六甲山系スタンプウォーク(須磨~妙法寺)

 2022年5月11日


雨が続くなかでの貴重な晴れ間に、六甲山全山縦走路の西の起点、須磨浦公園駅にやってきた。既に13時半だけれど、東に向けて歩けるところまで歩いていきたい。



スマートフォンアプリYAMASTAが、六甲山系29ヶ所をスタンプポイントにした6コースのスタンプラリーを開催している。六甲山系をホームにしているハイカー&スタンプラリーストとして見過ごすことはできない。先着で貰える記念缶バッジを是非ゲットしたいものだ。


今日は六甲全山縦走路の西側に設定された六甲山満喫コース①に挑戦。須磨浦公園駅から旗振山に向かうが、この階段がいきなりキツイ。なんとかロープウェイの鉢伏山上駅までは休憩なしで歩こうとゆっくり進んでいくけれど、やはり今日も途中で腰を下ろしてしまう。



鉢伏山(244m)のロープウェイ駅まで登ってくると、須磨海岸の砂浜が広がる絶景が待っている。午前中は雨模様だったというのに、見事なまでに晴れ渡っている。ところが明日はまた雨だという。



この辺りにいくつかある立派な石標は要注意だ。「右:鉢伏山頂、左:下山道」、これはいい。問題は「正面:鉢伏山・鉄拐山」だ。右と左は、石標に向かって右・左だというのに、正面とは写真の手前側なのだ。石標の奥に続く道を進むと真逆に歩いてしまうことになる。



明石海峡大橋の眺望が広がる旗振山(252m)。米相場の旗振り通信地点として知られるところだ。当時、大阪・岡山間の所用時間が僅か15分。その間に10を超える旗振り地点があったと言われる。実に興味深く、最近ようやく入手できた旗振り山の本を読み進めている。



須磨浦公園からの急坂と異なり、旗振山から鉄拐山への道はなだらかな稜線。とても気持ちよく歩いて行ける。ところが10分ほど歩いて、旗振山山頂でスタンプをゲットすることを忘れたことに気付いた。何たる失態か…。



再び旗振山に戻り、スタンプをゲット。GPSの位置情報でスタンプゲットできる仕組みだ。まさに旗振り通信の絵柄のスタンプなのが嬉しい。



鉄拐山(237m)を越えた階段の下にある「勢揃松」の標識。源義経が福原攻撃の際に馬を勢揃いさせたところと伝わる。NHK大河の影響で案内板ができるのでは?と思っていたんだけれど…。付近に松などないのに、何が勢揃松なんだろう?と首を傾げる人は多いはずだ。



高倉山(200m)から激坂階段を下り、正面の栂尾山に登る。もともと高倉山と栂尾山の間も山だったのが、住宅街建設のため山は大きく削られたという。削られた山の土はポートアイランドの埋立に使われた。かつて神戸市が得意にしていた一石二鳥の都市開発手法だ。



高倉台の住宅街の緑地に「猫トイレ」なるものが設置されている。言うなれば猫の公衆トイレで、初めてお目にかかった。



高倉台から栂尾山に向けて、激階段を登っていく。この階段がムチャクチャしんどい。かといって旧道(文太郎道)を行くのもキツイ…。結局、通称400階段を繰り返しベンチに座り込み息を整えながら登っていく。



階段の脇には、鮮やかな黄色い花が多く見られる。が、これって「オオキンケイギク」ではなかろうか。だとすれば、特に生態系に悪影響を及ぼす外来種として駆除が進められているはずだ。見た目はすごく可愛いんだけれどねぇ…。



階段を登りながら、後方を振り返る。歩いてきた山並みがよく見通せる。中央左のアンテナが立つ山が旗振山だ。



これまで気づかなかったけれど、階段の最上部には階段の段数を示すと思われる数字が並んだ標札が掲げられている。よく400階段と呼ばれているけれど、この標札によれば実際には348段のようだ。



小さな展望台が設置されている栂尾山(273m)。個人的には長い六甲全山縦走路のなかで、須磨浦公園からの階段と、高倉台からの階段が2大苦痛ポイントだ。さすがに息があがり、ベンチに座り込む。



ここが2番目のスタンプポイントになっているはずなのに、何度試しても「チェックイン指定場所ではありません」とつれなく拒否される。なんということだ。諦めきれず、他のハイカーとのお喋りをしながら何十分も粘るものの、結局スタンプは獲得できなかった…。



今日の山歩きの主目的の達成が成らず、完全に意気消沈…。このまま下山しようかとも思ったけれど、ここまで来たのだから馬の背には寄っていこう。徐々に岩岩しさを増す道を西へと進んで行く。




馬の背の手前にある横尾山(312m)。なんとここではすんなりスタンプがゲットできた。先ほどの栂尾山はどうしてダメだったんだろう…。もう一度栂尾山に戻ろうか、とさえ思ったけれど、結局そのまま馬の背へと向かう。



馬の背。いつ見ても標高200mほどとはいえ凄い景色だ。初めて来たときは、こんなトコ歩けるのか?とかなりビビったことを思い出す。



実に珍しいことに馬の背に誰もいない。なかなか人の姿が映りこまない写真を撮ることが難しいところだけに、色々と写真を撮りながら岩場を進んで行く。



名勝馬の背の標柱。人気の記念写真スポットだけに、人がいない写真を撮るのはなかなか難しいところなのだ。



紅山などの岩場はすごく怖いのに、馬の背は全然平気だ。ここだって一歩踏み間違うと大事故必至なんだけれど、どうしてだろうか。自分でも怖く感じるところと感じないところの境目がよく判らない。



東山(253m)の山頂から急坂を下っていく。正面に見えるのは高取山だ。ホントは高取山まで行きたかったのだけれど、栂尾山でのトラブルなどのせいで時間的に余裕がなくなってしまった。



距離6.8㎞、獲得標高620m。所要時間は4時間半とはいえ、1時間半も休憩したことになっている。5スタンプゲットのつもりだったのが、結果は2つどまり。栂尾山に再チャレンジするかどうか、悩ましい…。