆瀬川から50mほど離れた正規ルート(YAMAPの赤線ルート)から敢えて外れて、川に沿った脇道を通って上流を目指す。川と正規ルートの間にいる限り、道迷いの心配はないだろう…。
しばらくは川のせせらぎを楽しみながら歩いたけれど、結構な険しい道になってきた。やっぱりヘナチョコハイカーにとってYAMAPの赤線ルートを外れるのは禁物だ。
逆瀬川の源流探索は諦めて正規ルートまで戻ろう。幸い大した距離でもないし、起伏もない。藪のような森を突っ切って正規ルートへ戻る。
で、正規ルートに戻ってきたんだけれど、こちらも結構危なっかしそうな道だ。風化が進んでバッドランド化しつつある。大雨でも降れば容易に崩落しそうにも見える。
山道を一旦出て、車がまったく走っていない車道(県道82号)を5分ほど歩いたところにあるガードレールの切れ目がある。どうやらここが小笠峰への登山口のようだ。標識らしきものはあるが字は完全に消えている。YAMAPが無ければ、見過ごしてしまうような登山口だ。
登山口からいきなりの荒れた急坂が続いているのが見え、気持ちが急に萎えてしまう。こんな薄暗いところで、とは思ったけれど、鬱蒼とした森に囲まれた岩に座り込んで、気力と体力を回復するために昼食休憩を取る。
昼食でリフレッシュして、小笠峰の頂上までやってきた。まるで眺望はない。どうやらこれから歩く稜線は宝塚・西宮両市の境界になるようだ。良いハイキングコースなのにロクな標識もない(あっても文字がほとんど消えている)のは、両市が牽制し合っているのかぁ?
もう少し荒れた道だと思っていたのだけれど、稜線は歩きやすく、さほどザレた道でもない。第二峰の社家郷山(489m)も無事通過。山歩きも終盤になったというのに、足取りは逆に軽くなってきた。
樫ヶ峰に近づくと、かなり眺望が開けた場所もあって気持ちがいい。写真の右に見えるのが、これから向かう樫ヶ峰、本日最初に登ったた行者山東観峰と行者山がずっと奥に見える。
樫ヶ峰(461m?)の山頂碑?。字がほとんど擦れてしまっている。辛うじて「甲山より159m高い」の文字が読み取れる。甲山と比べるのもどうかと思うけれど、そんなことより、西宮市でも宝塚市でも構わないから、読める山頂碑にしてほしいものだ。
樫ヶ峰から逆瀬台に向けて下山。驚いたことに、西宮カントリーの敷地のなかを登山道が通っているようだ。何度もプレイしたことがあるゴルフ場だけれど、ここまで敷地が広がっているとは知らなかった…。ボールなんて絶対飛んでこないほど離れている。
下り道にはバッドランド化したところも多いが、なかなかの絶景。甲山も西宮カントリーもよく見渡せる。下山後、逆瀬台の住宅街を延々と歩いて帰路につく。
標高軌跡。行者山東観峰と小笠峰への登り道がきつかった…。樫ヶ峰が一番高いと思っていたのだけれど、なんと全く存在感の無さそうな小笠峰が最高峰とは気づかなかった。
歩行軌跡。およそ9㎞、5時間かけて歩く間に、急坂で凹んだり、道を間違ったりもしたけれど、歩き終われば、道の変化や眺望も楽しめる、満足感の高いハイキングコースだった。