新名神側道ウォーク(猪名川~武田尾)

2019年1月26日(日)


昨年開通した新名神高速道路の川西JCT~神戸JCT。自分空白地にもないところに突如高速道路気分だ。やや時機を逸した感はあるが、猪名川~宝塚・武田尾の間、新名神高速がどんなところに建設されたのか見に行ってみよう。



スタートポイントは、猪名川町の猪渕口というバス停。阪急川西能勢口からバスに揺られてやってきた。ここから武田尾までなら、新名神高速にほぼ沿って歩くことができそうだ。



新名神(写真左側)の工事に併せて建設(あるいは拡張?)されたと思われる立派な道を歩いていく。



道の周囲には狭隘な農地があるばかり。イノシシの被害を防ぐための電気柵が延々と敷設されている。



皮肉なことに猪名川町のマスコットキャラクターはイノシシ。町の名前に「猪」が入っているのだから至って当然なのだが、一方でイノシシが害獣化している現状は、町にとって頭の痛いことだろう。



土盛りの上を走っていた新名神は、どんどん高度を上げ、高架道路となっていく。実際に車で走っていると、こうした周囲の状況には気が付かないものだ。



広くて平坦に良く整備された舗装道だが、交通量はひどく少ない。すごい人工構造物の中を歩いているはずなのに、ひどく空虚な空間にポツンと取り残されたような気分になる。



目標とする宝塚北サービスエリアまで5kmとの標識がある。もっとも、これは直進する高速道路での距離。地道では何割か増しの距離を覚悟しなければならない。



北摂や丹波・播磨の山中を歩いていると、しばしば出会う入山禁止看板。「11月15日まで」とあるが、これって「この山に松茸があります」と公言しているようなものじゃないだろうか。「我が家に大金があります」と玄関に掲示しているようにさえ感じる。



勾配を抑えるためだろうか、真っすぐ走る新名神と交差を繰り返す。



新名神はトンネルに入ったが、地道の方は、坂を登って山を越えていく。ようやく登り坂が終わったところが宝塚市との市境になっていた。



せっかく登った坂だが、続いては下り道になる。下り切ったところで、左手からトンネルを抜けた新名神高速が再登場する。





土地買収の関係だろうか。高速道路からかなり離れた、使いようのない半端な土地もNEXCO西日本の土地になっているようで、フェンスが張られている。



なんとも興味深いのは、高速道路の橋脚の基礎部が竹を斜めに切ったような筒状のコンクリート壁のなかに立っていること。土砂崩れ対策なのか施工の容易性追求のためなのか、理由は判らない。



周囲には店・人家はおろか、自販機さえ見られない。栗園の看板が見られるけど、今の季節に営業しているはずもない。



宝塚北サービスエリアはすぐそこのはず。しかし今歩いている地道との高低差は大きい。おそらく相当登っていかないはず、と覚悟を決める。




宝塚北SAへの道は、予想通りの急坂。勾配12%なんて自動車道としては上限に近いのではないだろうか。もっとも山登りのことを考えれば、大した坂でもないのだけど・・・。



雪が舞い散るなかを歩いてきたけど、新名神の案内板には、京都方面も岡山方面も「雪・スリップ注意」の警告が出ている。




歩いて訪問する者のことなど考慮されていないのだろう。随分と遠回りをさせられたが、無事宝塚北SAに到着。西日本最大級の規模、充実した飲食店、南欧風のお洒落な建造物など、とても評判が高い。宝塚大劇場をモチーフにしたとも聞いたことがある。



宝塚ということで、宝塚歌劇、そして鉄腕アトムなどの手塚治虫アニメの関連商品が土産物売場のかなりの面積を占めている。



評判の高いのがトイレ。広々として清潔感もある。男性トイレにもシャワールームがある。女性トイレはもっと凄いらしいが、さすがに立ち入る訳にはいかない。

宝塚の名物でもないけど、「ありがとう平成まんじゅう」なるものが、大々的に販売されていた。


宝塚北SAから、JR福知山線の武田尾駅に向かって山を下りていく。武田尾といえば、福知山線の廃線跡のウォーキングがJR公認になった武庫川沿いを下っていけば廃線跡に行けるのだが、日をあらためて訪ねることにしよう。


武田尾温泉の歓迎ゲートがある。JR武田尾駅はすぐそこだ。大した距離ではなかったけど、寒くて寂しいウォーキングで気分的にはかなり疲れた。



本日の歩行経路。オレンジ色が新名神、赤色が歩いた道だ。13kmくらい歩いたことになる。