2015年1月13日(日)
米国出張でヒューストンに滞在。休日を利用して、ヒューストン唯一の観光ポイントと言われるNASAのジョンソン宇宙センターを訪問する。
入館する前から、既に興奮はピークに達してしまう。ジャンボジェット機の上に据えられたスペースシャトルがドーンと展示されている。写真では何度も見たものだが、あらためて目の当りにすると、なんと大胆で豪快な搬送方法だ。
スペースセンターのエントランス。外観は特段の特徴も感じられない建物だ。
入場時にもらえるガイドマップ。世界中から訪問者があるのだろう。日本語のパンフレットもしっかりと備えられていた。
館内見学は後回しにして、まずは2つある場内ツアーのうち、管制ルームなどを見学できるコースに参加する。3~4両が連結されたトラムに乗って出発。
この窓もない、倉庫のような建物のなかに管制室があるようだ。
新旧3世代の管制システムが並んで展示されている。今見れば、陳腐化した機器に見えるが、当時の超最先端の技術がここに凝縮していたと思うと感慨深い。
そして、ついにあのアポロ計画などの有人宇宙飛行を管制したミッションコントロールセンターにやってきた。アポロ11号の月面着陸、アポロ13号の奇跡的な地球帰還・・・、あの日の感動と興奮が蘇る。
トラムツアーは続いて、最初の有人飛行に使用された「マーキュリーレッドストーン」、さらには、アポロの司令船降下や緊急脱出用ロケットの性能試験に使用された「リトルジョーⅡ」などの現物が無造作に屋外に据えられている。
サターンV型ロケットが横たわっている。第一段・第二段・第三段を合わせて全長110m。今もって人類史上最大のロケットであり、最も遠くまで飛んだ乗り物だ。
左が第一段、右が第二段。中止されたアポロ18号~20号に使用するはずだった「現物」なのだ。
そしてこれが先端の第三段。とにかくスケールが大きすぎて、全体を一枚の写真に収めることは到底不可能だ。
トラムはツアーを終え、展示館へと戻っていく。驚いたことにスペースセンターの隣には牧場が広がり、牛たちがのんびりと草を食んでいる。
展示館にも、宇宙好きやロケットマニアならずとも、テンション上がりっぱなしの展示が多数取り揃えられている。
「月の石」が展示されている。1970年前の大阪万博のアメリカ館を思い出す。何mも先にある「月の石」を数秒眺める2時間以上も行列に並んだものだ。それが、ここでは独り占めで好きなだけ見ていられる。さらに触ることさえできるのだ。
本物なのか、模型なのか、よく判らないが、月面着陸船などの展示も実にリアルなものだ。バカでかいサターンV を見た直後だけに、着陸船の小ささが際立つ。
スペースシャトルを搭載したジャンボジェットの中は、スペースシャトル計画に関する展示室になっている。乗りなれた飛行機だけど、座席や天井などを取り外した機内のスペースは思っていたより随分広く感じる。
飛行機最後尾にある圧力隔壁。これが損傷して御巣鷹山に墜落したJAL機も同じジャンボ機。初めて目の当たりにした圧力障壁の前で、航空機やロケットでの様々な事故を思い出す。
耐熱パネルで覆われたスペースシャトルの機体。主翼の耐熱パネルの破損によって空中爆発したコロンビア号の事故の記憶も蘇ってきた。
ジャンボ機を一旦出て、スペースシャトルの機内に入ることもできる。操縦席に周囲には、よくもまあこれほど、と思われるほどの計器類が並んでいる。
帰る前に、もう一度ジャンボジェット&スペースシャトルをアチコチの角度から撮影する。何度見ても飽きがこない・・・。
展示の豪華さに比較して、レストランがショッピングセンターのフードコート程度のものしかないのが唯一残念だったが、宇宙開発に心驚かせていた少年時代に戻って、大興奮の連続だった。