伊川谷~板宿

2019年8月31日(土)


先日、西神中央駅から板宿駅まで歩くつもりが、あまりの暑さのためわずか2駅でギブアップしてしまった神戸地下鉄西神山手線沿線ウォーキング。あらためて伊川谷駅から再スタートだ。地下鉄とはいえ、このあたりは高架鉄道。しかしこうの高架の下を歩いていけばいいというほど単純に道は繋がっていないようだ。



どうやらこれが伊川らしい。この川の浸食でできたのが伊川谷だろうか。伊川は明石方面へと流れていき、明石城の外堀の役割を果たしながら明石川に合流する。



伊川谷周辺には田んぼが広がっている。とてもリアルな案山子がアチコチに立っている。各地でいろいろな案山子を見ているけど、既製品を見たことがない。どうしてなんだろう。更に言えば、案山子ってホントに効果があるのだろうか・・・。疑問は多い。



 伊川谷から坂を上がったり下ったりしながら、学園都市駅に近づいてきた。1985年のユニバーシアードを機に西神山手線が開通し、様々な運動施設が建設され、その後大学が続々と誘致された。



集合住宅も多いのだけど、「研究学術団地」なんて名前が付いている。見たところ普通のアパートなんだけど・・・。



学園都市駅。立派な駅舎だ。高層住宅も多く、交番も可愛い。



自動車道の横に遊歩道が整備されている。どうやらなるべくアップダウンを少なくして歩きやすくしているようだ。



神戸総合運動公園野球場が見えてきた。ネーミングライツの関係で度々名称が変わるけど、今は「ほっともっとフィールド神戸」。収容人数は3万5千人とプロ野球開催球場としては小さめだけど、駅からも近く、デザインも優れた美しい球場だ。オリックスが10数試合するだけでは勿体ない。



総合運動公園駅。駅の西には野球場、東には陸上競技場がある。



総合案内所には、イチローのパネルとバットが展示されている。イチローが大活躍し、震災後「がんばろう神戸」を合言葉に優勝したときは、ここがオリックスの本拠地だった。



陸上競技場。愛称はユニバー記念競技場だ。観客席の屋根のカーブがとても格好いい。ここもかつてはJリーグのヴィッセル神戸が本拠地にしていたのが、今はノエビアスタジアム神戸に移転してしまった。野球もサッカーも、駅チカとはいえ、この場所では観客動員が難しいのだろうか・・・。



さて、総合運動公園駅から、次の名谷駅には地下鉄沿いに進むことはできない。沿線に道らしい道もなく、新幹線が横切っていたり、谷があったりで、遠回りをして進まざるを得ない。



一旦地下鉄の沿線を離れ、遠回りをして名谷駅近くで再び地下鉄の高架に出会う。なんと上りと下りの軌道がそれぞれ別になっていて二階建てのようになっている。先日、東海道歩きで蒲田付近で京急の軌道が二階建てになっているのを見て、関西では見かけないと思ったばかりなのに・・・。



名谷駅。近くに車両基地があるため、いくつもの路線が集まってきているかのように見える。ターミナルでも乗り換え駅でもない、ただの中間駅なんだけど、JR尼崎駅とか阪急十三駅くらいの規模を感じさせる。



名谷駅前にはバス停がズラリと並んでいる。乗車用だけで8つか9つくらい、さらに降車用とかも含めて、何百mにもわたって停留所が並んでいる。



名谷付近から雨が降り出した。名谷駅で本屋さんなどで時間を潰していたのだけど、しびれを切らして出発。しかし雨足は強まるし、駅を出てしまったが最後、雨宿りできる場所も見あたらない。



名谷駅から次の妙法寺駅までの道がまたややこしい。さらに名谷駅から電車は地下に入るし、谷や山は多いし、迷いに迷って緑道とかに迷い込む。大阪辺りの地下鉄沿線歩きと違って幹線道路下に地下鉄が走っているのではないのだ。スマホも画面に雨粒が付着してうまく操作できない。



アップダウンも激しい。とんでもない坂を下りていく羽目になる。この道で正しいんだろうか・・・。



坂が急なせいか、途中でバス停のような休憩所がある。



おそらくかなり遠回りをしただろうが、なんとか妙法寺駅にやってきた。ここも駅前ロータリーはバス停に取り囲まれている。



さあ、あと一駅。しかし板宿駅との間には、六甲山系が立ち塞がっている。六甲縦走道とどこで交わるのだろうか・・・。かなりのアップダウンは覚悟しなければならない。



那須与一のお墓を発見。源平合戦における屋島の戦いで、見事船の上の扇の的を射抜いた武将だ。



道の右側は横尾山や馬の背、左側は高取山となる。いつ厳しい上り坂が現れるかとビクビクしながら歩いていくが、両側の山をかわすように、意外にも平坦な道が続く。



無事ゴールに設定していた板宿に到着。雨には降られたけれど、気温が低く、前回2駅でギブアップしたのが嘘のように元気に歩きとおせた。



本日の歩行軌跡。名谷や妙法寺でかなり道を間違ったのが判る。総歩行距離は約15km。


御堂筋天国 夏祭り

2019年8月30日(金)


御堂筋の本町~淀屋橋間で、御堂筋天国夏祭りというイベントが開催されている。スタンプラリーもあるというので、会社帰りにチョコっと立ち寄ってみることにする。



まずは北御堂へ。あいにくの雨模様だけど、そこそこ人は集まってきている。御堂筋は北御堂と南御堂を繋ぐ道ということで名づけられたはずだ。



本堂の前には、華やかな提灯を吊り下げた大きな櫓が備え付けられている。おそらくこの櫓を中心に盆踊りが行われるはずだったのだろうけど、雨天のため本堂下のホールで開催されるという。



ホールに行くと、既に大勢の人が音楽やお笑いの舞台を取り囲んでいるけど、盆踊りもこのホールでやるのだろうか。踊り手と思しき浴衣姿のご婦人方もたくさん待機されているけど、ちょっと手狭なように思える。



屋台が縁日さながらに並んでいる。皆で食べたり飲んだりのためのテーブルも用意されているけど雨天のため空振りに終わり、境内に立つ親鸞聖人も悲しそうだ。盆踊りが始まるのを待っている時間もないので次の会場に向かう。



御堂筋の側道歩道化が計画されている。交通量も減ったので結構なことだと思うが、御堂筋エリアを観光地化しようとする動きには少々疑問を感じる。まずは風格あるオフィス街としての魅力を維持・向上させたうえでなければ、御堂筋の強みを失った安っぽい賑わいにしかならないのではなかろうか。



かつては高さ31mのビルが揃い、美しいスカイラインが見られたものが、今や色々な理屈をつけて、様々な高さのビルが混在するようになった。御堂筋の地価で8階建てのビルを建設するのでは採算が合わないことも確かだけど、下手をすると余計に地価が下がってしまうのではないだろうか。



沿線企業がお金を出し合って、御堂筋には素晴らしい彫刻が並んでいる。そのうちの一体が先月転げ落ちたと聞く。悪い悪戯かと思ったけど、どうやら老朽化らしい。人気のあった太っちょダンサーの彫刻だけに、早く修復して戻ってきてもらいたい。



掲げられているフラグは、ラグビーワールドカップ一色。開催場所は東大阪の花園なんだけど、大阪市も一緒に盛り上げているようだ。それにしても、TVでラグビーワールドカップがあまり取り上げられていないように思うんだが、気のせいだろうか・・・。



第二会場はガスビル。黒と白の御影石、そして直線とカーブを美しく調和させたビルだ。御堂筋では最も古いオフィスビルだと聞くが、古臭さは全く感じられない。



雨のせいか、軒下で縮こまるように金魚すくいなどが開催されている、



様々なキッチンカーも登場している。煙突が付いた石窯ピザの車なんてのもある。



最後の会場はODONA。10年ほど前に元々小学校だったところに建てられた複合ビル(2階までが商業施設、3階以上はオフィス)だ。周囲に同様のビルが無いためか、今も浮いた存在に感じるのだけど・・・。ここは酒に特化した屋台が並んでいる。



雨のせいもあって、雨がかからない軒下の立ち飲みスペースは満員。



3つの会場でスタンプをゲット。枠のサイズを大きくはみ出した、ワイン、金魚、盆踊りのスタンプだ。よくできたスタンプだと思うのだけど、ゴールで台紙は回収されてしまった。スタンプラリーストにとっては、とても辛いことだ。



コンプリートのご褒美でドリンクチケットを貰ったけれど、立ち飲みスペースは大混雑。その他各会場で色々なものを貰ったけど、使わず仕舞いに終わった。3会場を周遊するのではなく、1ヶ所に腰を落ち着かせる方が楽しめたように思う。


橋本散策(前畑秀子スタンプラリー)

2019年8月25日(日)


和歌山県橋本市でベルリンオリンピック金メダリストの前畑秀子スタンプラリーが開催されている。NHK大河ドラマ「いだてん」で、同市出身の前畑秀子に注目が集まっていることを機に橋本に人を呼び込もうということだろう。



昨日の柏原~河内長野のウォーキングの続きで橋本に立ち寄るつもりだったのだけど、時間切れで断念。今日あらためて橋本を訪問する。駅舎の右には前畑秀子の垂れ幕が、そして左には「まことちゃん」、橋本の2大スター?が出迎えてくれる。



まずは駅前の観光案内所へ。「ガンバレ!」のまち橋本市、いいねぇ、このキャッチフレーズ。ヒットラー時代のベルリンオリンピック、「ガンバレ前畑」を繰り返した絶叫放送は今聞いても鳥肌が立つ。



駅前にある観光案内マップ。紀の川の水運の拠点であり、また高野山の入口でもあった橋本の旧跡が20近く紹介されているのだけど、その横に、最近になって取り付けたと思われる1枚のパネルがある。「前畑秀子の飛び込み岩」だ。



スタンプポイントにもなっている前畑秀子の飛び込み岩に早速向かう。駅から歩いて数分のところに、このイベントのために取り付けられたと思われる案内標識がある。



何度も歩いている橋本なんだけど、前畑秀子の飛び込み岩はこれまでその存在さえ知らなかった。毎年のように観光案内所も立ち寄っているけど、こんなのあったかんぁ、NHK大河を機にでっち上げたんではないだろうか、との疑念はあるけど、それならそれでもいい。前畑秀子の功績になんの傷がつくものでもない。



幹線道路から階段を下りた紀の川を臨む川岸にスタンプは設置されている。スタンプ台もわざわざこのイベントのために新作されたもののようだ。多少の風雨には耐えれるような、しっかりとした作りだ。



で。、飛び込み岩は、というと、どうやらコンクリートで補強されまくっている川岸で唯一残された自然岩のことのようだ。ちょっと写真とイメージが違うけど・・・。



河岸の堤防のほとんどはコンクリートでしっかりと補強が為されている。前畑秀子が少女時代にここで泳いでいたのは80年ほども前のこと。きっとこのあたり全体に飛び込み岩のようなものがあったのだろう。



あらためて紀の川を眺めてみると、川幅は広く、結構水の流れは早い。橋本市をはじめ、紀の川で水練をしオリンピックに出場した選手が多いというのも頷ける。



残りのスタンプポイントの多くは、前畑秀子とは直接関係のないところ。しかも駅の
近くに固まっているので、その気になれば30分もあればコンプリートできるが、せっかくなので橋本旧市街をブラブラする。河岸段丘というのだろうか、意外にも凄く坂が多いところなのだ。



しかも、多くの家々が石垣を高く積み上げた上に立っている。紀の川の水面から高く堤防が施されているのだけど、その上にあっても水害に悩まされてきた土地なんだろうか。



橋本駅の南側は、かつてはお店も多くて賑やかな地域だったと思われるけど、今では老朽化した建物が多く、道の複雑さと狭さばかりが目立つ。「中央本通」との看板がある道も、中央とも本通とも思えない狭さだ。



狭い路地が交錯する所々に今も営業しているお店もある。昭和を思い起こす街並みだ。ひょっとしたら、前畑秀子が少女時代を過ごした昭和初期からさほど風景は変わっていないのではないだろうか。



応其寺。高野山を秀吉の攻撃から守るべく奔走した木食応其上人が開基した古刹だ。ここもスタンプポイントになっている。



由緒あるお寺の本堂のすぐ脇に、前畑秀子スタンプラリーのスタンプ台が設置されている。町あげて、このイベントを盛り上げようとしているようだ。



旧市街の荒廃ぶりばかりを書き連ねたけれど、少し歩けば、現代的な住宅街が広がっている。道幅も広く、敷地面積も広い、ゆとりのある住宅地だ。



古い商家なども残されている。ここは昔からのお医者さん。今も営業しておられる。



こちらは国登録有形文化財にもなっている呉服店。明治初期に建設されたという京町屋風の建物だ。このクラスの呉服店があるということは、橋本はかなり裕福な街だったに違いない。



太神社。ここもスタンプポイントになっている。



どうやら、ここはもともと一里塚があったところらしい。一里塚の目印となっていた松が昭和36年に枯れてしまったけど、今もその切り株が大切に保管されている。市民に随分と慕われてきた松なんだろう。



簡易郵便局だろうか。小さなお店などに郵便窓口業務を委託する仕組みは理解しているけど、おそらく新築の時点から郵便業務をする前提で、壁に窓口がある家を新築された個人宅というのは初めて見たように思う。



紀の川に架かる橋本橋。上から読んでも、下から読んでも橋本橋、だ。



なんと2年前に開館したという、前畑秀子・古川勝資料展示館。古川勝とはメルボリン五輪の水泳選手で、やはり橋本市内の出身だ。




ちらっと覗くだけのつもりだったけど、熱心な係員さんに話に引き込まれて30分以上滞在してしまう。豆腐屋さんに生まれ、父母を早くに亡くした前畑秀子が世界に羽ばたく存在になったのは、本人の努力もさることながら、教育関係者、町の人々の支援があってのことだと強く感じた。



スタンプ5つを無事コンプリート。前畑秀子をデザインした可愛いスタンプが揃った。



運が良ければ、橋本市の名産品が当選するらしいけど、それとは別に、このイベントのために新作したという前畑秀子せんべい、や各種資料、缶バッジなどを頂戴した。



橋本駅から帰路につく。来るときは気が付かなかったけど、居酒屋さんでも英語の案内ポスターを貼りだしている。高野山のついでに立ち寄る外国の人も多いようだ。



本日の歩行軌跡。げげっ、3kmも歩いていない。これではウォーキングとはいえないなぁ・・・。