三国ヶ嶽&三国ヶ岳(三田市)

 2022年3月5日


三田市北端にある「三国ヶ岳」はハイカーに人気の山だけれど、その3㎞ほど南東に「三国ヶ嶽」という同音異字の山があることを知る。しかも知名度に劣る「三国ヶ嶽」が三田市の最高峰だという。三国ヶ嶽と三国ヶ岳を併せて制覇すべく、花の寺として有名な永沢寺をスタートする。



舗装道を歩いてまずは三国ヶ嶽の登山口を探す。マップに記されているのはか細い破線。登る人も少ない心細そうな道に感じる。道の左側にどこかに現れるはずの登山口を見逃すまいと注意深く歩いていく。



何の案内板もない登山口から入山するものの、かなり荒れた道だ。ピンクリボンとGPSで確かめながらなので、大きく間違っているとは思えないけれど、大丈夫かぁ…。



が、しばらく進むと、狭いながらも以外に歩きやすい尾根道が続く。枯れた木が道に倒れこんでいるようなところもあるけれど、思っていたような心細い道ではなさそうだ。ひょっとして雪が積もっているかも、と思ってチェーンアイゼンも持ってきたけれど無用のようだ。



リボンも多い。勾配も緩やかなので、頂上に至る道はいくつかあるのかもしれないけれど、少々異なる方向にそれぞれリボンがあったりする。まあどちらでも行けるのだろうと気楽に進んで行く。



思っていたよりもあっけなく、三田市最高峰の三国ヶ嶽(697m)に登頂。



頂上部の木は伐採されていて、小さな広場状態になっている。少なくとも三方向に下山する道が確認できたけれど、無難に登ってきた道を下りることにする。



路上には落葉や枯木も多いけれど、鹿の糞も目立つ。かなりの頭数の鹿がこの山中に棲息しているようだ。



一旦永沢寺に戻り、続いては三国ヶ岳に向かう。しばらくは再び舗装道歩きだ。なんだか山歩きというよりも静かな里歩きといった感じだ。



どうやら三田市が設定してるウォーキングコースに沿って歩いているようだ。川沿いの静かな林道だ。可愛い動物のイラストにキロ表示が書かれた看板がところどころに見られる。



目の前に三国ヶ岳が見えてきた。とても優雅な円錐形をしているけれど、特に山頂部の登りは結構キツイと聞いている。



西からの登山道がメインだけれど、近道になりそうな南側の斜面から登っていく。そのうちにメインの登山道に合流するはずだ。



メインの登山道に出ると、近畿自然歩道の標識がある。兵庫県内だけでも合計すれば何百㎞のルートが設定いて、ちょっと計画的に歩いてみようかとも思たりするのだけれど、あまり判りやすい地図やガイドブックが見当たらない。



案内標識の文字は三国ヶ「岳」だ。「岳」も「嶽」も同じ意味のはずだ。地元の人は三国ヶ嶽と三国ヶ岳が至近にあってややこしくないのだろうか。



母子(もうし)地区は茶の栽培で有名なところ。山の中腹あたりまで広がる茶畑の向こうに目指す三国ヶ岳の山頂が望める。付近の畑は鹿除けネットで囲まれているのに、茶畑の周囲には見当たらない。鹿にとって茶葉は御馳走ではないようだ。



序盤はさほどの急坂とは思わなかったけれど、頂上に近づくにつれて徐々に勾配がキツくなってきた。



頂上手前では更に厳しい坂になってきて息があがってきた。標高では三国ヶ嶽に劣後するはずなんだけれど、とてもそうは思えない。三国ヶ嶽よりも100m以上は高いように感じる。



急坂を登り切って、三国ヶ岳(648m)の山頂にやってきた。三国ヶ嶽とは違って明るく眺望も開けているし、案内板なども充実している。



目の前に見える山は三国ヶ嶽。確かに三国ヶ嶽の方が高そうだ。Wikipediaでは三田市の最高峰は峰山と紹介されているのだけれど、実際に登っても峰山という表記はどこにも見当たらなかった。



落葉が積もって滑りやすい急坂を慎重に下っていく。そこそこ標高がある永沢寺からなので大した山登りとは思っていなかったけれど、そこそこ足腰は付かれている。



三国ヶ岳の下山口からは、再び舗装道で永沢寺に戻る。



永沢寺の正面にある勅使門。よほど偉い人が来ない限り開くことはないのだろう。勅使門の前には「摂丹境」と書かれた石柱がある。三国ヶ岳・三国ヶ嶽の三国とは摂津と丹波、あとは播磨としか考えられない。播磨の国境までは10㎞くらいは離れていると思うけど…。



今日の歩行軌跡。距離11.1km、獲得標高630m、所要時間は3時間50分。三国ヶ岳の山頂マークが緑色なのに対して、登山道がない三国ヶ嶽の山頂マークはグレイになっている。



標高軌跡。ひとつめのピークが三国ヶ嶽、ふたつめが三国ヶ岳。まったく山の形が違う。どちらの山も三田の山らしからぬ岩場のない山だった。