芦屋霊園~ごろごろ岳【六甲山系】

 2024年1月4日


芦屋神社に遅ればせながらの初詣。そのついでに、ごろごろ岳に登り初めだ。3ヶ日には芦屋市内では最も賑わう芦屋神社だけれど、さすがに新年も4日となると、かなり落ち着いた参拝ができる。



ごろごろ岳にはもう何度も登っているのだけれど、未だ踏破していないルートで登ってみよう。芦屋霊園の奥に登山口があるようで、芦屋市のハイキングマップにも記載があるものの、霊園を通過することにこれまで躊躇してきた道だ。



山を背にした高台にあって、芦屋の町や海を見渡すことができる霊園は思ったよりも随分と広く、登山口を見つけるまでにひどく手間取ってしまった。写真中央にある獣除けの鉄柵ゲートが登山口。案内標識も何も無いので、なかなか気付きにくい。



霊園を出ると、いきなり4本ほどの細い丸太を簡単に繋ぎ合わせた、いかにも頼りなさげな橋が現れる。大して深くはないとはいえ谷に下りるのは面倒そうなので、橋に取りつくけれど大きく軋む。ホントにこの道を行くの?と覚悟を試されているような気さえさせられる。



ところが橋を過ぎると意外にも歩きやすそうな道が現れる。YAMAPには点線でさえ記載されていない道なので、不安に思っていたけれど、そこそこ踏み跡もあって、これなら安心して登っていけそうだ。



が、しばらく進むと道が非常に不明瞭で厳しいものになってきた。市街地に近い低山だけに枝道が多く、進むべき道が悩ましい。YAMAPにも道の表示はないけれど、GPSで現在位置をしばしば確認し、柿谷道の方向に進んでいることを確認しながら急坂を攀じ登っていく。



厄介なことに小雨が降り始めた。幸い気温もさほど低くなく、雨具を着込むほどの雨ではないけれど、急坂が続くこともあって、気分的には随分と滅入ってくる。



幸い道は間違っていなかったようで、柿谷道男坂(芦屋市はこんな山道に、前山遊歩道などというお気楽な名前を付けている)との合流点に案内標識が現れた。芦屋市らしい随分と立派な標識だけれど、霊園の入口と、急坂の登り口にも標識が要るのではないか?



柿谷道男坂まで出てくれば、あとは迷うこともない、知った道だけれど、断続的に降る小雨が厄介だ。ただでも岩だらけの尾根道なので、雨宿りすることもできないし、スマホの電波状態が悪く雨雲レーダーの動きも把握できない。



疲れたこともあって、ちょっと雨を凌げるようなところで座り込んで休憩を取ることを重ねるけれど、止んだと思って歩き始めると、途端に雨が再び降り始める。徐々に無視できない雨になってきたけれど、ここまで来たからにはは登り初めを果たしたいものだ。



しかし雨が止むと空は美しい青空。天気雨、あるいは狐の嫁入りと呼ばれるもののようだ。最近知ったことだけど、地域によっては狐の嫁入りとは、夜間に見える謎の怪火のことを呼ぶらしい。



大阪城築城の際に、この辺りから石垣用の大岩が大量に切り出されたらしい。今も鑿痕が残る大岩がアチコチに見ることができる。これ以上要らない、ということで途中で切り出すのが中止されたものなんだろう。何だか気の毒な岩だ。



柿谷道の男坂と女坂の合流点にある鉄塔。岩だらけでゴツゴツした尾根道の男坂、鬱蒼とした谷道の女坂、直線距離にすれば100mほどしか離れていない2つの道だけれど、全く様相が異なる。



YAMAPの歩行軌跡が直線状になっていて、男坂を歩いたのか女坂を歩いたのかさえ判らない。スマホが何か他の仕事に忙しく、YAMAPの画面を見たときにだけ現在位置を確認して前回位置との間に線を引くようだ。他に大した仕事などしていないはずなんだけど…。



ごろごろ岳(565m)。ホーム、と呼べるほどではないけれど、YAMAPを始めて以来では、最も数多く登頂している山だ。それにしても、以前は軽い山登りだったはずが、最近では随分としんどく感じるようになった。



スマホを再起動して、苦楽園尾根で下山する。こちらも岩だらけの面倒な道だ。やはり以前はさほど苦にしなかった道だけれど、岩の上り下りで随分と体力が削られるようになった。



どこまでも岩だらけの道を進んでいく。以前は岩から岩へとジャンプしたり、岩の上から飛び降りたり、もっと身軽に歩いていたように思うのだけれど、今では山登りで「飛ぶ」ということは極力避けている。足首を痛めたら、それでお終いだ。



六麓荘へと下山する案内表示。これが芦屋市の最後の案内表示になる。この先、苦楽園に向けては西宮市になるのだけれど、西宮市はこの道に全く標識を掲げていない。縦割り行政の典型的な悪弊だ。同じ道なんだから、協調して標識を立てればいいのに…。



苦楽園尾根名物?の岩の溝。溝の幅は狭く、ガニ股には、ひどく歩きにくい道なのだ。



苦楽園に下山。舗装道路は未だ乾いていない。日没まで未だ時間があり、体力も残っているので、バスを待つより阪急苦楽園駅まで歩くことにする。土地勘があるはずなのに、とんでもない道間違いを繰り返して、ひどい遠回りをしてしまった。



距離8.8㎞、獲得標高580m、所要時間5時間。スマホの調子は悪いし、雨には祟られるし、下山してからは道間違いしてしまうし、小さいとはいえ、トラブルばかり。今年も思いやられる。