2019年8月24日(土)
大和川の支流、石川に沿って、柏原から河内長野まで歩いてみることにする。スタートポイントは近鉄大阪線の安堂駅。柏原市役所に最寄の大和川北岸の駅だ。
大和川の北岸、国道25号線の脇に「大和川治水記念公園」がある。ここから北に流れて淀川に合流していた大和川を、西向き(堺方向)に付け替えた。300年以上前のことだ。公園には何基もの石碑の真ん中に、付け替えの立役者、中甚兵衛の銅像が建っている。
新大和橋を渡って、大和川南岸の藤井寺市に向かう。かつて船で渡っていた東高野街道に架橋されたもので、今では府道802号線となっている。実は800番台は自転車道に付けられるナンバーで、今回歩くのは、この自転車道(南河内サイクルライン)とほぼ同じコースになる。
新大和橋の南岸が、河内長野の和歌山県境近くに源を発する石川が大和川に合流するところ。写真奥を左右に流れるのが大和川で、右手前からの川が石川だ。
しばらく進むと、美しく端正な吊り橋が現れる。玉手橋だ。かつて近鉄が運営していた、西日本最古の近鉄玉手山遊園地へのアクセスのために作られたものだという。一度も訪問したことがないまま、20年ほど前に閉園してしまった・・・。
玉手橋を渡り、石川の北岸に出てきた。河川敷には遊歩道が整備されていて、楽しく歩ける。水辺だけに涼しげに見えるけど、実際は陽射しを遮るものが全くないところが真夏の河川敷歩きの問題だ。
イチジク畑の向こうに柏羽藤クリーンセンター。柏原・羽曳野・藤井寺の3市共同のごみ処理場のようだ。それにしても「柏羽藤」ってなんと読むのだろうか。「かしはふじ」でいいのだろうか。
河川公園としてもっと整備されているものだと思っていたのだけど、草ぼうぼう状態のところが多い。まあ、妙に整備しているより、こちらの方が楽しく歩けるんだけど、舗装された歩道以外には草が深くて足を踏み入れることさえできない。
広大な河川敷は、失礼ながらあまり全体計画もなく、部分ごとに適当な利用を図っているように見える。ここでは河川敷の歩道200mおきくらいに西暦100年刻みの石碑を置き、その年代に起こった出来事を歩道上のプレートに記載している。
むろん、野球とかサッカーのグランドとして使われているところも多い。ちょっと気になったのがパークゴルフ。18ホールの立派なコースなんだけど、プレイしている人は2人だけ。ちょっと覗いていたら、係の人が丁寧にルールなどを説明してくれた。
近鉄駒ヶ谷駅近くにある大黒寺。「日本最初大黒天出現霊場」との看板がそこかしこに掲げられている。役行者が雲に乗った大黒天に出会ってこの寺を創建したんだそうだ。大黒天のお寺ではあるけれど、境内にはほかの七福神の像も並んでいたりする。
南阪奈道路。今後の増設用だろうか、川にもう一本橋を架けることができるような橋脚がすでに準備されているように見える。
石川の東岸を歩いているうちに」、いつの間にか東から合流してくる支流に沿って歩いていた。河川敷歩きアルアルだ。
柏原をスタートし、藤井寺、羽曳野、富田林、河内長野の各市を歩いていく予定だったけど、支流に沿って東側に逸れてしまったため、太子町にも立ち寄ることになった。「和を以って貴しと為す」と書かれたマンホールは、他に類を見ない独特のデザインだ。
南河内サイクルラインとはいうけれど、写真のような走りやすい専用道になっているところもあれば、車道脇の狭い歩道であったり、道のレベルには統一感がない。
しかし、この橋は立派だ。石川サイクル橋というらしく、南河内サイクルライン整備に伴って、シンボル的な存在として新設された橋なんだそうだ。
石川サイクル橋からの石川の風景。意外なまでに水量も多く、川幅も広いことに驚く。河川敷もずいぶんと広々としている。
小規模な施設がところどころに立ち並ぶだけで、あとは野っ原状態の石川河川敷だけど、トイレの数はとても充実している。
歩き始めたころは随分と遠くに霞むように見えていたPLの平和塔がすぐそこに見えるようになった。石川河川敷はPL花火大会鑑賞に絶好のポジションだという。
「河内ふるさとのみち」の標識がある。以前からところどころで見かけるたびに、面白そうなウォーキングコースになっているのではないかと気になっているのだけど、ネットで調べてもよく判らないままになっている。
滝谷不動駅近くの橋の欄干に掲げられた資料を見て驚いた。このあたりの河川敷で象やら鹿やらの足跡が発見されたんだそうだ。今は絶滅してしまったアケボノゾウのものなんだそうだ。
腰神神社。きっと腰痛に霊験あらたかな神様に違いない。幸い最近腰痛に悩まされることは無いけど、以前はひどい腰痛に苦しんだこともあるので、しっかり拝んでおく。後で由緒書きを読んでみると、ここで楠木正成の愛馬の腰が回復したらしい。まあ馬にも効くなら人間にも効能があるに違いない・・・。
河内長野に近づくと、石川に沿っての道がなくなり、少し離れた道を進まざるをえなくなる。旧街道のような街並みだ。いい加減河内長野市に入ってもらいたいのだけど、歩いても歩いても富田林市を抜け出せない。
河内長野市に入ったのは、ゴールの河内長野駅の直前。河内長野駅ってしばらく見えなかった石川も姿を現した。
本日の歩行軌跡。10km地点の富田林のあたりでスマホをいじっていたときに誤ってアプリを停止させてしまったようだ。後半の軌跡は適当にフリーハンドで書き足した。総距離は20kmくらいだと思われる。