2016年11月3日(祝) ①
今月1日から堺で始まった「文豪ストレイドッグス×与謝野晶子記念館スタンプラリー」に早速出かける。雑誌で人気のアニメなんだそうで、この秋からはテレビ化もされているそうだ。それにしても、明治~大正の文豪を主題にするとは、最近の漫画は幅が広い。(と、漫画の実態を知るまでは、訳もわからず感心していた)
南海堺駅にやってきた。青空が澄み渡っている。関東ではひどく寒い日が続いているようだが、関西では、せっせと歩けば少し汗ばむくらいの陽気に思える。
堺市内を東西に貫く大小路通。最古の国道と言われる竹内街道の始点となっている。また、大小路通は摂津国と和泉国の境。ここから数百m西の土居川から先は河内国なので、この辺りはまさに堺(三国の境)中の堺ともいうところだ。
山之口商店街。戦前は心斎橋商店街に匹敵する賑やかな繁華街だったそうだが、堺の中心が移動して、今は見る影も無い。随所にあるフラグには与謝野晶子の短歌。かつて堺の高校に通っていたせいもあって、石津川、浜寺、殿馬場など、堺のローカルな地名が詠み込まれているのが興味深い。
それでも、少しずつ、堺の名産品を扱う店や、洒落た雑貨の店などができているようだ。長い歴史に裏打ちされて観光資源はには事欠かなかった堺だが、かつては観光にはまるで無頓着だったが、近年、重ねた努力が少しずつ実を結びつつあるように感じる。
開口神社。堺では「大寺さん」として親しまれている。この境内にかつて与謝野晶子が通った堺女学校(現泉陽高校)があった。立派な碑が本殿の横に建てられている。
ややこしいことに、この開口神社には、堺女に先んじて、大阪府立二中(堺中)、現在の三国丘高校が発祥した地でもあるんだけど、与謝野晶子パワーのせいか、堺女発祥の碑の方が、いい場所を占拠している。
この開口神社もスタンプポイントになっているのだけど、若い女性がワンサカとスタンプ台紙をもって並んでいる。漫画のことをまるで知らないオジサンが列に並ぶのは、少々恥ずかしいやら、申し訳ないやら、である。
山之口商店街の2つの店舗も、スタンプポイントになっている。スタンプは、漫画のなかでは、どう扱われているのかは知らないが、与謝野晶子と同時代に活躍した文豪たちで、ここは芥川龍之介。芥川龍之介のイラストは実際の雰囲気に合っているように思えるが、与謝野晶子は、・・・ちょっと違うように思う。
山之口商店街のお土産屋さんで発見した、あたり前田のクラッカー「極上」。50年ほど前は「てなもんや三度笠」で、藤田まことが「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」という決め台詞で、全国区のお菓子だった。今はなかなか見かけないだけに、「極上」とは、ひどくレアなものを見つけた気分だ。
「さかい利晶の社」にやってきた。堺出身の千利休と与謝野晶子の2人をテーマした展示館だが、少々無理のある組み合わせだと思う。千利休に興味のある人が、与謝野晶子にも興味がある場合はそれほど多くなく、逆もまた然りではなかろうか。
エントランスホール。開館以来数回立ち寄っているが、いつもより断然人が多い。これも文豪ストレイドッグス効果によるもののようだ。
文豪の等身大(漫画の場合もこういう言い方をするのだろうか)パネルと記念撮影する人が多数いる。これは、人のいない奇跡的な瞬間を捉えた写真だ。真ん中が与謝野晶子、左が中原中也、右が太宰治。イケメン揃いだ。
エントランスを2Fから見下ろす。床には、中世の堺の町割りの地図が描かれていて、なかなか面白いものなんだけど、今日の客層はまるで興味を示さない。
7つのうち、6つのスタンプはゲットしたものの、最後の泉鏡花は、この立礼茶席に参加しないと貰えない。有料だし、満員だし、茶席にはほとんど興味もない。
ということで、スタンプは6つに留まったが、それでも5ヶ以上なので、缶バッジを貰える。3種類のうち、クジ引きの結果、泉鏡花&中島敦をゲット。エエ~ッ!泉鏡花が女性になっている。「高野聖」や「婦系図」に代表される男性作家なんだけど、一体漫画ではどのように扱われているのだろうか・・・。
後刻、天下茶屋の本屋さんに立ち寄ると、文豪たちの文庫本の表紙が、文豪ストレイドッグスのイラストになっている。う~ん、これでいいのかぁ?
帰宅後調べてみると、文豪ストレイドッグスとは、作家のお話ではなくて、文豪と同名の登場人物が異能力を用いて戦うアクション漫画らしい。オジサンには訳が判らない・・・。(②に続く)