芦屋睦の宮詣で(2021)

 2021年1月9日


今年一番の寒さとのことで、さすがに山に出掛ける気にはならない。正月休みもとうに過ぎたけど、初開催以後5年連続で参加している芦屋六社めぐり「芦屋睦の宮詣で」に今年も出掛けることにしよう。



六麓荘の南端にある八十塚橋にやってきた。調べたところ、ここが芦屋六社のひとつ岩園天神社の最寄りバス停になる。このあたりの道は複雑で、毎年岩園天神社になかなか辿り着けないことのだが、今年はバス利用で六社めぐり最大の難所、岩園天神社からスタートする。



バス停から、ほんの2~3分歩いて岩国天神社に到着。決して小さな神社ではないのだけれど、メイン道路から離れて、入口もひっそりとしている。しかも自然豊かな地域なので、神社っぽい林地が何ヶ所もあるのだ。



入口は簡素な造りだが、境内は広い。さらに毎年感心させられるのが、境内の清掃が行き届いていることだ。参道はかなり頻繁に掃き清められているようで、箒の跡が絶えることがないほどだ。



すっかり葉を落としたナンキンハゼの街路樹が並ぶ岩園並木坂を南下して二社目となる打出天神社に向かう。



瀟洒な住宅街のなかに豊かな自然がある。というよりも、豊かな自然のなかに住宅街があるという方が適当なのかもしれない。六甲の山々の麓に、鬱蒼とした林地や静かな水辺が広がる。



阿保親王塚。在原業平の父として有名な人だ。今日初めて気づいたのだけれど、塚の前に立つ芦屋市の説明板では「阿保親王古墳」となっていて、古墳の築造は4世紀となっている。阿保親王って平安初期の人物だ。この当然の疑問に説明板は何も答えてくれていない。



岩園天神社から歩いて30分ほどで打出天神社に到着。ところが、ここで大変なことに気づく。朱印の台紙をどこかに落としてきてしまったのだ。台紙をできるだけ折り曲げたくなかったので、ブルゾンのポケットに無理な収納をしていたのがいけなかった…。



あらためて打出天神社で台紙を頂戴したが、当然岩国天神社の朱印を貰えるはずもない。新年早々途中で諦めてしまうのは何とも縁起が悪い。あらためてここから朱印集めを始めるしかないのか…。



岩園天神社は後回しにして、まずはJR芦屋駅に近い阿保天神社へと向かう。駅チカ神社だけあって、境内の7割以上は駐車場として利用されている。



トイレ休憩のため一旦JR芦屋駅に立ち寄る。駅ビルの改装工事が進んでいるようだ。新快速停車駅にも関わらずエスカレータ不設置であることに永らく疑問を感じていたけれど、いよいよ設置されるらしい。



神戸市との市境近くにある津知日吉神社。拝殿の前に狛犬の代わりに据えられている神猿はマスクを着けている。よく見るとサルのデザインが施されたおしゃれなマスクだ。



阪急芦屋川駅に近い三条八幡神社。境内が線路沿いにあるため、通過する電車の音が結構うるさいところだ。



芦屋川沿いにある「業平さくら通り」。阪神間でも屈指の桜の名所だ。「岩園並木坂」や「業平さくら通り」など、芦屋には風光明媚な愛称道路が20ほどもあるのだけれど、それぞれが独自のデザインを持つ木製標識の文字が擦れてきているのが残念だ。



先日登った城山や荒地山がよく見える。荒地山くらいなら積雪していないようにも思うのだけれど、岩梯子や七郎兵衛嵒などの難所続きの道にはしばらく足が向きそうにない。



キツイ坂道を登って芦屋神社に到着。標高は100m近いのではないだろうか。歩き始めて2時間半弱、元々の計画ではここでゴールのはずだけれど、ここから再び一社目の岩園天神社へと向かわなければならない。



芦屋神社の片隅に印章塚がある。故人のものなど不要になった印鑑を納めているそうだ。今後脱印鑑の動き次第では、「印鑑無くして人生は過ごせない」との宮司の手による説明文を書き換えなければならなくなるかもしれない。



Google Mapでも案内されない小径が多い。岩園天神社へは急坂や階段が多い道を何度も右左折を繰り返していかねばんらない。この道がイヤなので岩園天神社をスタートポイントにしたのだが、その甲斐なく、結局芦屋神社~岩園天神社を今年も歩く羽目になった。



岩園天神社で再び御朱印をゲットし、ようやく六社の御朱印すべてが揃った。しかしご褒美のお守りを頂けるのは芦屋神社と打出天神社のみ。再び岩園天神社から打出天神社へと歩かなければならない。



既に夕方になり、ワンちゃんのお散歩タイム。あちらこちらで、奥様方のワンちゃんミーティングが開かれている。種類も色も大きさも全然違うのに、犬たちも仲良くじゃれ合っている。



3時間ほど前に歩いた道を再び歩くのも退屈なので、公園のなかを歩いたりするなど、なるべく違う経路で進む。公園にはイノシシ出没に関する注意喚起をするポスターが見られる。



適当に南へ南へと歩いていくと、JRに行く手を阻まれる。700mほども横断個所が無いところだ。住宅が密集しているというのに、芦屋から西宮あたりの踏切の少なさはちょっと異常に感じる。



同じ道を通りたくなかったので、敢えて西宮市内にある最寄りの横断個所へとやってきた。西宮の「ねじりまんぼ」と呼ばれているトンネルだ。甲子園口のまんぼうトンネルは120㎝くらいだが、ここは2mほどの高さがある。



足利尊氏を九州へと敗走させた功績を称えた大楠公戦跡。しばらく隣接する楠公園が改装中だったので、楠木正成の銅像でも立つのかと思っていたけれど、ごく普通の児童公園になっていた。



すっかり暗くなったころに打出天神社に到着。残念ながら社務所は既に閉まっていて、コンプリートのご褒美のお守りは貰えず終い。松の内の間に再訪する機会があるかどうかは微妙だけれど、神様は頑張って歩いたことを見ていてくれたはずだ。



打出天神社から阪神打出駅がすぐ近くなんだれど、歩く距離が13㎞余りと半端なので、キリのいい15㎞を目指して阪神芦屋駅まで歩く。芦屋の市街地を一周半したことになる。



(1月11日追記)
芦屋神社に赴き、一昨日時間切れで戴けなかったお守りを頂戴してきた。例年通り、木札に白い房が付いたものだけど、今年は「疫病退散」のお守りになっているようだ。動物が描かれているのだけど、鵺だろうか。芦屋には鵺が葬られたと伝わる鵺塚があるけれど、疫病退散と関係あるのだろうか…。