2019年3月7日(木)
米国出張で、テネシー州のメンフィスに向かうものの、乗り継ぎが悪くシカゴのオヘア空港でなんと6時間待ち。外はマイナス10度近いが、思い切って市内に繰り出すことにする。ちょっと高くつくけど、時間の最大活用のため、タクシーを使う。
目的地は、MLBシカゴカブスの本拠地、リグレーフィールド。ボストンのフェンウェイパークに並ぶレトロな球場で、甲子園同様に蔦がフェンスを覆っていると聞いていたけど、シーズンインを控えて改装工事中。
たくさんの重機が球場周囲に林立し、フェンスには工事用の足場が設置されている。開幕まで2週間しかないというのに、こんな状態で間に合うのだろうか・・・。
極寒のなか、球場の周囲を一周する。高く分厚い内野側のスタンドと異なり、外野側はフェンスは低く、観客席も狭い。フェンウェイパークのように歪な形ではないけど、拡張余地が無いのは、歴史ある球場に共通する悩みのようだ。
ところが、球場から道路を挟んだ建物の屋上を見て驚かされた。なんと観客席のようなものが屋上に設置されている。外野のフェンスが低いだけに、フィールドは十分見渡せそうだ。
偶然なのか必然なのかは不明だが、球場周囲の建物は高さも揃っていて、まるて球場観客席のサテライトのように、整然と屋上席が並んでいる。これって、球場の一部なのか、あるいは建物の所有者が勝手にやっていることなのか・・・。
球場はシカゴ北部の静かな住宅街の中にある。野球は太陽の下でやるものだというオーナーの考えで、つい最近までナイター設備もなく、今も大半はデーゲームだという。住民の生活との調和を重視しているのではないかとも思える。
通常、球場エントランスには、過去の名プレイヤーたちのモニュメントが並べられているものだが、ここにあるのは名物実況でカブスを永年盛り上げた球団専属アナウンサーのハリー・ケリーだ。Take Me Out to the Ball Gameを歌ってファンを盛り上げているところのようだ。
工事用車両の出入り口のために開放されているゲートからスタジアムを覗き込むが、有名な外野フェンスの蔦は確認できなかった。
空港からタクシーを飛ばしてやってきたが、どこもここも工事中ばかり。あまり球場の雰囲気を楽しむことはできず、寒風が身に応える。あわよくば市南部にあるホワイトソックスの球場にも足を運ぶつもりだったが、気分も萎えてしまった。
空港からのタクシーで、道路の渋滞状況を目の当たりにしてきたので、帰路は無難に地下鉄を使うことにする。赤い矢印が現在地のADDISON。空港まではレッドラインでダウンタウンに行き、ブルーラインの終着駅となる空港まで、なんと1時間半ほども掛かるようだ。
シカゴ地下鉄のチケット。1時間半も乗車するというのに3ドル均一料金とは有り難いものだ。
チケットを改札に投入して入場する。地下鉄とはいえ、かなりの区間は地上駅。いつも利用するニューヨークの地下鉄と比べれば、随分と明るく清潔感もある。
ホームのベンチは、コンクリート製。こんな寒いなかでは、氷の上に座るようなもので、誰も座っていない・・・。
発着表示の電光掲示板。幸いレッドラインとブルーラインは順調のようだが、茶色ラインと紫ラインにはSignificant Delays(著しい遅れ)の表示がある。この国の交通機関は、陸も空もアテにしすぎると酷い目にあう。
地下鉄内の様子。車両幅は狭い。皆かなりの厚着なので、人数の割に狭っ苦しい・・・。
オヘア空港には搭乗の2時間ほど前に戻ってきた。空港の待ち時間の過ごし方って、実に悩ましい・・・。