西淀川区探索(グリコ江崎記念館)

2019年3月30日(土)


休日だというのに雨がしょぼついている。家にいても気が滅入るばかりなので、ちょっとでも歩こうと西淀川区の阪神姫島駅にやってきた。以前から訪問したかったグリコの江崎記念館を目指す。



手元には西淀川区が発行している「見どころまち歩きマップ」もあるので、江崎記念館に向かう前に、いくつか「見どころ」を巡ってみることにする。



まずは姫島通を江崎記念館とは真逆の方向に歩いていく。ユニークなゼブラゾーンがあるらしい。なるほど、六叉路で、しかも食い違いとなっている交差点全体が巨大なゼブラゾーンになっているのだけど、特にゼブラゾーンの中に右折待機エリアが設置されているのは珍しい。



大和田街道。難波から尼崎の大物を繋ぐ街道だったらしい。大阪市の史蹟を示す路面標示「つたい石」が続いている。



海抜の表示がアチコチに見られる。西淀川区の淀川に地帯には海抜マイナス地帯が続いている。



いかにも旧街道らしい道幅ではあるけど、「つたい石」以外には、旧街道らしい史跡も見当たらない。もっとも緑で覆われた古い家屋など、タイムスリップしたような気持ちになる。



「多目的ホール」なるものがある。100人以上収容できるような大宴会場や演劇・コンサートホールをイメージしてしまうけど、実態はかなりコンパクトな造りだ。もっとも近隣の人たちの集会など、とても重宝されそうなサイズではある。


  
川の河畔に出てきた。大和田街道は、渡し船を経て海老江に繋がっていたようだ。この付近に渡し場があったようだ。今では500mはゆうにあろうかと思われるが、明治になって拡幅・改良される前は、もっと狭い川だったはずだ。




「見どころまち歩きマップ」に掲載されているもう一つのユニークな交差点を見に行く。これまた姫島通にある”IXXI”型のスクランブル交差点だ。



雨は止む気配を見せないまま歌島橋交差点にやってきた。主要道路が五叉路となっているだけに、渋滞の名所として有名なところ。最近交差点に地下道などを作って横断歩道を無くしたりするなどの工夫をしているけど、相変わらず混雑しているように思える。



歌島橋というけど、橋の下を流れていた大野川は50年ほども昔に埋め立てられている。



埋め立てられた大野川は、「大野川緑陰道路」と名付けられた歩行者・自転車専用道路となっている。もともとは阪神高速の神戸線と空港線をつなぐ道路にするつもりだったようだけど、当時公害で揺れに揺れていた西淀川区民の反対で、このような立派な遊歩道となったらしい。



川が埋め立てられて50年経つが、路面を隠せば、川の上を横断していた水道管など、河原から見る光景そのものだ。今なら当然地下に埋設することなるはずだ。



江崎グリコにやってきた。ごく一般的な工場のゲートで受付をして構内に入場する。事務所などが立つ敷地の一角に江崎記念館があるが、何の特徴もない、白い2階建てのビルだ。建物の前にアーモンドの木がうえらrえピンクの花を咲かせているのが、唯一グリコらしいところだ。



建物の2階が、創設者江崎利一の生涯を紹介するとともに、グリコおよびその商品の変遷が学べる展示場になっている。道頓堀のネオンサインの変遷が興味深い。なんと昭和10年から続いているようだ。



大正11年に発売された初代グリコのパッケージデザイン。当時から「一粒300m」を高らかに標榜している。「文化的栄養菓子」というタイトルもユニークだが、お菓子による病気予防・健康増進こそ今に続くグリコの企業理念だ。「怖い」と不評だったというランナーのモデルの一人があの金栗四三だという。



発売当初からグリコのおまけがズラリとショーケースに並んでいる。最初は絵カード、その後、粘土とか紙とかになって、プラスチックになって、そして近年はなんと木製が登場している。それにしても昔のおまけは素朴で質素なものだった、でも随分と心躍らせたものだ。



館内では「わくわく探検クイズ」なるものを開催中。なかなかの難問だけど、館内の展示をよく見ればわかるようになっている。全問正解で、グリコとビスコを頂戴した。



記念館を出る際に気付いたのだけど、この建物の1階はホールになっていて明後日は入社式が行われるようだ。、座席表も貼り出され、準備万端整っているようだ。



記念館の見学を通じて、これまで何気なく見てきた「おいしさと健康」というコーポレートメッセージの意味が、よく理解できたように思う。



江崎記念館の見学中に雨が上がっていることを期待していたのだけど、むしろ雨足は強まっていた。予定していた西淀川区の探索は切り上げてJRの加島駅に向かう。高速道路の下を歩いていけると期待していたのだけど、雨から逃れることができたのはごく僅かな区間でしかなかった。



JR加島駅に着いたときには、かなりのずぶ濡れ状態。JR神戸線が地上を走っているのだけど、加島駅は神戸線の真下を走るJR東西線の駅しかない。目の前に線路があるのに、駅舎は地下鉄駅のようにすぐ地下に降りていく構造になっている。



本日の歩行経路。わざわざ西淀川までやってきたのに、たった6kmしか歩けていない・・・。