2021年9月19日
阪急宝塚線の北側は住宅開発が進んだエリアだけれど、まだまだ多くの自然が残されている。今日は中山連山の東側に連なる、釣鐘山、石切山、愛宕山、大平山の4つの低山を縦走してみたい。
阪急川西能勢口駅を出発したのは13時15分。いつものことながら出発が遅い…。まあ5時間程度で歩き切ることができるはずだから暗くなるまでに能勢電多田駅には辿りつくだろう(と甘く考えていた)。先日巡ったばかりの丸ポスト2つに再会しながら北へと向かう。
山の中腹にまで広がる住宅街を進む。ピアノを練習する音色が流れてくる。軽やかなメロディに励まされるように坂道を登っていく。
釣鐘山の登り口にやってきた。緑のなかを貫く長い長い石段が続く。感謝坂なんて名がついているけれど、急坂を登りながら感謝の気持ちを持つような悟りの境地にはとても達することはできない。こんな坂イヤじゃぁ、と途中で腰を下ろしてしまう…。
ついに入手した大人気の虫よけグッズ「おにやんま君」を帽子に取り付ける。まるで戦国武将の兜の前立てのようだ。釣りグッズメーカーの商品だ。魚も疑似餌に食いつくのだから、スズメバチも捕食するというオニヤンマに虫が近寄らないというのも有り得そうだ。
序盤早々の長い石段でペースダウンしたためか、標準タイムを大幅にオーバーして釣鐘山(205m)の山頂に到着。付近には供養塔や石仏が多く見られたけれど、山頂にはテレビ局のアンテナが立つだけだけれど、涼しい風が吹き抜けるのが有難い。
鉢伏山を下り、次なるターゲット石切山へと向かう。林の隙間から石切山の山頂部が見える。大した山ではなさそうだ。
と思ったけれど、やはりそこそこの急坂を登り返さねばならない。山名のとおり露出した岩石が多い。
石切山(283m)の山頂に到着。毎日のようにこの山に登ってこられる団体があるのだろう。時計やベンチなどの設備が揃えられている。
山頂からは大阪平野から生駒・金剛の山々まで広く見渡すことができる。とても気持ちのいい山頂だ。標準タイム+アルファで歩かないと日没までにゴールできないとは判っていながら、ついつい長居してしまう。
愛宕原ゴルフCを大きく南に迂回して愛宕山に向かう。幸い歩きやすい道だ。このままでは日没に間に合わない。満願寺から山本駅に向かう方が間違いないのだけれど予定通り進む。日没までに大平山を下山さえすれば、多田駅までは舗装道だから照明くらいはあるはずだ。
ゴルフ場の脇を歩くと思っていたのが、なんとゴルフ場のなかを歩けるように開放していただいている。ティーショットを待つゴルファーからの訝し気な視線を気にしながら、カート道をテクテクと北上する。
が、ゴルフ場を出ると、打って変わって藪漕ぎの道、そして両側が切り立った薄暗い谷道を進んで行くことになる。おにやんま君のお陰なのだろうか、このような道なのに、蜂には出会わないし、蚊もあまり寄ってこないような気がする。
愛宕山への分岐点。愛宕山山頂までの往復に30分はかかりそう。それでも予定通り歩ければ日没の18時頃に大平山を下山できるはず。全く時間の余裕は無いけれど、ここまで来たなら登るしかない。
ちょっと迷ったところもあったけれど、あまり登る人もいなさそうな山なので心配だったけれど、愛宕山への道はそんなに悪くはない。
愛宕山(335m)の山頂。石段などが残り、かつては祠でもあったと思われるけれど、今は石が積まれているだけ。最近建てられたような一対の灯篭も、右と左がちょっと違う。
愛宕山を下山して、再び北へ向かう。急いでいるのだけれど、石がゴロゴロした道には水が流れ、しかも藪漕ぎ状態。難儀なことだ。
自動車道に出てきた。左に向かえば遠回りだけれど自動車も通れる道を経て無難に多田に行くことができる。右に進めば距離は多少短いけれど大平山を経由する山道コース。現在17時、日没まであと1時間だけれど、大平山に登る道を選ぶ。
YAMAPでは破線ルートになっているけれど、ところどころに赤いテープもあり、道はしっかりしている。斜度もさほどのことはなく、問題は時間だけだ。急げ、急げ。
標高299mの三角点にやってきた。大平山よりも高いのに山名が与えられていないのはどうしてだろうか。地元の山仲間が吊り下げてくれている案内板が心強い。
大平山(257m)の山頂。急いだつもりだけれど、全然標準タイムより遅い。既に17:50。多田駅に向かうには西に向かうのが早いはずだけれど山道を40分は歩かなければならない。北に向かえば1km以上は遠回りだけれど20分で下山できそうだ。北に向かうしかなかろう。
急坂で藪の多い下山道だけれど、どんどん下りていく。幸い18:10、まだ周囲は明るいうちに自動販売機もある舗装道まで下山してくることができた。けやき坂という住宅街のはずれのようだ。
が、山間だけに、あっという間に周囲は暗闇になる。自動車も通る道なのだけれど街灯なんて無い。ヘッドライトを付けていないと何も見えない。周囲は渓流の音と秋の虫の音ばかりだ。暗闇のなかをトボトボ歩いているので、時折通り過ぎる自動車を驚かせたに違いない。
暗闇のなかを20分ほど歩いて、ようやく街灯のあるところに出てきた。バス停もあったけど待ち時間は30分以上。結局そのまま多田駅まで歩く。多田神社はクサリで施錠されていたけれど、美しくライトアップされていた。能勢電多田駅到着は、まさかの19:15。
距離12.2㎞、獲得標高が677m。杜撰な計画でナイトウォークになってしまったけれど、それにしても歩くのが遅い…。自分としては結構しっかり歩いたつもりなのに、予定の5時間を1時間もオーバーしてしまった…。調子が戻らない…。