2019年8月25日(日)
和歌山県橋本市でベルリンオリンピック金メダリストの前畑秀子スタンプラリーが開催されている。NHK大河ドラマ「いだてん」で、同市出身の前畑秀子に注目が集まっていることを機に橋本に人を呼び込もうということだろう。
昨日の柏原~河内長野のウォーキングの続きで橋本に立ち寄るつもりだったのだけど、時間切れで断念。今日あらためて橋本を訪問する。駅舎の右には前畑秀子の垂れ幕が、そして左には「まことちゃん」、橋本の2大スター?が出迎えてくれる。
まずは駅前の観光案内所へ。「ガンバレ!」のまち橋本市、いいねぇ、このキャッチフレーズ。ヒットラー時代のベルリンオリンピック、「ガンバレ前畑」を繰り返した絶叫放送は今聞いても鳥肌が立つ。
駅前にある観光案内マップ。紀の川の水運の拠点であり、また高野山の入口でもあった橋本の旧跡が20近く紹介されているのだけど、その横に、最近になって取り付けたと思われる1枚のパネルがある。「前畑秀子の飛び込み岩」だ。
スタンプポイントにもなっている前畑秀子の飛び込み岩に早速向かう。駅から歩いて数分のところに、このイベントのために取り付けられたと思われる案内標識がある。
何度も歩いている橋本なんだけど、前畑秀子の飛び込み岩はこれまでその存在さえ知らなかった。毎年のように観光案内所も立ち寄っているけど、こんなのあったかんぁ、NHK大河を機にでっち上げたんではないだろうか、との疑念はあるけど、それならそれでもいい。前畑秀子の功績になんの傷がつくものでもない。
幹線道路から階段を下りた紀の川を臨む川岸にスタンプは設置されている。スタンプ台もわざわざこのイベントのために新作されたもののようだ。多少の風雨には耐えれるような、しっかりとした作りだ。
で。、飛び込み岩は、というと、どうやらコンクリートで補強されまくっている川岸で唯一残された自然岩のことのようだ。ちょっと写真とイメージが違うけど・・・。
河岸の堤防のほとんどはコンクリートでしっかりと補強が為されている。前畑秀子が少女時代にここで泳いでいたのは80年ほども前のこと。きっとこのあたり全体に飛び込み岩のようなものがあったのだろう。
あらためて紀の川を眺めてみると、川幅は広く、結構水の流れは早い。橋本市をはじめ、紀の川で水練をしオリンピックに出場した選手が多いというのも頷ける。
残りのスタンプポイントの多くは、前畑秀子とは直接関係のないところ。しかも駅の
近くに固まっているので、その気になれば30分もあればコンプリートできるが、せっかくなので橋本旧市街をブラブラする。河岸段丘というのだろうか、意外にも凄く坂が多いところなのだ。
しかも、多くの家々が石垣を高く積み上げた上に立っている。紀の川の水面から高く堤防が施されているのだけど、その上にあっても水害に悩まされてきた土地なんだろうか。
橋本駅の南側は、かつてはお店も多くて賑やかな地域だったと思われるけど、今では老朽化した建物が多く、道の複雑さと狭さばかりが目立つ。「中央本通」との看板がある道も、中央とも本通とも思えない狭さだ。
狭い路地が交錯する所々に今も営業しているお店もある。昭和を思い起こす街並みだ。ひょっとしたら、前畑秀子が少女時代を過ごした昭和初期からさほど風景は変わっていないのではないだろうか。
応其寺。高野山を秀吉の攻撃から守るべく奔走した木食応其上人が開基した古刹だ。ここもスタンプポイントになっている。
由緒あるお寺の本堂のすぐ脇に、前畑秀子スタンプラリーのスタンプ台が設置されている。町あげて、このイベントを盛り上げようとしているようだ。
旧市街の荒廃ぶりばかりを書き連ねたけれど、少し歩けば、現代的な住宅街が広がっている。道幅も広く、敷地面積も広い、ゆとりのある住宅地だ。
古い商家なども残されている。ここは昔からのお医者さん。今も営業しておられる。
こちらは国登録有形文化財にもなっている呉服店。明治初期に建設されたという京町屋風の建物だ。このクラスの呉服店があるということは、橋本はかなり裕福な街だったに違いない。
太神社。ここもスタンプポイントになっている。
どうやら、ここはもともと一里塚があったところらしい。一里塚の目印となっていた松が昭和36年に枯れてしまったけど、今もその切り株が大切に保管されている。市民に随分と慕われてきた松なんだろう。
簡易郵便局だろうか。小さなお店などに郵便窓口業務を委託する仕組みは理解しているけど、おそらく新築の時点から郵便業務をする前提で、壁に窓口がある家を新築された個人宅というのは初めて見たように思う。
紀の川に架かる橋本橋。上から読んでも、下から読んでも橋本橋、だ。
なんと2年前に開館したという、前畑秀子・古川勝資料展示館。古川勝とはメルボリン五輪の水泳選手で、やはり橋本市内の出身だ。
ちらっと覗くだけのつもりだったけど、熱心な係員さんに話に引き込まれて30分以上滞在してしまう。豆腐屋さんに生まれ、父母を早くに亡くした前畑秀子が世界に羽ばたく存在になったのは、本人の努力もさることながら、教育関係者、町の人々の支援があってのことだと強く感じた。
スタンプ5つを無事コンプリート。前畑秀子をデザインした可愛いスタンプが揃った。
運が良ければ、橋本市の名産品が当選するらしいけど、それとは別に、このイベントのために新作したという前畑秀子せんべい、や各種資料、缶バッジなどを頂戴した。
橋本駅から帰路につく。来るときは気が付かなかったけど、居酒屋さんでも英語の案内ポスターを貼りだしている。高野山のついでに立ち寄る外国の人も多いようだ。
本日の歩行軌跡。げげっ、3kmも歩いていない。これではウォーキングとはいえないなぁ・・・。