保土ヶ谷宿~藤沢宿【東海道五十三次 -3】

2019年8月16日(金)


遅々として進まない旧東海道歩き。1日の休養を挟んで少しは元気も回復した。宿場小町を募集中の保土ヶ谷宿をスタート。今日の目標は18kmほど先の藤沢宿だ。これまで江戸時代の旅人のペースを気にしてきたが、所詮運動不足のヘッポコウォーカーらしく、一日15~20kmくらいの距離をノンビリ歩いていくことにしよう。



自販機のボディなどを利用した保土ヶ谷宿の説明がある。それぞれの宿場が、独自の工夫を凝らして旧街道を知ってもらおうと力を入れている。



保土ヶ谷駅近くのJR踏切。遮断機が上下2段になっている。バーを2本にしたところで、遮断機を乗り越えていく人を防ぎきることはできない。どうしてこんな構造になっているのだろうか・・・。



品川、川崎、神奈川の各宿には、往時の宿場の名残を感じさせる建物は見られなかったのだけど、保土ヶ谷には少し残っている。これは本陣跡。当時の保存されている。



こちらは旅籠。当時の構造がそのまま残っているようだ。もっとも道路の拡幅のため、かなりの敷地が削られているようだ。



権太坂。江戸から西に向かう際の最初の急坂なんだそうで、箱根の坂の前哨のようなところだ。今は道も改良されたのだろうか、さほどの急坂とは感じなかったけど、それでも箱根駅伝では見どころのひとつらしい。庶民的な名前とは不似合いなお洒落なマンションが立ち並ぶ。



 権田坂を登り切ったところにある境木地蔵。どうやらこのあたりが武蔵と相模の国境になるようだ。



ここを進むの?と思わず言いたくなるような細い階段を下りるようなところも出現するが、しっかりと案内されている。それっぽい人とは未だ出会わないけど、おそらくかなりの人が旧東海道歩きを楽しんでいるに違いない。



国道1号線に出てきた。箱根駅伝でいえば花の2区だ。お正月はマダマダ先なんだけど、アチコチに駅伝関係のポスターやフラグが見られる。



焼餅坂。切通になった街道の両脇に餅を売る店が並んでいたそうだ。なんだか無性に腹が減ってきた。



戸塚宿の東端に残る見附跡。見附とは見張りのことだろうか。江戸から戸塚宿に入る旅人を監視する役人がここに詰めていたのだろう。



いいマンホールだねぇ・・・。旧東海道の宿場町を駅伝ランナーが走っている。



JR戸塚駅。なかなかの都会だ。ここでようやく昼ご飯。涼しいところで美味しいものを食べたかったのだけど、お昼時で混雑がひどく、牛丼屋で済ますことになる。ちょっと寂しい・・・。



戸塚宿の澤邉本陣跡。表札を見ると後ろのお宅には今も澤邉さんの御子孫がお住まいのようだ。それにしても、ど真ん中に立っているのは、明治天皇の行幸記念の石碑。遷都の関係かとも思うが、東海道を歩いていても明治天皇絡みの石碑がやけに目に付く。



国道1号線バイパス。大磯に住んでいた吉田茂が、戸塚の踏切での渋滞に業を煮やして作らせたとの逸話が残る、別名ワンマン道路だ。



仮名手本忠臣蔵に登場するお軽勘平の逃避行の名場面の舞台になったところらしい。フィクションのはずなんだけど、立派な石碑が立っている。現代のアニメ聖地巡りと同じ感覚なのかもしれない。



浅間神社という名の神社が多く見られる。富士信仰に関連した神社だと思われるので、東日本に多いのだろう。関西ではあまり見かけない神社名だ。



茅ヶ崎とか江の島といった文字が道路標識に現れてきた。湘南は近いぞ。



ついに藤沢市に入る。国道の脇に深い緑の歩道があって、とても気持ちよく歩ける。



一里塚跡。一里塚の基本形は、もっと低い塚だと思うのだけど、ここは随分と高い。「上に行っても何もありません」との説明があるけど、階段があるなら行ってみたくなるのがウォーカーの心情。で、結局、何もなかった・・・。



遊行寺。踊念仏で知られる一遍の時宗の総本山だ。踊念仏とか一遍とか、歴史の教科書に登場する以上の知識もないので、勉強の良いチャンスだ。



境内の奥には、小栗判官・照手姫のお墓がある。小栗判官とか照手姫って浄瑠璃に登場するフィクションの人物だと思っていたのだけど・・・。



さあ、藤沢宿までもう少し。路面の案内矢印が導いてくれる。



ここでは電気の変電ボックスが案内板になっている。「歩いて見よう藤沢宿」と書かれているけど、そろそろ新幹線の時刻が近づいている。藤沢歩きは次の機会にして帰路に向かう。



本日の歩行軌跡。なんとも面白味のない軌跡だが、街道歩きでは直線的な軌跡になるのは仕方ない。ガイドブックでは18km弱のところを21kmほど歩いたということになっている。どうしても1~2割は多めになるようだ。



藤沢宿の次は、平塚宿、大磯宿、小田原宿、そして箱根宿だ。次歩くのはいつのことになるのだろう。京都に辿りつくのはいつのことだろう。体力だけでなく、お金と時間も問題だ。