大野山(猪名川町)

 2024年7月22日


山頂近くまで車で登れる猪名川町の大野山(おおやさん)に出掛ける。御大層にもアルプスランドと名付けられたキャンプ場と、ゴロゴロした巨石を巡る山歩きがウリの山だ。



今回の山歩きの目的は、先日ついに思い切って購入した空調服を試すため。山歩きにどこまで効果があるのか不明だったこともあり、購入を躊躇していたのだけれど、ついに山グッズの国内トップメーカーであるモンベルが発売を開始したのだ。



リュックとの干渉を避けるため、通常は背中にあるファンは脇の下部分にずらされている。風の通りを良くするためなのか左右非対象だ。モンベルが出しているとはいえ、効果には懐疑的。まずは、多少は涼しそうで楽な山歩きとなりそうな大野山で試してみることにする。



さらに、3000円弱のセール品とはいえ、冷却プレートを採用した電動式の日本製品だ。これまた炎天下での効果はさほど無かろうとは思いつつも、先日の中山道歩きですっかり猛暑にやられてしまい、衝動買いしてしまった。



冷却効果も心配だけれど、さらに心配なのはバッテリーがどこまで持つか…。モンベルの空調服は合計3万円弱だけれど、その半分はバッテリーなのだ。それでも4段階のうち強度3で6時間しかもたないという。持っていくバッテリー総量は5Ah以上になる。



大野山の駐車場に到着したのは13時50分頃。麓の猪名川では36度、大野山の山頂付近でも30度前後はあるはずだ。一日のうちで最も暑い時間帯となるが、空調服とネッククーラーを装備して出発だ。



軽い坂道を10分ほども登れば大野山山頂という楽々登山。空調服のファンは勢いよく回り、確かに涼しさを感じるけれど腕や顔は容赦なく強い日射しの攻撃に晒され、やはり暑い…。車内では冷たすぎるとまで感じていたネッククーラーの冷たさもすぐに感じなくなる。



大野山山頂(753m)。隣のピークに天文台が立ち、摂津・丹波両国の境にあってかなり見晴らしはいい。空調服のバッテリーを収納した服のポケットの重さが不快なので、バッテリーをリュックのサイドポケットに入れるよう配線を組み直したりする。



大野山山頂にご挨拶を終えて、岩めぐりに出発する。8000万年前、この地域にあった火山の噴火によって発生した火砕流が堆積・再溶解を繰り返してできた溶結凝灰岩がこの辺りの巨石の正体らしい。



日なたを歩いているとあまり涼しさを感じないのに、日陰を歩くと急に涼しく感じられる。空調服から噴き出す風が心地良い。当たり前のことなんだろうけれど、日陰をなるべく歩くことで空調服の効果も随分と変わってくるようだ。



花立岩。花立とは仏様に花を供えるための花瓶だったと思うけれど、どこが花瓶なのか…。なんて細かなことを気にしていたら、この先の巨石巡りは楽しめないことは以前歩いた時に判っている。この辺りは上の山(706m)の山頂のはずなんだけれど、山頂碑は見えない。



大夫婦岩。どこかに小夫婦岩もあるのだろう。まあ名では良くある名前だ。統計など無いのだろうけれど、おそらく天狗岩、亀岩、夫婦岩、烏帽子岩、あたりが日本の岩の名前の上位を構成しているに違いない。



ルートには「岩めぐり」と書かれた標識があるものの、道はさほど明瞭でもないし、易しくもない。以前歩いたときには感じなかったけれど、結構しんどい…。歳のせいかなぁ…。



カメレオン岩。そう言われれば、そんな風にも見えてくる。オリジナリティの高いネーミングだ。結構大きくてユニークな形をした岩でも名前を貰っていない岩も多い。名前が付いているいないで注目度は変わるはずだけれど、名前を付けるもの簡単ではなさそうだ。



神楽岩。大きな岩のうえにある小さな岩たちが、舞台で御神楽を踊っているように見えるのだろうか。空が眩しい。



鯉の滝登り岩。切り立った谷道の上にあるので、なるほど滝を登ってきた鯉と見立てるのは秀逸だ。いつの間にか、巨岩を楽しむのではなく、巨岩のネーミングセンスを評価することが目的になってきている。



不動岩。かなり苦し紛れな感じがする。岩だから当然不動。不動明王のような勇ましさも迫力も感じられない。



太鼓岩。おそらく大野山岩めぐりのなかではエース級の奇岩。鬼か天狗が叩く太鼓のような形に岩が割れている。



突如、目の前を動物が走りだした。こちらを向いていた顔から、たぶんタヌキ。久しぶりに見たなぁ…。



いや、走っている姿を見るとイタチかもしれない。山では様々な動物に出会うけれど、写真を撮るのはかなり難しい。鳥や昆虫はさらに難しい。この後、オニヤンマのアクロバティックな飛行に魅入られて何とか写真を撮ろうとしたけれど、一枚もまともに撮れなかった…。



おにぎり岩。気持ちは判る。でも似たような岩が結構アチコチにあるんだよなぁ…。



岩めぐりを終えて、再び山頂近くの駐車場へと戻っていく。ベンチに座り込んで大阪の市街地まで見通す眺望を楽しむ。結構疲れた。かなり暑い。でも休憩すると急に涼しくなってくる。空調服って、休憩中に最も有難みを感じるような気がしてきたぞ。



猪名川天文台。ちっちゃな天文台だけれど、肉眼の5000倍の集光力があるそうだ。プラネタリウムを併設されている。



歩行距離3.9㎞、登り獲得標高278m、所要時間は2時間半。のんびり山散歩みたいな数字だけれど、実のところやはり結構疲れた。空調服のファンを最強で回し続けたせいかもしれない(うるさいんだけれど、それでも暑かった…)