六甲山(芦屋ロックガーデン~山頂~住吉道)

 2021年7月18日


天候や体調が悪い日が続き、3週間ほど山歩きとはご無沙汰だったけれど、久しぶりに六甲山へ登ってみよう。暑くなる前に登頂を果たすべく、夜明け間もない朝5時頃に自宅を出発。気温は24度、まだ薄暗さの残る芦屋川を北上し、芦屋の高座滝を目指す。



1時間ほどかけて高座滝に到着した頃には既に結構な疲れを感じる。加齢とともに日々体力が低下しているようで恐ろしい。既に多くのハイカーが六甲山頂に向かうのを見送りながら、早くも高座滝で休憩をとる。先月鷹尾山に熊が出没したため、注意看板が多数見られる。



高座滝から鷹尾山まで直線距離なら200mも無いのだから、先日のクマ出現のニュースは衝撃的だった。しかしよくみると「クマの目撃情報」とあったところが、「クマと思われる目撃情報」と書き換えられている。どういうことなんだろう…。



芦屋ロックガーデン。岩をガシガシと登っていくのだけれど、いつもよりずっと疲れる。足腰は大丈夫なんだけれど、息切れがひどい。こんなことで山頂まで登れるのだろうか…。まあ、今日は久しぶりの山歩きでリハビリと割り切ろう。超スローペースだって構わない。



朝も7時近くになると、空は明るく真夏色に晴れあがってくる。今日も暑い日になりそうだ。水は3リットル、雨具やファーストエイドなどもフル装備してきたけれど、早くもリュックの重みを辛く感じ始める。



朝の光を浴びる風吹岩。猫たちは早くも活動を開始していて、思い思いの場所を陣取っている。風吹岩のちょっとした出っ張りも猫にとっては居心地が良いところのようだ。イノシシには今日も出会えずじまい。ちょっと寂しい。



風吹岩からしばらくは比較的平坦な道が続くが、連日の雨のせいか、水が溜まり泥濘状態になっている。



普段なら風吹岩からの緩斜面で体力を回復できるのだけれど、今日は容易に体力が回復されない。息がすぐ切れてしまい、歩くペースは落ちる一方だ。何十人ものハイカーに追い越されていく。



雨ヶ峠で早くも4回目の座り込んでの大休憩。今日は登頂は諦めて下山しよう、と思い始めるけれど、続々と登ってくるハイカーに逆行して下山するのも鬱陶しい。15分ほどの休憩の後、意を決して再び山頂に向かってノロノロと歩き始める。



ちょっとした渡渉でさえ厄介に感じる。しんどい…。まさか熱中症? あるいはシャリバテ(エネルギー切れ)? 再び座り込んで水を飲んで、おにぎりをパクつくものの一向に体力は回復しない。



急な階段が続く七曲りでは、さらにバテバテ。ちょっと休憩できそうなところを見つける度に座り込むという各駅停車状態。



間もなく一軒茶屋、というところで、崩落により迂回を余儀なくされる。本来なら平坦な僅かな距離なのに、崩落個所を高巻きに迂回する急な階段を攀じ登っていかなければならない。



休憩ばかり取って、とんでもないスローペースだったけれど、やっとのことで一軒茶屋まで辿り着いた。芦屋を出発してからなんと5時間も掛かっている。さほどの暑さとも思えない。寝不足で体調もあまり良くなかったというだけでは説明がつかない…。



六甲山頂からの大阪湾方面の眺望。晴れるとの予報だったけれど、気分と同じように空もどんよりとしている。



雨雲レーダーを確かめると、四国を中心に広範囲に雨雲が広がっていて、高知県あたりでは相当な豪雨になっているようだ。さっさと下山した方が良さそうだけれど、まずは休憩が必要だ…。



六甲山頂には大勢のハイカーがいたけれど、今日は皆さん行儀の良い方ばかり。記念写真を撮ると山頂碑からすぐに離れたところに移動する。いつもは山頂碑の傍から動かないどころか、座り込む人も多いんだけれど。



あまり知られていないことだけれど、六甲山には山頂碑が2か所ある。山頂が米軍に接収(空軍レーダーがあるせいだろう)されていた頃、100mほど離れたところに別の山頂碑が立てられている。少し低いけれど、こちらの方が立派な山頂碑で景色も良く人も少ない。



旧山頂碑で長い長い休憩を取り体力の回復を図った後、下山に取り掛かる。まだ万全とはいえないけれど、まだ山頂付近では満開状態の紫陽花を楽しむだけの余裕は出てきた。



登ってきた道を芦屋川に向けて急な階段を下っていく。登ってきたときには、息切れと倦怠感に苦しんだけれど、さすがに下りは楽ちんだ。幸い、足腰に蓄積された疲労は大したものではないようだ。



しかし未だ11時を少し過ぎたばかり。頂上を目指して続々と登ってくるハイカーのために道の脇でたびたび待機しなければならない。



住吉道の分岐まで下りてきた。ここから芦屋川まで5.3km、住吉・御影までも5.3kmとある。混み合う芦屋川に下山するより、住吉道へ向かう方が自分のペースでのんびり歩けそうだ。幸い早朝に出発したため時間はたっぷりとある。



住吉道って、こんなに狭かったっけ…。夏草のせいで道が消えかけている。でも、ほとんど期待していたとおり、ほとんど誰にも会うことなく、ゆっくりと下山していく。



住吉川まで下りてきた。随分と水量が多い。西おたふく山に向かうには、この辺りで渡渉が必要なのだけれど、今日の水量では渡渉はちょっと厄介そうだ。



なんて考えて歩いていたら、急に雨が降り出してきた。なんとゲリラ豪雨の中心にいるではないか…。雷鳴も聞こえる。慌てて雨具を着こむが、暑いし蒸れる。防水・透湿レベルの高い高価な雨具のはずなんだけれど、着ていられるものではない。



散々雨に降られた後は、厳しい日射しと湿気に襲われて、完全にボロボロ状態。五助ダムのベンチに長々と座り込む。元気いっぱいのボーイスカウト?の集団が心配そうにこちらを見ながら通り過ぎていく。



ヨレヨレになりながら、バス停のある住吉台まで辿り着く。住吉まで下山するつもりだったけれど、もう歩くのはイヤだ…。歩行距離14.1㎞、累積標高1280m。こんなに疲れるとは…。リベンジしたいけれど、しばらくは山に出掛けるのは止めた方が良さそうだ。