2024年7月3日
昨年の夏はあまりに暑くて殆ど山に行かず終い…。今年も記録的な猛暑だというけれど、山には行きたい…。ということで、バスなどで標高の高いところまで行き、下り中心の楽チン山歩きを目指すべく、箕面の山奥にある北摂霊園にやってきた。
北摂霊園の少し東に東海自然歩道が走っているはずなんだけど、霊園からの出口を見逃し、長らく広大な霊園をウロつくことから始まる。霊園の境界となるフェンスにはクマ注意の貼り紙があるけれど、調べてみると東海自然歩道J4って、すぐ近くだ。
霊園から脱出できないまま、展望台までやってきた。正面には箕面西部の鉢伏山や明ヶ田尾山が連なる。案内板を見るとここが証如峰(604m)。すぐ後ろのフェンスの向こう、東海自然歩道沿いにも山頂碑があるようだけれど、フェンスの出入り口は見当たらない。
さらに霊園を南下し、ようやく出口を発見したものの、どうやらフェンスの管理のための出入り口だったようで、道は続いていない。やむなく東海自然歩道の方向にズルズル滑る地面を登ったり下ったり…。今日はこんなしんどい山歩きをするつもりは無かったのに…。
四苦八苦して、ようやく東海自然歩道に合流できた。やれやれ、この先は気楽に歩いて行けるはずだ。既に11時だけれど、標高が高いせいだろうか。覚悟していたほどには暑くない。
さすがに東海自然歩道。ちょっとしたベンチなども設置されている。ちょっと休憩して、歩き始めたところ、後続のハイカーに大声で呼び止められる。なんとスマホをベンチに置き忘れていたのだ。有難い。助かった~。
整備された歩きやすい道が続くと思っていたけれど、そうでもないようで、結構岩でゴツゴツした道も現れる。これはこれで楽しい。
最勝ヶ峰(540m)。宮内庁が管理する開成皇子の墓所がある。桓武天皇の庶兄で勝尾寺の開基だという。開成というのは、出家後の戒名でもあるようだ。
最勝ヶ峰から急坂を下って勝尾寺に下りて行く。のんびり山歩きのつもりだったけれど、かなり疲れてきた。それもそのはず、正午も近くなって、かなり暑くなってきた。
勝尾寺の伽藍が見えてきた。観光寺院と性格が濃い寺院だと思っていたけれど、随分と気合の入った読経が聞こえてくる。鳴り物も入っているので、読経というより護摩法要のようなものなのかもしれない。
勝尾寺本殿。写真では人の映り込みがほとんど無いけれど、実のところ平日だというのに相当な参拝者が訪問している。そのほとんどは、インバウンドだ。アジア系が圧倒的に多い。観光バスでやってきているようだ。
おそらく海外からの観光客(日本からもそうだけど)を惹きつけているのが勝ち達磨。おみくじの殻になっているダルマが境内の至るところに、大量に置かれている。木の枝に並んだダルマはまるで木霊のようだ。
花の寺としても有名な勝尾寺。ちょうど紫陽花が盛りだ。様々な色合いの紫陽花が植えられている。
勝尾寺をゆっくり拝観し、さらに水分補給と長い休憩をした後、さらに南へと進むのだけれど、ここから長く急な参道が続く。一旦休憩して体がクールダウンしたことに加え、気温がかなり上がってきたせいか、登りがメチャクチャしんどい。
丁石(町石)が並んでいる。五輪塔形式の古いものだ。梵字が刻まれているけれど、当然なんのことやら分からない…。
広々とした参道だと思っていたけれど、だんだんと寂しい道になってきた。
参道を外れて、気になっていた「しらみ地蔵」にやってきた。何もない山中にポツンと建っている。しらみとは白巳(白蛇)のことらしいけれど、隠れキリシタンが建てたマリア像だという説も根強いという。確かに地蔵というよりマリア像っぽいシルエットだ。
目を引くのがしらみ地蔵へのお供え物。何故か松ぼっくりが多いけれど、大きな貝殻とか、飛び出し坊やだとか、いかにも処分に困ったものを置いていっているようだけど、そのなかに見覚えがある宝珠貯金箱がある。これって尼崎信用金庫の貯金箱博物館で貰えるやつだ。
勝尾南山に向かう。フィールドレポートでは、「60度くらいある」、「安全を考えるならこのルートはやめとけ」とあるし、現地にも「急登」との標識がある。でも遠回りして南側に回り込むのも邪魔くさいと、取り敢えず行けるトコまで行ってみよう。
これまで何度「行けるトコまで行って見よう」と考えて酷い目に会ったことか。最初はそれほどでもなかったけれど、どんどん急坂になってくる。斜面に座り込んで、止めときゃ良かったと何度も思う。でももう少しで山頂のはずと思うと、なかなか引き返せない。
這う這うの体で勝尾南山(406m)に登頂。こんなしんどい思いをするつもりでやってきたはずではなかったのだが…。千里中央から大阪市内を望むことができる山頂で、長々と休憩をする。もう歩く気が無くなってきた。
体はベトベトだしフラフラしてきた。川のようになった切り通しの道を下っていく。下りだというのに、まるで足は動かない。
渓流沿いの気持ちいい道。時折水が流れ落ちるところがあって、手を濯ぎ、タオルに水を浸して体を拭う。
本日見つけたキノコたち。おそらくノウタケ(左上)、ベニテングダケ(右上)、スギカワタケ(左下)、ブナハリタケ(右下)。google lensからの推定だけれど、確からしいように思う。
登り獲得標高が311m、下りが751mと、かなり下りの多いコースだったけれど、予定と違ってかなり疲れた。累計2時間以上も休憩した(これは予定どおりだけれど)のだから、距離7.7㎞に5時間20分もかかった。