2024年3月10日
登山道へと向かう道には「自然巡回路」の標識がある。交野で良く見かける標識で、きっと楽しいハイキング(サイクリング)コースが設定されていると思うのだけれど、どこを探してもコースの全貌が判らない。
龍王山へと登る道には「かいがけの道」との名前が付いている。いかにも歴史のありそうな名前だけれど、意味が良く判らない。織田軍に対抗する武将が駆け巡ったなど、ピンと来ない説明があるばかり。貝掛あるいは峡崖と書くようだけれど、貝掛の意味も分からない。
交野市の山には、延々と消防用水が張り巡らされている。ここまで徹底しているのは他では見たことがない。かつて大きな山火事でもあったのだろうか。
晴天の週末とあって、多くのハイカーが登っているのでは、と想像していたけれど、意外にも人の姿は少ない。山頂に向かうにつれて徐々に急になっていく坂道をマイペースで登っていく。
河内磐船駅から歩き始めてちょうど1時間で龍王山(321m)の山頂に到着。磐座に祠が鎮座している。眺望は無い。静かに祈りを捧げるところなのだろうか。
龍王山から旗振山へと向かうが、一旦ズルズルと滑る道を激下り。苦手なんだよなぁ…。登る方がよほど気楽だ。
昨年雪彦山での岩場登りの際、岩の溝に靴が嵌り込んでしまい、大慌てしたことがあったけど、またやってしまった。今度は根っこに挟まれてしまった。平地なので動揺もなく、写真を撮る余裕もあったけど、抜け出すのに随分と手間取ってしまった。
か細い竹林の中の道を進む。今見返せばとても気持ちのよさげな道に見えるけど、かなり狭くてちょっと不気味にさえ思える道だった。
旗振山(344m)。かつて堂島と各地の間での米相場情報を中継したところだ。原始的な方法のようだけど時速720㎞と、戦国時代の武田家の烽火をも上回る速度だったという。理屈は簡単とはいえ最初に試した人はスゴイ。あるいは金儲けへの執着がスゴイというべきか。
今では雑木に阻まれて堂島方面はよく見通せない。調べてみると堂島までの直線距離は22㎞ほどもある。途中にどこか更に中継点があったのかもしれないけれど、それっぽい山は無い。
旗振山から交野山(こうのさん)への道はYAMAPに表示されていないけど、誰かが小さな標識やマークを付けてくれている。もっともどこかで誤ったのか、道は不明瞭だし、荒れてるし、急坂だし、YAMAPの道外れアラームは鳴りっぱなしだし、ちょっと緊張させられる。
交野山(311m)に到着。観音岩と呼ばれる巨石が山頂にそびえている。古くから信仰の山だったようで、祠や鳥居があり、岩には梵字が刻まれている。
交野山を下り、「いきものふれあいの里」に下ってきた。動物や植物との触れあいを目的にした広大な公園だ。野鳥や昆虫の展示館や、バードウォッチング用の観察小屋もある。車で直接来れることもあって、この辺りは随分と人の数が多い。
いきものふれあいの里の中心にある白旗池。ここまで地味にアップダウンのある道ばかりで思いのほか疲れが溜まってきたけれど、この辺りで久しぶりに平坦な道を歩く。とはいえ標高は未だ250mほどある。
ゴルフ場の中を進む。「ボールに注意して、フェンス側を速やかに通り抜けろ」との警告があるけれど、かなりムリな要求だ。そもそもどこからボールが飛んでくるのか、コースのレイアウトも判らず、さっぱり想像がつかない。
登ったところで何もない、ことは重々承知しているけど、名前だけに惹かれて、急坂をも厭わずサンドイッチ山に寄り道することとする。
サンドイッチ山(313m)の小さな山頂に到着。可愛い山頂標がぶら下げられている。サン(ド)イッチ・サンのはずだけれど、最近では1が3に挟まれているからサンドイッチと考えている人の方が多いようだ。百の位と一の位が同じというのは珍しくないのだが…。
ここはアンテナ山(300m)。が、アンテナっぽいものは見当たらない。FMひらかたの通信設備がどこかにあるはずなんだけど…。
YAMAPを始めて登山は随分と安全なものになったと思うけど、その一方でピークに拘るという悪癖が身についてしまった。またまた急坂を攀じ登って新サンドイッチ山という、おそらく名前だけで、眺望も歴史も無さそうな山のピークを目指してしまう。
新サンドイッチ山。ええっ、標高は281mだと〜。ちっともサンドイッチじゃない。何だか吊り広告に騙されたような気分だけれど、これでも1座ゲットには変わりない。
国見山。枚方市の主峰とも言える山だ。かつては津田城という山城があったところらしいが、急坂の上から麓を見渡す眺望は見張りにも防衛にもうってつけの場所だ。
国見山からズルズルと滑る坂を下り、JR津田駅へと向かう。軽い山歩きだと考えてやってきたけれど、予想以上に疲れ、後半はかなりダレた歩き方になってしまった。
たっぷり10㎞以上は歩いただろうと思ったけれど、実測値は9.4㎞。獲得標高は624m、所用時間は4時間54分。日射しがあるところは暑く、無いところは寒く、アウターを着たり脱いだりを繰り返した山行だった。