2021年7月16日
赤い丸型ポストが設置されて120周年ということで、川西、伊丹、尼崎の3市内の12の丸型ポストを巡るオリエンテーリングが開催されている。合わせて14の郵便局を対象にした風景印帳も発行されている。真夏のウォーキングがてら、両方ともコンプリートしてしまおう。
まず初日は尼崎市内のポストと郵便局を歩き回るべく、尼崎・西宮両市にまたがって設置されている阪神武庫川駅からスタートする。今では殆ど見ることの無い、細く薄い鉄片を組み合わせて作成されたレトロな駅名標識がある。
武庫川駅から東に5分ほど歩いたところ、大庄西町に最初の丸型ポストがある。この種のポストは1970年を最後に制作されていないそうだから、50年以上もこの地に立ち続けていると思われる。
ポストの裏にQRコードが貼付されている。このQRコードを読み取ると驚いたことに独自のサイトではなくウィクショナリーのページにリンクされ、ある文字が現れる。12のポストのQRコードにリンクされた文字をつなぎ合わせれば何かの文章ができあがるようだ。
大庄西郵便局は、風景印帳の対象になっている郵便局。失礼ながらこの程度の大きさの郵便局でさえ独自の風景印を用意していることに驚く。
まあ風景印を押してもらうためには少なくとも63円の切手が必要になるのだから、郵便局としては旨味のある商売だ。押していただいたのは丸型ポストフェスティバルのスタンプだけれど、別に近松門左衛門をデザインしたこの郵便局独自の風景印も用意されているそうだ。
阪神電車に沿って東へと進んでいくと、以前から気になっていた阪神電車の高架下で水耕栽培されているレタスが特売されていた。これから暑いなかをウォーキングだというのに4袋も買ってしまったぞ…。
尼崎の総氏神、貴布禰神社。夏越祭の茅の輪が設置されている。どうした経緯かは知らないけれど、この神社の境内には関学アメフト部が甲子園ボウルでの優勝記念の植樹やモニュメントで溢れかえっている。
武庫川駅から、尼崎センタープール前駅、出屋敷駅、と歩き、尼崎駅近くの寺町通にまでやってきた。久しぶりに法園寺の佐々成政の墓にお参りする。領国の越中から冬の北アルプスを越えて三河の家康に打倒秀吉を訴えた「さらさら越え」の事績だけで肩入れしている。
戴いた(切手代を払っているのだけれど)風景印は、最近復元された尼崎城と郵便局前にある本興寺の三重塔が描かれている。郵便局員さんが、切手に僅かにかかるように、実に慎重にスタンプを押してくれる。
阪神尼崎駅前郵便局から歩いて数分、尼崎城にやってきた。再建オープン当時は賑わっていたけれど、何だか閑古鳥が鳴いているような…。歴史的建造物や遺跡などの近くには赤い丸ポストが多く見られるように思う。
尼崎城から東に数分歩くと、尼崎市立博物館が現れる。見た通り元々学校だったところだが、その昔の尼崎城の天守閣はこの地にあったそうで、古い石垣の石なども展示されている。
市立博物館の一角に産業資料展示室があり、なんと赤い丸型ポストがあるじゃぁないか。ところが良く見ると「産業資料」としての展示物で現在使用されていないようだ。ホントに尼崎市内の丸型ポストはイベント対象の3つしかないのだろうか。
3つめの風景印がもらえる郵便局は大物川緑地の前に立つ尼崎大物郵便局。
ここの風景印にも大物主神社とともに尼崎城が描かれている。ちょっと離れた尼崎城よりも、大物崩れとか残念さんとか、この地ならではの故事を採用してほしいけれど、デザイン化が難しいのだろうか。
尼崎郵便局。尼崎市内の郵便局の頂点に立つ局だけに、建物の規模がまるで違う。
尼崎郵便局の風景印も尼崎城。スタンプの尼崎城には附櫓があるなど、近年復元されたものよりも立派なものになっている。残念なことに、天守閣のデザインは尼崎大物郵便局のもとの全く同じだ。隣にある小さな塔は、長遠寺の多宝塔とのことだ。
国道2号線を東へ東へと進んでいくと、「推進工法発祥の地」の碑が現われた。いろんな発祥の地があるものだ。昭和23年、ここで初めてガス管が道路を掘削することのない推進工法で敷設されたそうだ。
いくつもの商店街が連なる杭瀬の町にやってきた。ちょっとディープで、総じて元気な商店街なんだけれど、一番南側にある杭瀬市場だけが、ほぼシャッター商店街に化していた。