丸型ポストオリエンテーリング(伊丹市編)

 2021年7月21日


丸型ポストフェスティバル2021の2日め。先日尼崎市内の丸型ポストと風景印対象郵便局(塚口本町を除く)を制覇し、今日は伊丹市内の対象ポイントを踏破したい。



スタートは宝塚市の阪急小林駅。伊丹市の東端にある最初のポイント(丸型ポスト)に最も近い鉄道駅だ。近くまでバスも通っているのだけれど、小林からでも伊丹市まで2㎞ほどだ。大した距離でもない。(とこの時は高を括っていた)



小林駅から東へ30分ほど歩いて、ようやく武庫川が現れた。この川を越えれば伊丹市だ。わずか半時間というのに、カンカン照りのなかのウォーキングで早くもウンザリしてきた。バスで行けば良かった…。



伊丹市内に入ったものの、住所を勘違いして最初のポイントがなかなか見つからず、ウロウロさせられる。見つけたものといえば、鳴門の渦潮が描かれた南淡町(平成の大合併で今は南あわじ市になっている)のマンホール。なんでこんなものが伊丹市に埋まっているんだ?



道間違いで30分ほども無駄に歩き回った末に、ようやく伊丹市内に2つしかない赤い丸型ポストのひとつに辿り着いた。ポスト裏のQRコードを読み取り、堪らずファミリーマートに逃げ込む。冷たいものを取り込まないと体のなかの血が沸騰しそうだ。



武庫川の支流、天王神川の土手をさらに東へと進む。どうしてこうも日陰のない道ばかりが続くのか。子供たちが川の中に入って水泳をしているのが羨ましい。



昆陽池公園にやってきた。伊丹空港から離陸して間もなく眼下に見える日本列島が浮かぶ池だなんだけれど、地上からでは全く日本列島とは感じられない。正面に見えるのが紀伊半島から四国にかけての陸地のはずなんだが…。



伊丹市のマンホールといえば、この昆陽池に泳ぐ白鳥と鴨がと決まっていたんだけれど、最近登場した新しいデザインマンホールを昆陽池公園で発見。そのうちのひとつが、昆陽池の日本列島と昆虫館だ。陰が多くて、うまく撮影できなかったのが残念。



西国街道を東へと進む。千僧、大鹿など、由緒ある地名が並んでいる。もともと大きな屋敷が多かったのだろう。現代風の家に建て替わっても敷地の広さなどから、古くからの屋敷町であったことが窺える。



歩き始めて3時間(途中かなり休憩もしたが)、ようやく風景印帳の対象になっている郵便局に到着。伊丹桜ヶ丘郵便局だ。全国的にはどうなのかは知らないけれど、伊丹や尼崎ではほぼすべて郵便局に独自の風景印が用意されているようだ。



伊丹桜ヶ丘郵便局独自の風景印もあるのだけれど、今回は丸型ポストフェスティバルの期間限定の特別風景印を貰う。最低63円の切手が必要になるだけに、郵便局にとっては、おいしい商売なのかもしれないが、世の中にどれほどの風景印コレクターがいるのだろうか?



和泉式部の墓が現れた。神戸や木津川にも墓があったはずだ。紫式部からは「歌はうまいけど素行が悪い」と貶されているけれど、確かに相当乱れた恋の遍歴の持ち主だ。もっとも紫式部は清少納言や赤染衛門など同時代の女流歌人すべてに辛辣な人物評を残している。



西国街道と多田街道の交差点近くにある北伊丹郵便局では、辻の碑をデザインした風景印をゲット。この交差点は「摂津のへそ」と呼ばれたらしい。



水車小屋が復元されている多田街道を北上すると間もなく川西市。尼崎・伊丹とともに今回の丸型ポストフェスティバルの舞台になっているところだ。今日は多田街道を南へ、伊丹市内の対象郵便局・ポストを片付けてしまいたい。



水車小屋の近くで2つめの伊丹市の新デザインマンホールを発見。こちらは伊丹空港から離陸する飛行機をモチーフにしたものだ。



伊丹緑地の遊歩道を通って伊丹市の中心部に入ってきた。細い道を運行するバスの接近を知らせる珍しい信号がある。近年、尼崎や姫路などが市営バスを止めたので、兵庫県内に残る市営バスは神戸と伊丹だけになっているはずだ。(たぶん)



伊丹船原郵便局。伊丹の酒蔵がデザインされている。伊丹は清酒発祥の地と言われるが、その立役者が鴻池財閥の創始者、初代鴻池善右衛門。尼子の忠臣、山中鹿之助の孫にあたる。そのため鴻池は長州藩に一切金を貸さなかったと聞く。



今日の代表的な伊丹酒メーカーのひとつ、老松酒造。江戸幕府の官用酒であり、将軍の御膳酒であることを示す「御免酒」の文字が今も店先に掲げられている。



局員数名のコンビニよりも小さい「町の郵便局」を束ねる伊丹郵便局。市の中心部に大きなビルを構えている。



ここの風景印は昆陽寺の山門。行基が開基した伊丹を代表する古刹だ。伊丹には行基町なんていう町もあって、この地の民衆が長年行基を敬い続けてきたことが判る。



伊丹市内にある2つめの赤い丸型ポストは立派な旧大阪道の石標の前に立っている。ところで「旧大阪道」とは何なのか、石標を見ても判らない。あまり聞いたことがないけれど、旧街道なのかなぁ…。伊丹から大阪方面へ行く道、今の県道13号線みたいなものだろうか。




伊丹市の南端の稲野に向けて歩いていると、伊丹の新作マンホールの3つめを発見。伊丹の旧酒蔵のデザインだ。幸い、新作マンホールを3つとも写真に収めることができた。



阪急稲野駅前にある伊丹稲野郵便局。近くにある御願塚古墳がデザインされている。これで伊丹市の全ポイントを歩きとおした。



さらに先日の尼崎市編で取り残した塚口本町郵便局で、近松の「冥途の飛脚」のヒロイン「梅川」と、弥生時代の田能遺跡、という妙な組み合わせの風景印をゲット。JR猪名寺駅から帰路につく。これで尼崎と伊丹はコンプリート。残るは川西市のみ。



間違いなく35度を超える猛暑日に、風景印を求めて15㎞、5時間半以上のウォーキング。足は痛いし、頭はフラフラ、体はヘトヘト。間違いなく3リットルは水を飲んだはずだ。伊丹市はほとんど平地で面積も狭いと高を括っていたけれど、過酷なウォーキングだった。